爽やかでヘルシーな笑顔とスラリと美しいプロポーションで、撮影現場を輝かせてくれた米倉涼子さん。演じてきた役柄や築いてきたキャリアから、強くてカッコよくてパーフェクトなイメージがあるけれど、素顔の米倉さんは、どんな女性なのでしょうか。LEE本誌13年ぶりとなるカバーインタビューで、オープンに語ってくれた、最近の日常や今後の目標。飾らず率直な言葉から伝わる、ありのままの魅力をお届けします!
profile:
よねくら・りょうこ●1975年8月1日生まれ。1993年よりモデルとして活動し、1999年に俳優に転向。2004年、ドラマ『松本清張 黒革の手帖』での演技が話題に。2012年、ミュージカル『CHICAGO』でNYブロードウェイデビューを果たし、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』も大ヒット。シリーズ化され高視聴率を記録。
Instagram:ryoko_yonekura_0801
公式サイト:https://desafio-net.jp/
実は、自分自身にはあまり興味がないんです
───Ryoko Yonekura
ファッションも美容もこだわらず、シンプルに
LEEの表紙では黒、このページでは白の大人のリラクシーアイテムを、さらりと着こなしてくれた米倉さん。透明感のある美しさがきわだち、惚れ惚れするほどのオーラが漂います。そんな魅力の理由が知りたくて、まずは米倉さんの“お気に入り”について聞いてみました。
「洋服は、Tシャツやワンピースなど、サッと着られるものが中心。デザインもシンプルなものばかりで、色ものや柄ものはほとんど持っていないんです。作品の撮影に入ると、何カ月も同じ衣装で過ごすことも。そんなとき、たまに派手なプチプラアイテムを投入して気分転換するくらい。周りの年上の女性の中には、ショートパンツをはいて潔く脚を出したり、髪を巻いて可愛いカチューシャをつけたり、自分らしいおしゃれを追求している方もいて。とても素敵だと思うんですが、私にはそういうポリシーはないなぁ、と。実は、自分にあまり興味がないんですよね」
美の秘訣についても尋ねてみたところ、「ずっと続けていることは、ひとつだけ」と、さっぱり。
「20年以上、意識しているのが、体を温めること。子どもの頃から習っていたクラシックバレエを20代でやめた後、脚がひどくむくんでしまって……。そこで始めたのが、温熱療法でした。時間ができたら、サロンで芯から温まるように。今では家でも、電子レンジで温めるパッドを使って“温活”しています」
一方、そのほかのケアについては、「かなり適当!」と笑います。
「私、全然ストイックじゃないんですよ。踊るのは好きだけれど、トレーニングは好きじゃない。必要だから仕方なくやってるの(笑)。ごはんも、食べたいものを食べています。コンビニのお弁当やお惣菜でも平気。昨日は簡単に、豆腐・じゃこ・ねぎ・卵のごま油炒めと、お刺身に塩昆布とオリーブオイルをかけた和風カルパッチョを作りました。
肌や髪も、化粧水をつけるだけ、ブラシでとかすだけ、で出かけていたほど。それが美学というわけではなく、鏡を見ることもないから気にならなかったんですよね。でも、ここ数年は、運動しないと筋肉が落ちたり、食べすぎるとおなかが出てきたり。今後はやるべきことが増えていくんだろうな、と実感しているところです」
2匹の愛犬との暮らしはすごく大変、だけど、すごく幸せです
───Ryoko Yonekura
毎日の楽しみは犬と思いきり遊ぶこと!
今、米倉さんの日常をハッピーに彩っているのは、一昨年に仲間入りした“家族”の存在だそう!
「2匹の犬と一緒に暮らし始めたんです。犬は大好きだけれど、留守にしがちだから『飼っちゃダメ!』って言い聞かせていたのに、出会ってしまって。家ではずっと全力で遊んでいるし、外でもキッズのことを考えています。向こうは私のこと、『しつこいなぁ』と思っているかも(笑)。お世話は大変だけれど、私は彼女たちにすごく学ばせてもらってる。本当に、家族になれてよかったですね」
「やりたい!」と思うと動かずにはいられない!
俳優として第一線で活躍してきた米倉さん。代表作や当たり役もすぐに思い浮かびます。ミュージカル『CHICAGO』でブロードウェイデビューし、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』が大ヒットしたのは、37歳の頃。
「今思えば、いい時期でしたね。でも、当時は『今がいちばん!』とは思っていないから、いつもどおり目の前の仕事に集中していた感じでした。これまでに演じてきた役といえば、気の強い人やバリバリ働く人……悪女も楽しかった。私は、声も大きいし、思いより言葉のほうが強いタイプみたい。だから、こういう役をいただくのかもしれませんね。次のドラマ『エンジェルフライト』の役も、とてもパワフルです。反対に、できそうにないのは、本気のラブストーリー! 恥ずかしくて我に返ってしまうんじゃないかな、って(笑)」
一昨年には、個人事務所を設立。また新たな挑戦が始まりました。
「やりたいことができるようになったし、やらなきゃいけないことも見えるようになりました。独立してからは、まったく休んだ記憶がない(笑)! とはいえ、私はもともと、オフにものんびりする習慣がないんです。休日こそ、読書とか体のメンテナンスとか『何かをしなきゃ』と考えがちなので。それに、『おもしろそう! やりたい! 人に取られたくない!』と思う仕事があると、動かずにはいられない。貧乏性で欲深いんですよね」
自分の時間、愛犬のお世話、そして仕事。多忙な中、マルチタスクをクリアするのは大変では?
「クリアできていませんよ。常にバタバタ(笑)! ただ、思いついたことは、すぐにやるようにしています。後回しにすると忘れちゃうから。あと、せっかちなので、自分のことも周りのことも先回りして進められたら、とも。私は、バレエをはじめ、努力しないと形にできないものを勉強してきたから、練習や稽古といったプロセスに時間をかけることは身にしみついているんですよね。自分でその道を選んだんだから、やるしかない。むしろ、ボーッとするほうが苦手だったんです。今までずっと」
人生の半分まできた今、転機を迎えているのかも
米倉さんの現在地。そこには新鮮な景色が広がっているようです。
「最近、『空がきれい』と感じる瞬間が増えてきたんです。無機質だった家にも、アートを飾ったり、家庭菜園を作ったり。変化があるということは、転機を迎えているのかも、という気がしますね。私は長生きするだろうから(笑)、今は多分、人生の半分くらいまできたところ。これまでは『何でもやりたい!』と走ってきたけれど、これからは少しペースを落として、YES/NOを言う勇気を持つことも大事なのかな、と。一度自分を見つめ直して、体と心と生活と仕事……すべてが心地いい状態に持っていけたら、と思っています」
information
『エンジェルフライト』
異国で亡くなった人の遺体を母国へ搬送する、国際霊柩送還士たちの姿を描く感動作。米倉さんは、国際情勢やトラブルに阻まれながらも、信念を貫き通し、遺体と遺族の最後のお別れを実現させる主人公・伊沢那美を演じる。Amazon Prime Videoにて2023年春より独占配信。
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア&メイク/奥原清一 ネイル/菅 実加子 スタイリスト/大沼こずえ(eleven.) 取材・原文/藤本幸授美
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)「LEE cover interview イノセントな素顔にクローズアップ 米倉涼子さん」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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