広末涼子さん
〈 女優 〉
10代からドラマ、CMなどで活躍を続けてきた広末涼子さんも40代に。ずっと変わらないポジティブな笑顔の秘訣とは? 多忙な日々の中で大切にしていることや、女優として、3児の母としての思い――。広末さんの“今”について、じっくりお話を聞きました。
“おばさん”になったら、仕事を辞めようと思っていた。今は、年相応に年齢を重ねることに前向きになれました──広末涼子
● 広末涼子 Ryoko Hirosue
1980年7月18日、高知県生まれ。’95年CMでデビュー。女優としてドラマ、映画など多方面で活躍。2022年4月に発売した初のエッセイ『ヒロスエの思考地図 しあわせのかたち』(宝島社)も話題に。近作に映画『あちらにいる鬼』がある。’23年前期のNHK連続テレビ小説『らんまん』に主人公の母親役で出演が決まっている。’10年に結婚、3児の母。
Instagram:hirosue.ryoko_book_official
Twitter:ryoko_staff
公式サイト:https://www.flamme.co.jp/actress/profile.php?talentid=1
広末涼子さんの
哲学書が、新たな考え方や表現方法を知るヒントに
学生時代に初めて読んだという『純粋理性批判』。「この本の中に出てくる“悟性”という言葉が好きなんです。若い頃は自分のイメージを守らないと、理性的でないとと凝り固まっていたのですが、自分の存在や立ち位置などをあらためて考えたときに、一般的な常識ではなくて、自分の中で決めたカテゴリーの中の理性=悟性ととらえるとうまく動けるような気がして。考え方のヒントになりました」
反抗期・怪獣期・イヤイヤ期…年齢の離れた子どもたちの育児
女優として着実にキャリアを積み重ね、3児の母となった今も、透明感あふれる笑顔が魅力的な広末涼子さん。ハッピーなオーラからは、日々の充実ぶりもうかがえます。以前から広末さんの心の栄養となっているのが、本を読むこと。
「仕事で台本や原作本などを読むと感情を持っていかれるので、クールダウンするために哲学書や心理学の本などを読み始めました。カントやデカルトなど、一見難しそうな哲学者たちの本は、感情が入らず読めて頭の中を整理できるのがとてもよかった。新たな言葉を知ったり、感情をどう言葉にするかのヒントがこういった本には詰まっていたなと思います。
最近はじっくり読書をする時間がとりにくいのですが、子どもたちと一緒に絵本や児童書を読むことも。『くるみ割り人形』のようなバレエの演目を童話のように読める『Ballet Stories こどものためのバレエ・ストーリー』という本は、新鮮で私も楽しめました」
読むことはもちろん、初のエッセイ集『ヒロスエの思考地図』を手書きで仕上げたりと、“書く”機会も多いと言います。
「昔から“書くクセ”みたいなのがあるんです。第1子の産後すぐには、育児ノートにミルクを飲んだ時間や成長の様子をぎっしり記録していたことも。書くと覚えられるので、手帳もずっと手書きなんです。それを息子に話したら『予定を覚える必要なくない?』って(笑)。スマホでスケジュール管理していたら、通知してくれるんですよね……。便利そうだなと思いつつ、私はやっぱり3人の子どもの大量の予定を色分けして、手書きで管理しています」
3児の母として多忙な毎日。年齢の離れた子どもたちの育児は、想像を絶する大変さなのでは?
