ぶれない存在感と、圧倒的な正装感。着る人を選ばず、どんな時でもどんなシーンでも頼りになるのが「黒」という色。とりわけ、〝真夏の黒〞はそのパワーを最も発揮します。

理論派ファッションエディター、磯部安伽さんが今年おすすめの最旬の黒をナビゲート！

目次

• テクニック不要、さっと着るだけ！ 黒のサロペット
• 無地もいいけど今年はプリント！ 黒のTシャツ
• 着くずさず、あえてハンサムに 黒のシャツ
• 天然素材よりも、「化繊」に注目！ 黒のスカート＆ドレス
• 今年はいっそ、ショート丈！ 黒のパンツ
• 羽織り物の選択肢が広がった！ 黒のアウター
• スポーツブランドの「黒」は日常にこそ使えます
• やっぱり最強です。「黒名品」

Profile

エディター 磯部安伽さん

ファッション雑誌をはじめ、ブランドのコンテンツ製作等で活躍する人気エディター。著書に『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』（KADOKAWA）。

●Instagram：yasukoisobe

夏こそ気軽に楽しく、黒の力に頼りましょう

「気温も湿度もとびきり高い日本の夏に、黒ほど似合う色はないと、毎年、答え合わせをするように実感します。

凛としていて潔くて、何ものにも揺るがない力強さがある。そう！ 夏バテも夏ダレも一気に吹き飛ばしてくれる黒こそ、この時期の最強カラーだと思うのです。

そんな、絶対王者の真夏の黒が、3年ぶりの解放感にあふれる今季、ますますパワーアップしています。アイテム、素材、ブランド…etc.この夏のおしゃれをポジティブに進化させてくれる、最新の黒に注目。

〝暑い時こそ、なおさらブラック！！〞夏をさらに楽しくしてくれる、魔法のような合言葉です！」（磯部安伽さん）

テクニック不要、さっと着るだけ！

〝着るだけでおしゃれが決まる夏服〞と聞かれたら、昨夏までなら迷わず、「黒ワンピ」と答えていました。

今夏は、「黒サロペ」がその座を奪取！ ワンピースよりもアクティブで洒脱。一着あると心強い、最新の黒です。

カジュアルもきれいめも。オールマイティな新定番

「自転車にも乗れるのに、お出かけシーンにもぴったり。その活躍幅の広さが、黒サロペットの最大の魅力。インナーに悩まない、一枚で着られるタイプが特におすすめです」（磯部安伽さん）

無地もいいけど今年はプリント！

この夏、プリントTが空前の大ブーム！ Tシャツなのにきちんと感を持つうえ、汗じみが目立たないことから、真夏に重宝する黒Tも、積極的にプリントTに乗り換えてみて。鮮度の高さと着映え感の虜になるはず！

〝ほんのりロック〞を堪能！ 着映え感満点のTシャツスタイルに

「ヴィンテージライクな墨黒をベースに胸元と背面に白ロゴを配した一枚は、子どもっぽく見えずまさに大人向き。カラフルな花柄スカートを大胆に合わせて、夏らしいおしゃれを全身でエンジョイして」（磯部安伽さん）

着くずさず、あえてハンサムに

デニムやワークパンツと相性のいい、ちょっと甘めの黒ブラウスは、カジュアル派のLEE読者にとっての、夏の定番服。カジュアルダウンせずあえてハンサムに着るだけで、たちまち新鮮な装いに様変わり！ 手持ちの一枚が簡単に蘇るアイデアです。

甘いキャミブラウスを軸に、リッチ感漂う上下ブラックを完成

「いつもはデニムと合わせるフリルキャミ。同色のニットパンツと一緒なら、ほどよいリッチ感が備わって」 （磯部安伽さん）

カジュアル派向けの、モードなモノトーンコーデ

「バックディテールと上品な透け感で、とびきりフェミニンに仕上がったシアーブラウス。落ち感素材のワイドパンツを合わせ、モード感がきわだつモノトーンコーデに。カジュアル派がトライしやすいハンサムさです」 （磯部安伽さん）

