ブラジルで骨折!2週間後にアルゼンチンへ引っ越し!駐妻の激動の日々を支える「書く習慣」【駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.10】
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佐々木はる菜
2023.04.30
今度はアルゼンチンへ異動!
夫の海外転勤に伴い昨年7月に日本からブラジルへ。
そしてこの4月からはアルゼンチン・ブエノスアイレスに住み始め、もうすぐ1ヶ月が経とうとしています。
1年の間に2度も海外、しかも南米へ家族で引っ越し、環境も生活も目まぐるしく変化してきたことに加え、今回はなんと引っ越し2週間前にブラジルで右肩を骨折するという一生の不覚レベルのハプニングまでありました…。
海外から海外へ異動し、まさに「新生活」が始まった中で私が大切にしているのが「書く習慣」。
今後しばらくはアルゼンチンで暮らす予定なので、この地で最初となるこちらの記事ではまず、ブエノスアイレスに住んでみて驚いたこと面白かったことなどをまとめつつ、この激動の日々を支える「私の書く習慣」についてもお届けしたいと思います。
「南米のパリ」と呼ばれるブエノスアイレス
アルゼンチンの首都でもあるブエノスアイレス。日本からのフライトは平均30時間で、これまで住んでいたブラジル以上に距離のある一番遠い都市の一つです。
私自身もこれまではメッシ選手などサッカーやタンゴ、あとは映画や音楽のイメージしかありませんでした。
同じ南米でもまたブラジルとは全く雰囲気が違い、初めて訪れた際はやはりそのヨーロッパのような街並みと雰囲気が印象的で、さすが「南米のパリ」と呼ばれるだけあると驚きました。
ワンブロックに一つはカフェ。おしゃれで緑豊かな街
私たちが住んでいるのは大使館などもある落ち着いた雰囲気の地域で、緑とカフェが多い街。
ブエノスアイレスは「ワンブロックに一つ以上カフェがある」と言われているくらいで、老若男女様々な方が朝からカフェでコーヒーやお茶を片手におしゃべりしている姿が印象的です。
散歩やランニングをしている姿もよく見かけ、そしてなんといっても犬を飼っている方がものすごく多い。朝の時間帯は、ひとりで10匹以上の犬を連れた「散歩屋さん」が街を行きかっていて、初めて見た時は犬の多さに驚き思わず写真を撮ってしまったくらいです。
昔の日本みたい?!八百屋、肉屋、魚屋…商店がいっぱい!
いわゆる普通のスーパーマーケットもたくさんありますが、八百屋・肉屋・魚屋など商店が多く、特にお肉は牛肉屋・豚肉屋・鶏肉屋と種類ごとに店が分かれていたり、ハムやチーズ専門店がたくさんあったりするのも特徴的だと感じます。
夜21時でも、小さな子どもたちが公園で遊ぶ光景にびっくり!
日本人的にとても驚いたのが、夜21時ごろでも公園で小さな子どもたちがたくさん遊んでいること!お店のディナータイムの開始もだいたい20時ごろからスタートが普通で、タンゴショーなども遅くまで開催されているせいか、夜が長い印象。
ブラジルでは、夜に街中をぶらぶらと散策するようなことはできなかったので、それに比べるとかなり治安が良く、外食した帰りに家族で夜の街を歩いたことが新鮮でした。
お買い物は「札束」必須?!モノの値段がどんどん上がる!
そんな優雅な街並みですが、ニュースなどでよく取り上げられている通り経済はかなり大変な状況です。インフレで、ちょっとした買い物でもたくさんのお札を出すこと、今年100円だったものは来年200円…と日々どんどんモノの値段が上がっていくこと、さらに為替レートが2種類あるなど私には難しいことが多く、お金関係のことにはまだまだ慣れません…
環境激変の戸惑いを支えてくれている「書く習慣」
家族で地球の反対側へ引っ越し、短期間で更にまた違う国へというのはやはり大変な出来事でした。ここまで乗り切ってくることができたのは、まずは家族や友人を始め周りの方々にたくさん助けていただいてきたおかげで、感謝してもしきれません。
さらに、私が時に悩みながらも基本的には前向きに楽しみながら進んで来ることができている理由の一つは、自分の気持ちや行動を、手帳やノートに「書くこと」で整理するよう心がけてきたからではないかと考えています。
カフェでノートを広げる機会が増えたことや、LEE5月号の「ブレない自分をつくる『書く習慣』」の影響で改めてその良さを実感していることもあり、私なりの「書く習慣」をご紹介したいと思います。
「自分の気持ち」「日々のTO DO」どちらも整理する3つのポイント
- スケジュールを整理するための時間を作る
- やるべきTO DOを書き出す
- 定期的に「自分の気持ち」も書き出す
私にとって手帳やノートへ「書くこと」が欠かせない習慣となっているのは、少し大げさな言い方ですが”どう生きて行きたいか”という「自分の気持ち」と、”今日何をするか”という「日々のTO DO」両方の整理ができるからだと考えています。
書くことで毎日の生活がスムーズに進む
詳しくは、数年前に書かせていただいた「必要なのは手帳とペンだけ!私のスケジュール管理術」にまとめていますが、具体的には週末に30分ほど翌週の予定の整理と確認の時間を作り、加えて毎朝10分、その日のTO DOを改めて書き出すようにしています。