「確かに、かつては3人が同時に反抗期・怪獣期・イヤイヤ期みたいな時期が(笑)。それぞれに向き合うことは大変ですが、いい効果もあって。反抗期の息子だけだったら煮詰まっていたところを、幼児がいると癒されたり、お兄ちゃんも気持ちがやさしくなったり。上の子たちが面倒を見てくれるので、毎回赤ちゃんに集中できて育児を楽しめたのは、今思うとすごくよかったなと思います」
長男は海外留学中で、自立への一歩を踏み出しているとか。
「送り出したばかりの頃は心配で、時差であちらの昼間に日本は夜中だから、連絡が来たら対応したいと思って眠れなかったことも……。今は親元を離れることで家族のありがたみがわかったり、感謝の気持ちが生まれているみたいで、いい経験になっているなと思います。子離れの時期って、案外あっという間に来てしまうんだなと。余計な口出しをせずに、見守ることの大切さを実感しています」
Positive Element01
生活リズムが顔に出るから……食事・睡眠がやっぱり大事
広末さんといえば、肌の透明感には目を見張るものが。「外から化粧品などで補うだけではなく、内からのケアを大切にしています。太陽のエネルギーを感じる季節のものを食べたり、寝不足だと顔に出てしまうのでたっぷり睡眠もとって。休日は早い時間からゆっくりごはんを食べて、子どもと一緒に20〜21時に寝ています(笑)」
Positive Element02
今日の出来事をじっくり聞ける、子どもとの貴重なバスタイム
「食事中やリビングで遊んでいるときではなく、何もしないで子どもと向き合えるのがお風呂の時間。忙しくても子どもの気持ちや情報を逃さないように、話を聞く時間をとっています。このバスボールはいい香りでシュワシュワして夢がある! イベントごとなど特別な日に親子で楽しんでいます」
Positive Element03
あえて“一人になろう計画”、最近始めました
のんびり休むことが苦手だという広末さん。「仕事のときはスイッチが入るし、家にいても『衣替えしなきゃ』などとやることが山積みで(笑)。一人でカフェなどに行く時間をあえてつくるようにしています。今の自分の状況や、作品中は役柄のことを客観視できて、こういう引いた目線は生活に余白がないと持てないんだなと痛感」
写真集の仕事を受けるか迷っていたら、「せっかくだからやるべき」と息子が応援してくれました
──Ryoko Hirosue
40代の写真集は見たくない!? 最初は意義が見いだせなかった
40代になり、仕事では新たな挑戦も。22年ぶりとなる本格的な写真集『 C’est la Vie』では、自然体でありながら、ぐっと大人っぽい表情を見せています。
「お話をもらったときは、正直『40歳の写真集、見たくないでしょ!?』と思ってしまって(笑)。スタッフと話し合う中で、同世代の女性が見て、年齢を重ねることをポジティブに受け取ってもらえるような作品なら、やる意味があるのかなと。私自身、若い頃は『老けたね』と言われるのがイヤで“おばさん”になったら仕事を辞めようと思っていたんです。でも、おばさんになれば年代に合った役柄もあるし、年相応に年齢を重ねることって素敵なんだと思えるようになりました。
10代の頃のようにただ歯磨きをしているだけでかわいいなんてことはないけれど(笑)、家族で見ても好感を持ってもらえるような、日常から遠すぎないシチュエーションを選びながら、全国で撮影しました。家族も応援してくれて、特に長男はお引き受けするか迷っていたときに『せっかくの機会なのに、なんで断ろうとしてるの?』と、背中を押してくれましたね」
ますます輝きを増す広末さん。将来についても前向きな思いが。
「同世代の多くの女性がそうだと思いますが、私も30代が人生で一番忙しかった。40代もまだまだ大変だけど、少し心に余裕が出てきて。素敵な先輩方を見ていると、50代以降、もっと楽しくなる気がして、ワクワクしています」
『広末涼子写真集 C’est la Vie(セラヴィ)』
’20年7月の40歳の誕生日(右写真)から撮影をスタートした記念すべき写真集。コロナ禍による中止や延期を経て、東京、千葉、久米島、嬬恋など多くの場所で、約2年間にわたり撮影。40代を迎えた広末さんの魅力があふれる一冊に! 12月15日発売予定。撮影は丸谷嘉長氏。
撮影/三瓶康友 ヘア&メイク/山下景子 スタイリスト/斉藤くみ(服) 河野亜紀(物) 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
2023年LEE1・2月合併号(12/7発売)「教えて! 笑顔の素」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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