天然素材よりも、「化繊」に注目！

「昨今の、化繊の進化はめざましい！ 軽くてお手入れがラクで、高見えするとくれば、活用しない理由はありません。

特に、微光沢が生きる黒スカートやドレスは、化繊の長所を存分に堪能できるアイテム。天然素材好きの私が言うのですから、間違いないと思います（笑）」（磯部安伽さん）

まさに才色兼備！ ヘビロテ確実のロングスカート

「洗濯機洗い可能な、ポリエステル100％のロングスカート。化繊の進化を実感できる軽さとクオリティ。一度はいたら手放せなくなる一枚です」（磯部安伽さん）

鉄板のブラックワンピを、スポーティムードな一着で更新

「背中にポイントを持たせた黒ワンピは、化繊を生かしたスポーティなデザインが魅力。デイリーに楽しむのはもちろんのこと、着こなし次第でドレスアップシーンでも活躍してくれる一枚。夏のワードローブに仲間入りさせて」（磯部安伽さん）

今年はいっそ、ショート丈！

「そう、夏なのだから、大人だってショートパンツをはいてもいい。黒という、圧倒的なきちんと感がしっかり支えてくれているから、ドレスコードを外れることはないはず。

今年の夏ならではの解放感に、安心して身をあずけて！」（磯部安伽さん）

夏らしいヘルシーさあふれる最旬のパンツスタイルを完成！

「どんなトップスも受け止めてくれる、懐の深い黒パンツ。トレンドのショート丈ならヘルシーさが加わってぐっと軽やか、夏場のほどよい肌見せにも最適です。ベビーピンクのノースリカットソーと一緒に、好感度抜群のパンツスタイルを堪能して」（磯部安伽さん）

羽織り物の選択肢が広がった！

真夏に欠かせない冷房対策用のアウターは、夏コーデのおしゃれ度を左右する最重要アイテムだと、常々感じています。

たかが羽織り、されど羽織り。頼れる黒の羽織りがあれば、お出かけに自信が持てるはず！ 今年らしい3タイプから、あなたはどれを選ぶ？

01.
シアー素材のブルゾン

今どき感No.1アウターで、ワンピースをおしゃれに彩って

「秋冬シーズンからのブルゾン人気を受けて、今季は夏素材のタイプも新たに登場しています。このハリのあるシアー素材の一着は、ブルゾンなのに薄くて軽い！ バッグに入れて持ち運ぶのにも、かさばらなくてとても便利です。

意外と悩むノースリーブワンピの羽織り物としても、最適なチョイスだと思います」（磯部安伽さん）

02.
バンドカラーシャツ

バンドカラーのリネンシャツを、羽織りとして活用

「シャツを羽織り物使いする着こなしが今また流行するなんて！ ベーシック好きにとっては、うれしい限りです」（磯部安伽さん）

03.
Vネックカーディガン

黒カーデを羽織るだけ。カジュアルコーデが引き締まる！

「カーディガンは、着るよりも肩かけするのがおしゃれだと思っていたのは、昨シーズンまでの話。正真正銘、カーディガン使いするのが、とびきり今年らしいんです」（磯部安伽さん）

スポーツブランドの「黒」は日常にこそ使えます

LEE読者にとってはなじみの深い、スポーティなアイテム。デイリーコーデに一点、黒で取り入れるだけで、たちまち今っぽさが漂いだすから不思議です。ポイントは、スポーツライクではなくて、ずばり、スポーツブランドであること。これ、実はすごく大切です！

01.
Brand：NEW ERA
Item：Cap（CASUAL CLASSIC）

おしゃれに大きく差をつける、優秀ベースボールキャップ

「大リーグのオフィシャルブランドとしても知られる、ベースボールキャップの老舗『ニューエラ』。デイリー使いが流行り始めて数年、すっかり日本でも定着しました。

私も数個愛用中ですが、活躍頻度が高いのはやっぱり黒。どんな着こなしにもマッチします」（磯部安伽さん）

02.
Brand：NIKE
Item：Leggings（NIKE ONE）

海外のおしゃれセレブのようにスポーツレギンスを取り入れて

「スポーツレギンスをはきこなす海外のファッショニスタへの憧れから、この着こなしを提案してみました。レッツ・トライ！」（磯部安伽さん）

03.
Brand：THE NORTH FACE
Item：Backpack（Boulder Daypack）

メンズライクなバックパックはおしゃれ上級者のトレードマーク

「存在感たっぷりのスポーツブランドのバックパックをデイリーに使いこなす姿は、おしゃれ上級者の証。メンズもしくはユニセックスをチョイスするのが、私の個人的こだわりです。スカートスタイルにも遠慮なく合わせます」（磯部安伽さん）

