仕事、育児、家事とバタバタしがちな毎日に、気づけば心もカチンと硬くなっていませんか? 自分を大事にするためにも、泣くのは大切なこと。感動しつつも疲れずに、やさしく泣けて心をほぐしてくれるエンタメ作品を、一気にご紹介します!
最近、こんなことありませんか?
シリアスすぎたり、悲惨な話は号泣しつつ心もドーンと落ち込んじゃう。
20代の頃は特に気にせず見てた、シリアス系のストーリー。最近は号泣しつつ、心も思いっきり凹んで翌日まで引きずっちゃう…。疲れる作品は自然と避けがちに。
日々のあれこれに追われて、感情も省エネモードに。無駄な涙なんか流してるヒマは1ミリもない!
仕事、育児とタスクをこなすのが最優先で、日々の出来事に気持ちを揺らしているヒマはなし。泣いていないというよりも「涙を流す余裕ナシ」なのが本音のところ。
イライラしたり、悔しかったり、不安だったり。気づけば最近はネガティブな涙ばかりかも!?
疲れた、モヤモヤする、心配になるなど、どちらかといえばネガティブな理由で涙する機会が増えた気が。「泣いて心が潤う」的なシチュエーションとはご無沙汰に…。
「たとえ一粒の涙でもいいんです。気持ちよく泣くことは幸せホルモンの分泌につながります」
この方に聞きました!
精神科医 奥平智之先生
日本栄養精神医学研究会会長、医療法人山口病院副院長(埼玉県)。「メンタルヘルスは食事から」をモットーに精神科治療を実践。著書に『最新版 ココロの不調回復 食べてうつぬけ〜鉄欠乏女子〝テケジョ〞を救え!〜』(主婦の友社)など。
●Instagram:tabete.utsunuke
●Twitter:Okudaira_Tomo
●公式サイト:https://www.dr-okudaira.com/utsunuke
「涙には物理的な刺激に反射して出るもの、乾燥から目を守るもの、そして感情に反応して出る涙の3種類があります。
感情に反応して出る涙はメンタルヘルスにとてもいいので、〝忙しすぎて涙していない〞人は要注意。悔し泣きが増えた人は、戦闘モードを抑えるために泣いている可能性があるので、ストレス過多を自覚して。また、あまりにつらいストーリーに触れての涙はストレスホルモンのコルチゾールを増やしてしまいます。
うれしさや感動を感じられるエンタメ作品で泣くと、脳内に愛情ホルモンと呼ばれるオキシトシンが増加。さらにエンドルフィンやセロトニンなど快楽や幸せを感じるホルモンも分泌されます。これらのホルモンが出る涙はどんどん流してほしいですね!
そしていい涙を流せるよう、食生活を整えるのも大切。ビタミンDやマグネシウムは、オキシトシンの生成をサポートします」(奥平先生)
感動の涙を流すのがなぜいいの?
ズバリ 幸せホルモン = オキシトシンがたくさん出る!
「感動の涙の中には、ストレスからくる涙よりも、より多くのオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは幸せを感じやすく心をスッキリさせてくれるホルモンなので、どんどん作り出しましょう!」(奥平先生)
心地よい涙のPOINT
1. 「号泣」じゃなくても効果は同じ。ジワ~ッとした涙だってOKです
「必ずしも号泣=幸せホルモン倍増、というわけではありません。登場人物の気持ちに共感し、ゆっくりと涙してもセロトニンは分泌されます」
2. 感動の涙は少し甘めの味がします
「悔しさ・怒りなど交感神経が優位になっているときの涙は、しょっぱい味が。逆に感動やうれしさなど副交感神経が優位な場合は、甘めの味がします」
3. 「泣き」を共感できる人がそばにいると効果倍増!
「家族や友人など、親しい人と一緒にエンタメ作品を見て、涙を流せるとさらに効果的。ゆったりと泣けて幸せホルモンが分泌しやすい環境になります」
子育て中のLEE編集部スタッフ4人がざっくばらんにトーク。巷で話題を呼んでいる作品から韓流ドラマの最前線まで泣けるツボを共有します。
参加したのは?
LEE編集部 ボブッコ
アート系からエンタメ作品まで幅広く見てきたタイプ。今は子どもを寝かしつけた後に、配信動画をお楽しみ中。
スタイリスト 高橋美帆さん
韓流ドラマをはじめ、話題作&人気作は一通り見たい派! 撮影現場で、好きな作品について語り合うのも大好き。
ライター 栗田瑞穂さん
中高生の娘たちとの夕飯タイムに、ドラマを見るのがルーティン。家族愛ものを見ると、じわりとした涙が止まらない。
ライター 野々山 幸さん
SNSで話題の作品チェックは欠かさない。ドラマや映画の世界に浸ることで、育児や家事へのエネルギーを注入中。
「私、最近これで心地よく泣きました」
ボブッコ 今日はLEE編集部の中でも、ドラマや映画が大好きな4人が集合。皆さん、最近はどんな作品を見て感動の涙を流してますか?