ちなみに手帳はウィークリー部分に時間軸のある「バーチカルタイプ」が欠かせず、LEEの特集でインタビューされていたバービーさんも愛用されているというベストセラー『夢をかなえる人の手帳』か『CITTA 手帳』を10年以上続けて使っています。
ただでさえ慌ただしい中、そんな時間を取ることすら難しいと感じる場合もあるかと思います。
でも私はこの習慣を始めてからの方が必要以上に悩むことなくスムーズに動けるようになり、日常生活がぐんと快適になりました。忙しい時ほど、今の自分にどれくらい時間があるか把握し、優先順位などを整理しながらいつ何をするべきなのかあらかじめ考えておくことが大切なのではないかと実感しています。
「自分の気持ちを書き出す時間」が欠かせない
そして私にとって欠かせないのが、ひたすら自分の気持ちを書きだす時間。
月に1~2回そんな時間を作る中で、今の自分が感じている願いや不安は、実は日々のTO DOとも結びつくのではないかと思うようになりました。
例えば私の場合、一番嫌なのは 「やらなくてはいけないことがいっぱいあるのに、何から手を付ければいいかわからず焦っている状態」で、夫からアルゼンチンへの異動が決まったと聞いた頃は、まさにその状況でした。
まだ正式発表前の段階だったので子どもたちや友人にも話すことができず、再び海外への引っ越し作業をすることや、また全く知らない土地で新生活をスタートすることへの不安で一人モヤモヤ…。
その気持ちをまずは思うままノートに書いているうちに、引っ越し作業や手続き、スペイン語圏という言葉の壁、自分の仕事などなど色々心配はあるけれど、今一番気になっているのは子どもたちのことで、特に学校や学習環境のことに不安を抱いているとはっきりしました。
忙しくても、「やるべきこと」がわかっている方が気持ちがラク
そこで、引っ越し準備も急がなければならない中でしたが、それよりも先にまず現地の学校や習い事など子どもにまつわる生活環境について調べる日を作ることに決め、隙間時間などではなくきちんと2日ほど「予定」として手帳に書き込みました。
そして具体的に調べたいことを整理しTO DOリストに書くうち、例えば「夫に、現地について伺える先輩駐在ご家族を紹介してもらえないか相談しよう」など新たに必要なことも見えてきました。
また、具体的な悩みがあるわけではなく「なんとなく最近うまくいかない」といった漠然としたモヤモヤでも、自分の気持ちを書いているうちに「原因」がはっきりしてくることがほとんどではないかと感じています。
そしてそれを軽減・解決できる具体的なアクションを考え、日々のTO DOに落とし込む。
たとえ結果的にやることがたくさんできてしまったとしても、漠然とした不安や焦りを抱え続けているより、自分の現状を把握し次に何をすべきかわかっている方が「考えて決めた目の前の『やるべきこと』をとにかく淡々と進めよう!」と心が落ち着き、必要以上にイライラしたり不安になったりすることが減りました。
自分さえ読めればOK!ノートだけでなく裏紙なども活用
自分の気持ちを書くために私が用意しているのは、一冊のノートだけ。
そこに、以前は別に書いていた自分の日記や育児日記的なこと、旅のチケットやパンフレット、気に入ったお店のカードといったものも全て貼ってマイノートにしています。
中身はというと走り書きだらけ!もともとはカラーペンやシールで手帳を可愛くしたりするのが好きなタイプだったのですが、子どもが生まれたあたりから余裕がなくなりました…。
色々と貼ることも多いので最近はわりと大き目で厚いノートを選ぶことが多く、持ち歩くには重いため、出先などでふと何か書きたくなった時用に裏紙などA4サイズの紙を数枚手帳に挟んでおき、後からノートに貼っています。
自分が続けやすい形にすることも、「習慣」にする大切なポイントだと感じます。
大変な時期は「なるべく自分が良い状態でいること」を目指す
よく言われるように「〇年後にこうなっていたいから、1年後の目標はこれ、そのためには半年後にはこう、3ヶ月後にはこうなっていたい」など自分が達成したいことや理想の姿、生活などを書き出すことも大切で、実際に効果を感じた経験もあります。
ただ正直なところこの1年は激動すぎて「何年先にこうなっていたい」などゆっくり考えることはなかなかできませんでした。
でも、「毎日家族でなるべく楽しく笑顔で過ごしたい」など「こんな気持ちで暮らしたい」という願いはあり、そのためにはまず私がなるべく笑顔でいられることが大切で、ではどうしたら良いか…なんてこともよく考え整理していました。
大変な時期はそうやって目の前のことを一つずつ乗り切っていくだけでも充分なのではないかなとも感じています。
新たな年度が始まり何かと慌ただしい4月があっという間に過ぎ、日本は大型連休などを迎える今の時期。
新生活をさらに軌道に乗せていくためにも、「書くこと」を通して改めて自分と向き合う時間を作ってみることはおすすめです!
家族でカフェ好きなため素敵なお店探しなども楽しみながら、「南米のパリ」ブエノスアイレスで見つけた暮らしのヒントをお届けしていきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!
LEE2023年5月号掲載特集「ブレない自分をつくる『書く習慣』」こちらから読めます!この連載コラムの新着記事
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。