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カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報
体力も仕事も、まだ伸びしろが。今が一番幸せと思えています
原田知世さん
『恋愛小説』シリーズでラブソングのカバーを発表してきた原田知世さん。第4弾となる今作は、ビートルズやカーペンターズ、スティーヴィー・ワンダーといった、誰もが知る’60~’70年代洋楽アーティストの名曲をセレクト。透明感あふれる歌声は、心をほっとなごませてくれます。
「特に思い入れがあるのは、ニール・ヤングの『オンリー・ラヴ・キャン・ブレイク・ユア・ハート』。この曲は10歳年上の兄が、高校生のときにアコースティックギターで練習していて。部屋から漏れてくる楽器の音色や小さな歌声を、姉と一緒にドキドキしながら聴いていました。今回、サブタイトルに“音楽飛行”とあるのですが、懐かしい名曲を聴きながら、皆さんもそんな思い出や空想の世界へ心を羽ばたかせてくれたらなと」
歌の表現の幅を広げるため、こんな工夫もしたそう。
「YouTubeでプロ・アマチュア問わず、原曲のカバーをしている方々の歌声を聴きました。オリジナル曲だと私が生み出すしかないけれど、洋楽の名曲は世界中にカバーをした先輩方がいるので。『こんな歌い方もあるのか』と勉強になりました」
プロデュースとアレンジを手がける、ギタリストで作曲家の伊藤ゴローさんの存在も、原田さんの音楽にとって欠かせない存在。アコースティックを基調にした上品なアレンジは、どんな場面にもしっくりきます。
「ゴローさんとは15年以上ご一緒していますが、お互いに刺激を受け合える関係です。でもその刺激って、ぶつかり合ったりするようなものとは違って。音楽の基本を大切にしながら、自由な遊び心も忘れない感覚を共有できていると思いますね」
14歳でデビューし、活動歴は40年以上に。みずみずしく年を重ねるその姿は、LEE読者の憧れ!
「あまり情報に振り回されすぎず、今が一番楽しいと思うようにしています。ファッションもTPOは意識しつつ、自分が着たいものか、身につけて心が晴れやかになれるかどうかが軸になっていますね。そういえば20年くらい前に、LEEの取材でミラノへ行った際に買ったバッグとネックレスも、いまだに使っているんですよ。体力は、昔よりも落ちてくる年代……かと思いきや、実はそんなこともなくて(笑)。無理がきかない部分も増えますが、50代でゴルフを始めてから体が軽やかに。この前、駅までダッシュをしたら、40代の頃よりも息切れしなかったんです! どの年齢でも伸びしろってありますし、自分なりの幸せって見つけられると思うんですよね」
原田さんの中では、歌、そしてお芝居も“伸びしろ”を感じたいもの。
「お芝居は短い時間の中から大勢の方々に刺激を受ける場で、歌は時間をかけて作り上げるホームみたいな感覚。どちらも、一つクリアできたことが自信になって、また次の一歩を踏み出す原動力になります」
「でもいまだに、緊張って、なくならないんですよ」と、笑う姿も、とてもチャーミング!
「新しい仕事に挑戦する前は必ず、お芝居の台本が見つからなくて焦る夢を見るんです。セリフを覚えておらず、しかも……どうやら重要な役どころらしい(笑)。夢を見るたび冷や汗ものなのですが、これも、自分なりに飛躍するための心構えをしている証拠だなって。最近は、視点を変えて緊張感を受け入れています」
Profile
はらだ・ともよ●1967年11月28日生まれ、長崎県出身。1983年、映画『時をかける少女』でスクリーンデビュー。以来、映画、TVドラマ、CMなどで活躍中。歌手としてはオリジナルアルバムをコンスタントにリリース。近年はカバー作品も多く発表している。
Instagram:o3a3_haratomo
X:o3a3
公式サイト:https://www.universal-music.co.jp/harada-tomoyo/
『恋愛小説4〜音楽飛行』
大好評のラブ・ソング・カバーシリーズの第4弾。今回は2015年にリリースされた『恋愛小説』以来、8年ぶりの洋楽カバー集。「聴く方の日常に寄り添う作品になったらうれしいです」という原田さんの言葉どおり、一人でリラックスするときも、家族や仲間と過ごす時間に流すのにもぴったりの、ハッピーで心なごむ仕上がりに。¥3300(ユニバーサル ミュージック)
Staff Credit
撮影/田上浩一 ヘア&メイク・スタイリスト/藤川智美(Figue) 取材・文/石井絵里
こちらは2024年LEE1・2月合併号(12/7発売)『カルチャーナビ』に掲載の記事です。
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