口ベタのままでもいいんです!
【聴き上手になるための6つのヒント】話すプロである堀井美香さんが教えるコツとは?
2023.11.13
口ベタのままでもいいんです!
堀井美香さんの「聴きポジ」が
あなたの人生をラクにする
アナウンサーとして約30年のキャリアがある堀井美香さん。話すプロである堀井さんが、実は大事にしているのが“聴くこと”。聴き手のポジションで話すメリットや、会話に苦手意識があっても円滑なコミュニケーションをとるコツを教えてもらいました!
著書に『聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術』(徳間書店)『一旦、退社。~50歳からの独立日記』(大和書房)。
Podcast『OVER THE SUN』に30代・40代が大共感!
堀井さんとジェーン・スーさんによるPodcast番組。’20年10月に配信開始し、月間リスナー数は約80万人とも。お2人の痛快な本音トークが魅力で、LEE読者にもファンが多数! 毎週金曜日夕方5時配信。
「聴きポジ」とは?
会話には話し手と聴き手のポジションがあり、相づちや質問で話を動かすのが聴き手のポジション=“聴きポジ”。“聞く”は相手の話を耳に入れること、“聴く”には話を耳だけでなく心に入れ、相手の言いたいことを理解するという意味合いがあります。
実は聴くことが多いアナウンサーの仕事が、「聴きポジ」のベースに
フリーアナウンサーとして活躍を続ける堀井美香さん。“聴くこと”に注目したきっかけは?
「アナウンサーというと、司会やキャスター、ナレーションのような話す仕事のイメージが強いと思います。それはもちろん間違いではないのですが、私はMCのアシスタントやインタビュー、トーク番組でゲストを迎えることなど、話を聴く仕事が多かったんです。永六輔さん、久米宏さんのような個性的なMCの方々や、第一線で活躍するゲストの皆さんと向き合う中で“聴きポジ”の大切さに気づき、スキルを磨いていきました」
仕事として“聴きポジ”を極めてきた堀井さんですが、プライベートでもいい効果が。
「初めての人との会話が苦手だったり、大勢の輪の中で居心地が悪く感じる人も多いと思います。私自身もそうなのですが、何か話さなきゃ、アピールしなきゃと思うとそわそわして、挙動不審になってしまったり(笑)。そんなときでも、自分は聴き役なんだと“聴きポジ”に徹することで、場にいやすくなり、コミュニケーションを助けてくれるのではないかなと。それに、“聴きポジ”は実はラクなんです!
私は普段からどこに行ってもあまりしゃべらず、にこにこして聴いて、少し質問をするぐらい。でも、うまく聴く側にまわると、みんなが自然に盛り上がって、楽しい気持ちになってくるんですね。どうしても話すことに目が行きがちで、そちらのほうが大事だと言われる時代ですが、“聴きポジ”ができれば、より生きやすくなると思いますよ」
無理に話そうとしなくても、会話が弾みます
「聴きポジ(聴き手のポジション)」上手になるための6つのヒント
堀井さんが普段から実践している“聴きポジ”のポイントをご紹介。難しいスキルは一切なし! 少し意識をするだけで、会話がスムーズになるはず。
Tips
1
会話をするときは、「相手9割、自分1割」を意識
私は会話をするとき、最初からは「自分のことは話さない」と決めています。極端ですがそのぐらいのマインドがないと、つい自分のことを話してしまうんですね。会話の9割は相手のことが知りたい、相手にしゃべってもらうという姿勢で。私からの質問や相手に聞かれたときのリアクションが、残りの1割ぐらいのイメージです。
Tips
2
会話の目的をはっきりさせると、聴きやすい
例えば上司にキャリアについて相談をするときは、ある程度のゴールがあり会話の成果が必要。ママ友なら、その場にいるみんなが居心地のいい雰囲気を作りたい。美容師さんとの会話は、空間を埋められればよく、中身はそこまで必要ないですよね。このように、自分がしている会話の目的を意識できると、相づちや質問がしやすく。
Tips
3
「話さないと!」と焦らずに、盛り上がらなくても大丈夫
「話を盛り上げなければ」と気をもむ人が多いのですが、私はそこそこで大丈夫だと思っています。その場がいい雰囲気で、気持ちよく過ごせればOK。いくつか答えやすい質問をしても反応が薄い場合は、相手は話したくないか、静かな状況が心地いいのかもしれない。それであれば、無理に会話を続けることもないと思います。
Tips
4
共通点よりも、違いを探して聴いてみよう
多くの人が相手との共通点を見つけて、会話を展開させると思います。それも素敵なのですが、より相手に話してもらうには、“自分や一般的なこととの違い”を探して、その部分について聴くのがおすすめ。例えばそれが、私が知らない相手の趣味のことなら楽しく教えてくれて、こちらも新たな情報を得られるので一石二鳥です。
Tips
5
まずは相手の話を聴ききろう
実は“聴ききる”ことができている人は、少ないと思います。多くは、相手がまだしゃべっている間に「この後に、自分がこれを話そう」と次の会話に頭が支配されてしまうんです。聴くとは、相手の話を聞き出し、深め、受け取ること。例えば「相手から新しい情報を3つ聴くまで自分は話さない」などと、ルール決めをしても。
Tips
6
共感する・問う・深める、3つの相づちを使いこなそう
相づちを使い分けられると、より話を聴きやすく。おなじみの「うんうん」「へぇ〜」などの“共感する相づち”、「誰と?」「どうやって?」「なぜ?」などの“問う相づち”のほかに、“深める相づち”も。例えば、ママ友とピアノ教室の話になり、場所やレッスン日などの情報を聞く中で、先生を選んだ基準なども質問すると、その人の価値観が見えてくるはず。距離を縮めたい相手には効果的です。
Staff Credit
撮影/田上浩一(人物) 佐藤健太(書影) スタイリスト/高橋美帆 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE12月号(11/7発売)「堀井美香さんの「聴きポジ」があなたの人生をラクにする」に掲載の記事です。
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