04.
Brand：Teva
Item：Sandals（HURRICANE XLT2）

万能の黒サンダルこそ、快適さを諦めない！

「ハイテクスニーカーの履き心地に慣れ切ってしまった私たちにとって、『テバ』のサンダルはまさに夏の救世主。抜け感と快適さを両立してくれて、どんな服にも合う。スポーツブランド発、黒サンダルの本領発揮です」（磯部安伽さん）

やっぱり最強です。「黒名品」

小物が、〝ちょっといいもの〞だと、夏カジュアルは、もっと自由に、もっと楽しくなるものです。「黒名品」は、まさにその最たる例！ 今どきでありつつも、長く愛せるマスターピースが揃いました。

01.
ASAUCE MÊLER
アソース メレの「リネンストール」

アクセサリー代わりにもなる、繊細な薄手リネンを一枚

「黒のリネンストールは、着こなしを格上げしてくれる、冬で言うならば、上質なカシミヤストール的存在です。ざっくりとした厚手のリネン素材よりも、ちょっと繊細さを感じる、少し薄手のタイプが巻きやすく、かつリッチ感を演出できておすすめ。

『アソース メレ』の大判ストールは、羽織り物代わりだけでなく、アクセサリーにもなる、まさに黒名品と呼ぶにふさわしい一点です」（磯部安伽さん）

02.
EYEVAN
アイヴァンの「サングラス」

これぞパーフェクトな黒。ほかでは手にできない完成度の虜に

「マスクをしない生活になって、サングラス業界では、黒レンズ人気が戻ってきたと言われています。華奢フレーム×黒レンズは、やはり一生もの。一瞬、流行が去ったとしても、必ずここに戻ってくる。『アイヴァン』の黒は、ほかでは味わえない完成度です」（磯部安伽さん）

03.
J&M DAVIDSON
J&M デヴィッドソンの「ベルト」

この一本を添えるだけで、着こなしが見違える

「今季突如やってきたベルトの流行に、しっかりとこたえてくれるのが、『J＆M デヴィッドソン』。ベルト好きも初心者も、このウエスタンベルトが一本あれば、怖いもの知らずです。主役使いをしても脇役使いをしても、おしゃれが別格に仕上がります」（磯部安伽さん）

04.
Paraboot
パラブーツの「サンダル」

まるでパリのマダムのよう！ 黒の名品サンダルで、鉄板の足元を完成して

「LEE読者にもファンが多いブランド『パラブーツ』から、本格派の存在感と夏らしい軽やかさを備えた新作サンダルが登場。

特徴はクッション性に優れたソールと着脱しやすいベルクロ仕様。パリのマダムのような、アクティブかつハンサムな夏の足元が手に入ります」（磯部安伽さん）

05.
bororo
ボロロの「オニキスリング」

黒が持つパワーをダイレクトに味わって

「女らしさとモダンさを両立する『ボロロ』で見つけたオニキスのリング。力強い透明感にあふれたこのリングは、黒という色の魅力をそのまま映したよう。

つけるたび、目にするたび、体の奥底から力が漲るような感覚を味わえる一点です」（磯部安伽さん）

06.
La Maison de Lyllis
メゾンドリリスの「ハット」

おしゃれも実用性も譲れない！ 夏のハットの理想形

「おしゃれなだけでは満足できないのが、夏の帽子。強い日差しから守ってくれること、そして折りたためること。この2点は譲れないポイントです。

『メゾンドリリス』で見つけたリネンのバケットハットは、それらを叶えてくれる理想形。顔まわりを美しく見せてくれる絶妙なシルエットも必見です」（磯部安伽さん）

07.
PIERRE HARDY
ピエールアルディの「ハンドバッグ」

いざというシーンも、なんでもない一日も。名品バッグを味方に

「憧れブランドの黒バッグほど、女心とおしゃれに寄り添ってくれるものはありません。

『ピエール アルディ』の人気定番、〝アルファ ハンドバッグ〞。このモダンさとエレガンスを、この夏こそ」（磯部安伽さん）

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●Summer item-01〜05：撮影／生田昌士（hannah）　ヘア＆メイク／森 ユキオ（ROI）　スタイリスト／徳原文子　モデル／蛯原友里　取材・文／磯部安伽
●Summer item-06〜08：撮影／小嶋洋平（人物・ロケ物）　魚地武大（TENT）（物）　ヘア＆メイク／桑野泰成（ilumini.） 　スタイリスト／徳原文子　モデル／浅見れいな　取材・文／磯部安伽

こちらは2023年LEE8・9月合併号（7/7発売）「暑い時こそ、なおさらブラック！！」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示（掲載当時）です。