栗田 昨年の秋に放送されて話題になっていたドラマ『silent』は見ましたよ~。じわじわ泣けたなあ。「大ヒットしていた感動作。やっぱりうるっときます」
野々山 私も見てました! ヒロインの恋愛や生き方が少しずつ変化するところで、うるっと涙が…。
ボブッコ そうなんですよね。ワーッと泣ける号泣作品も好きだけど、最近の私たちが見たいのは、ゆるく泣けてリラックスできる作品。重いものを見ると疲れるお年頃なのかな(笑)。
そういう意味では『First Love 初恋』もいい涙が出た。うちは夫婦で見たんですが、夫が意外なほどにハマっていて。あらためて感想を聞き『この人って、こういう感情も持っているんだ~』と、新鮮な気持ちにも(笑)。
高橋 夫婦でゆる泣き、っていいですね。私もあのドラマの登場人物たちと同世代。宇多田ヒカルさんの曲が、いいところできいてくるんですよね。
誰かと一緒に見るといえば、子どもが大好きなのは『トイ・ストーリー3』と『えんとつ町のプペル』。プペルは見るたびに『感動した』って言うんですよ。
栗田 お子さん、感受性が鋭いね~。うちも家族でドラマ鑑賞しています。私が一番泣くから、感動的なシーンになると、みんなの視線が集まってきて少し恥ずかしい(笑)。と言いつつ『賢い医師生活』を見て、娘は医師に憧れてるみたい。そういえば韓流ものも、新たな流れが出てきましたよね。
高橋 わかる。私は懐かしの『冬のソナタ』から入りましたが、よりやわらかく泣ける話が増えた気が。
栗田 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』みたいに、自閉スペクトラム症を取り巻く社会状況など、難しいテーマを取り込みつつ、現代の子どもの心に寄り添ったり、問題提起してくれるお話も増えましたよね。特にこの作品には、絶妙なバランス感覚があると思う。ハートウォーミングに泣けるところがいいんです。
ボブッコ 彼女を見守る上司も温かいんですよね~。
栗田 すべての大人に見てほしい作品かも!
野々山 私としては『海街チャチャチャ』もおすすめ。恋愛要素もある話だけれども、海沿いの街で、人々が事情を抱えながら、ひたむきに生きる様子にじんわり涙が。最終回あたりは泣きっぱなしです。
高橋 日本のドラマだと『カムカムエヴリバディ』も、みんなの生き様にやさしく泣ける話かな。
ボブッコ 子育て、仕事と忙しい日々を過ごしているからこそ、親子の愛情や、日常を描いた作品に心を潤され、明日への活力をもらっているのかも!
座談会で話題!
おすすめドラマ・映画8選
1.
ドラマ 『silent』
「大ヒットしていた感動作。やっぱりうるっときます」(ライター 栗田瑞穂さん)
高校時代に大好きだった彼・想と8年ぶりに再会した紬。かつて一方的に別れを告げてきた想は、実は病気を患い聴覚を失っていた――。紬の心に残る思い、音のない世界を生きる想との向き合い方など、繊細でやさしい世界にうるっとくる!
2.
ドラマ 『First Love 初恋』
「夫と一緒に見ても泣ける。意外な感想を知れるかも!」(LEE編集部 ボブッコ)
1990年代後半、2000年代、そして現在の3つの時代が交錯しながら描かれる恋物語。宇多田ヒカルの名曲をモチーフに、あの頃の青さや切なさが蘇る! 配信開始直後から「とにかく泣けた」と話題沸騰中。じんわりと心をほぐしてくれます。
3.
映画 『トイ・ストーリー3』
「大人も一緒になって夢中になり、最後はキュンとできる名作」(スタイリスト 高橋美帆さん)
手違いで保育園へ寄付されてしまった、ウッディやバズらのおもちゃたち。持ち主・アンディの元に戻ったウッディは、仲間の救出へ。人気シリーズ内でも、とりわけ涙あふれる作品。
4.
映画『えんとつ町のプぺル』
「子どもの感性に響き、親子で一緒に泣けます」(スタイリスト 高橋美帆さん)
お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣さんが描いた絵本の映画作品。えんとつ掃除屋のルビッチとゴミ人間のプペル。二人の友情、ファンタジーたっぷりの世界観にホロリ。親子で一緒に楽しめる。
5.
ドラマ 『賢い医師生活』
「人間模様に焦点を当てた医療ドラマ。娘も感動してドはまり」(ライター 栗田瑞穂さん)
ソウル大学医学部時代の同期5人。かつて青春を共にした彼らはアラフォーになり、同じ病院で働くことに。5人のかけがえのない日々が、涙腺を刺激してくれる!
6.
ドラマ 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
「個性を尊重する難しさと素晴らしさに泣けてきます」(ライター 栗田瑞穂さん)
高いIQを持ちつつ、自閉スペクトラム症でもあるヒロイン、ウ・ヨンウ。弁護士試験に合格した彼女が、葛藤を乗り越えつつ事件に向き合うヒューマンドラマ。ヒロインの頑張りはもちろん、彼女を支える家族、職場の人にも感動できる!
7.
ドラマ 『海街チャチャチャ』
「人の心の機微が細やかに描かれ、透明感ある映像も癒されます」(ライター 野々山 幸さん)
とある事件で挫折を経験し、人生を新たに始めようとするへジン。そんな彼女の前に個性的な人々が現れる。泥臭く生きる人間たちと、海辺の街の爽やかさが切ない!
8.
ドラマ 『連続テレビ小説 カムカムエヴリバディ』
「日常をひたむきに生きる人たちの姿に心が和みます」(スタイリスト 高橋美帆さん)
ラジオの英語講座とともに歩んだ祖母・母・娘、女性三代の生き方を描いた物語。約100年という壮大な時間軸を追ううちに、その時代ごとのヒロインや周りの人々の生き方に引き込まれていく。親と一緒に見ても感動する気持ちを味わえるはず。
次回は、「いい涙が流せるエンタメPick up『家族ドラマ』『ほっこりドラマ』『大人の恋愛ドラマ』『世代思い出し泣き映画』」をご紹介。
※紹介している配信番組の情報は2023年3月時点のものです。
イラストレーション/室木おすし 取材・文/石井絵里
こちらは2023年LEE5月号(4/7発売)「忙しい私たちには低刺激系『泣けるエンタメ』が必要です!」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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