【積水ハウス×ミナ ペルホネン】前編:コラボのモデルハウス「HUE(ヒュー)」詳細レポート! 皆川 明さんディレクションのおうちには、家づくりとインテリアのヒントもいっぱい【ファン垂涎のWEB上ルームツアー】
2023.06.13
「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」の世界観に包まれた自宅で、毎日を過ごす――そんな夢のような暮らしが、現実に。
積水ハウス×皆川 明さんのコラボで話題となっているモデルハウス「HUE(ヒュー)」は、4月のオープン以来、実際に見学した人から、「ここまで徹底的に世界観が作り込まれているとは」と感動の声が続々。
気になりつつも、まだ体験できていないLEE読者のために、全貌をたっぷりレポートします!
積水ハウスが今年発表した、新しい家づくりのデザイン思想が「life knit design」。
それは、自分にとって価値のあるもの、大切に思うもの……たとえば心に響くアートやデザインを自由に取り入れながら、その人らしい感性に合わせ、愛着を編み込むようにつくっていくという、新たな暮らしの提案です。
この新コンセプトに皆川さんが共感。今年4月、そのコンセプトを体現する第1棟として、積水ハウスとミナ ペルホネンのコラボレーションモデルハウス「HUE」が、東京・世田谷の「駒沢シャーウッド展示場」に誕生しました。
人の想い、街の風景、日々の暮らし……それぞれが色を重ね合わせるように紡がれていく様子。「HUE(=色相)」は、そのさまざまな彩りを思って名付けられました。
(左)街の風景のひとつとしても、価値ある存在に。そんな思いからデザインされた外観。屋根の勾配、外構の表情など、シンプルでいてほかにはない佇まい。約40坪の土地に建つ2階建てです。
(右)「HUE」のロゴのデザインも、皆川さんの手によるもの。
外構&玄関
大好きなわが家!
ドアを開けるその瞬間まで、胸が高鳴ります
わが家に着くまでのワクワク感を高める長めのアプローチが、無垢の木を素材にした玄関ドアまで続きます。
職人の手による、ひとつずつ風合いが違う岐阜県・多治見産の手焼きのレンガ、さらには“透かし積み”と呼ばれるその積み方まで、皆川さん自身がこだわりをもって提案したそう。
(左)玄関脇の木製ルーバーも、皆川さんのデザイン。やわらかな光が透過するように1本ずつ丸みを帯びた形状に仕上げ、ゆるやかに視線をさえぎる絶妙な間隔までも指示。積水ハウスで家を建てる際は、こういった「HUE」のエッセンスを、ピンポイントでも自由に取り入れるられるのがうれしい!
(右)「HUE」の最大のこだわりといえるのが、家を取り巻く“光”のあり方。たとえば玄関では、朝、家を出る時間に最高の光を浴びられることを想定して、木漏れ日が玄関に写るよう、外の植栽と窓が配置されています。
ダイニング
朝ごはんは、木陰でゆったりと。
毎朝、そんな気分になれます
家族がテーブルを囲む空間は、朝方窓から差し込む太陽の光まで計算され、木陰にいるかのような安らぎ。
天井には、より効果的に光を感じられるよう無垢のピーラー材が貼られ、ゆったりと勾配がつけられています。
もちろん、光と景色を切り取る窓の高さ、光の陰影を繊細に描きだす珪藻土の塗り壁など、随所に緻密な計算が。
皆川さんの世界観でスタイリングされた家具や雑貨に囲まれて朝ごはんを味わえるなんて、このうえない幸せ!
印象的な真鍮のペンダントライトは、イタリアのインテリアブランド「ジェルバゾーニ社」の「ブラス」という照明。
(左)数ある中から、「HUE」の食卓ために皆川さんが選んだのは、深澤直人氏デザインの「マルニ木工」のダイニングテーブルと、「KOYORI」のmiauアームチェア。クッション部分には、デンマークの「クヴァドラ」社が手掛ける、「ミナ ペルホネン」のファブリックが施されています。
(右)ティーポットやキャンドルホルダーなど、さりげなくディスプレイされたアイテムも、すべて皆川さんのセレクトというから、見逃せません。
(左・右)窓辺には自然と人が集まるもの。昔の縁側のようなイメージで、ダイニングの窓の下にもベンチをしつらえて。クッションカバーや、ベンチにさりげなく置かれた収納にも使えるボックスも、もちろん「ミナ ペルホネン」のもの。
ダイニングルームの隅の小窓にあしらわれたロールスクリーン。カーテン生地も「ミナ ペルホネン」のテキスタイルで、よく見れば、ランダムな模様の穴から小さくこぼれる光の粒が壁に写し出されて。
キッチン
おしゃべりしながら、時に楽しく夢中になってこもれる
完全なオープンでなく、あえて少し区切られたキッチンスペースに。家族の気配を感じながらも、ごはん作りに楽しく集中できる空間です。料理上手で知られる皆川さんだけに、デザインの美しさはもちろん、調理しやすさや過ごしやすさも抜群。
ちょっとした作業ができる窓辺のデスクコーナーや、子どもたちがおやつを食べたりするのにぴったりな対面カウンターなど、食を通じて暮らしを豊かに楽しむ工夫があちこちに。
システムキッチンは「クチーナ」。しっとりと落ち着いたこのダークグリーンの面材は、「HUE」特注カラー。
洗面室&トイレ
先端の設備と、窓辺の緑で心地よく
快適な暮らしのために妥協できないのが、洗面などの水まわり。最新式の設備を備えつつ、すみずみまで「HUE」らしい、やわらかな印象を漂わせます。
(左)暗くなりがちなランドリー&洗面スペースにも、はき出し窓で外構から明るい光を取り入れて。
(右)浴室のドアをガラスにすることで、窓の外に広がる緑を眺めながらバスタイムを楽しめる。
(左)“どの部屋からも中庭を望める”ことも、この家のこだわり。皆川さんのアイデアで、洗面スペース横に木の引き戸で開閉できる小窓つきに。
(右)トイレのタイルまで「ミナ ペルホネン」のものという贅沢!
