三菱UFJ銀行の振込手数料引き上げ、その金額は…
三菱UFJ銀行が発表した新しい振込手数料の金額が、驚きの数字になっています。
手数料引き上げは2023年10月からで、ネットバンキングを除く、窓口・自行ATM・コンビニATMすべてが対象に。
これまであった3万円未満・3万円以上の区分も撤廃、同じ手数料に統一されます。
さて問題の金額ですが、ATMで他行あてに現金で振り込む場合、3万円未満は現在374円のところ、なんと880円に。500円以上のアップです。
もし窓口で振り込みをすると、金額にかかわらず一律990円!
千円札が一枚飛んでいく数字です。
1万円を振り込んで990円払うとするということは、約10%もの手数料になります。預金金利は長らく年0.001%(普通預金)で一向に上がる気配がないというのに…。
現状では三菱UFJ銀行だけの発表ですが、他のメガバンクも同じような引き上げに踏み切る可能性は大きいでしょう。
ネットバンキングやアプリ移行でコストを下げたい
実は、2021年10月に各銀行は振込手数料を一斉に下げました。
40年間見直されなかった「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の送金手数料が見直され、新たな費用が創設されたためでしたが、まさか2年後に“倍返し”がくるとは。
銀行側は理由として、現金取り扱いコスト軽減や金融詐欺対策費用などをあげているようですが、ネットバンキングやアプリを積極的に使ってもらい、業務コストを下げたいというのが本音でしょう。
しかし、それをまるで罰ゲームのように利用者負担に乗せるのは納得がいきません。
アプリを使いこなせる人ばかりではないし、今は問題なく使えている人も年齢を重ねるうちに難しくなっていくこともあるでしょう。高齢化が進む日本で、それが利用者に優しい対応なのかと疑問も感じます。
お金はどの世代にとっても大切なものです。誰一人取り残さない日本であってほしいのですが、今後はどうなるのでしょう。
金融機関にはデジタル化で浮いたコストを、対人のように音声でやり取りできるなど誰でも簡単に取引できるシステムづくりに使ってほしいと願うばかりです。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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