リビングルーム
いつでも温かな“光”を感じられる団欒の空間
帰宅後、家族が集まるリビングルームは、開放感ある中庭を望むレイアウト。家具や照明は、ゆったりとくつろぐことを重視してセレクトされています。
夕方から夜にかけて過ごすことの多い空間ですが、ここでにも感動の、皆川さんの“光”への思い入れが詰まっているのです。
ソファは、駒沢展示場用特注デザイン。ファブリックは「ミナ ペルホネン」を代表する柄のひとつ、“dop”を使用しています。
(左)皆川さんデザインのカーペットは、老舗絨毯メーカー「スミノエ」とのコラボで、「HUE」オリジナル。日が落ちてからも、そして中庭の葉が落ちる冬も、リビングに木漏れ日を表現するために制作。目を凝らせば、グリーンの繊細なグラデーションが!
(右)北欧を感じる白樺の丸太にガラス板をのせて、ローテーブルを手作り。こちらも皆川さんのアイデアだそう。
(左)ソファに使われたファブリック“dop”は、使い込むうちに表面の糸がすり切れることで、裏地の色が現れる。この生地を選んだのは「住まいや家具の“経年変化”を楽しんでほしい」との思いから。
(右)リビングからステップフロアへと続く階段。ここにちょっと腰をおろし、中庭とリビングを眺めながらくつろぐこともできる。
リビングと玄関を繋ぐのは、デッドスペースを活用した収納空間。ハウスメーカーならではの、暮らしを快適するアイデアが盛り込まれているのも「HUE」の魅力。
中庭~ソファコーナー
光に満ちあふれる、我が家の中心
中庭は、もうひとつのリビングルーム。「HUE」ではそんな位置づけです。ウッドデッキが敷かれていることで、室内から気軽に、開放感いっぱいのこの場所へ出られます。
キッチン、廊下、リビング、ダイニング……中庭を取り囲むあらゆる場所から、植栽を眺め、緑を感じることで、自然と共に暮らす喜びを味わえます。
(左)眺めるだけでなく、楽しむための中庭。そんなコンセプトのために、皆川さんがデザインした特注の木製ラウンドベンチ。
(右)中庭を望める2階の窓にも、シンボルツリーのアオハダの木が写り込んで。外壁は、コテムラの味わいがある塗り壁風の吹き付け。
ソファコーナー
緑を眺めてほっとひと息
一人で過ごせるくつろぎスペース
1階の廊下の途中には、小さな洞穴のようにちょっとこもれるスペースが。「HUE」には、家のあちらこちらに、くつろぎの空間が用意されています。
読書をしたり、中庭からの風に吹かれながらうたた寝をしたり。個室とはひと味違う、ほどよく開かれた心地いい場所です。
ソファを包み込むような、アールを描く壁に守られたコーナー。裏にある洗面所とつながる小窓には、イッタラのヴィンテージのガラスバードが。
(左)空間のアクセントになる隠れ家的スペース。中庭でくつろぐ家族を、のんびり眺めるのも幸せ。
(右)ソファには「ミナ ペルホネン」のファブリックを張って。クッションとの柄のコーディネートも素敵。
(左)くつろぎのおともは文庫本。壁には、アンティークの籐製ブックシェルフを。
(右)夜は「ピーター・アイビー」のガラスのペンダントライトが、空間をほんのりと照らして。
……すでに大充実ながら、ここまでは2階建てのうち1階スペースのみ。次回、後編でご紹介する2階にも、素敵なアイデアにあふれた空間が広がります。後編記事のアップは6月下旬の予定。お楽しみに!
駒沢シャーウッド展示場 HUE
場所:東京都世田谷区深沢 4-26
*見学は完全予約制。WEBにて来場予約を受け付け中。詳しくは公式HPをご確認ください。
撮影/大森忠明 取材・文/福山雅美
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。