人付き合いや友達関係に対するしなやかな考えにも注目が集まる山内マリコさん。リアルな体験談と学びが、今後の友達との付き合い方を考えるヒントに!
同性の友達へのネガティブな気持ちを払拭できているなら、付き合い方は自由でいい
作家 山内マリコさん
作家生活10周年の新作『一心同体だった』(光文社)では、1980年生まれの女同士の友情をリレー形式で描き注目を集めている。10月27日には『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』(マガジンハウス)が発売
Instagram:yamauchi_mariko
Twitter:maricofff
公式サイト:https://yamauchimariko.tumblr.com/
大学時代の親友との経験が、女性同士の物語を書くきっかけ
新作『一心同体だった』をはじめ、ほぼすべての作品で一貫して友情物語を描いている山内マリコさん。女性同士の関係性をテーマにしようと思ったきっかけとは?
「女の子は小学生になるとクラスの中で仲よしグループができて、どんどん人間関係を築き始めますよね。当たり前の成長のプロセスだとは思うのですが、そこで仲間はずれみたいなことが起きたりして。私自身も女の子同士でぶつかった経験があって、長年、同性に対して苦手意識があったんです。友達はいても心の全部を許しているわけではなく『いつ意地悪されるかわからない』と緊張感がありました。
それが大学時代に、生まれて初めて本当に気が合って信頼できる友達に出会えて、大きく変わった。苦手な気持ちから解放されて、とてもラクに、生きやすくなれたんです。これは、自分の人生で一番と言っていいぐらい大きな出来事だったので、小説でもこの経験を書きたいと思いました。
大人になってからフェミニズムを学んでミソジニーという言葉や、女性も女性を嫌悪するということを知って。“女の敵は女”みたいな社会の価値観を内面化している女性が実は多いのではないかと。作品を通して、そんなネガティブな感情を払拭できたらと思いますね」(山内マリコさん)
友情にも“蜜月”はあって当然。今会わなくても薄情じゃない
実生活では友達はあまり多くないという山内さん。“ドタキャンの女王”と呼ばれているとか!?
「友情はいいものだと描きたい反面、それに縛られるのは違うかなと。もともとグループ付き合いは得意じゃないし、まめに連絡もできない。あまり気乗りしない会には行きたくないなと思って、自分の気持ちに正直に、キャンセルしてしまうことも……。友達には『こういう人だから仕方ない』と思ってもらえているみたいです」(山内マリコさん)
永続的に関係を続けることが必ずしも大事ではない、とも。
「大学時代の親友とは、毎日のように一緒にいた数年間で、みっちり人間関係を深めたなという感覚。距離を縮めたり、ケンカをしたら修復したり。恋愛とも違う人間関係の密な部分というのは、私はこの親友とのやりとりで培うことができたんじゃないかなと思います。
ただ、このいつも身近にいる“蜜月”は、恋愛でもよく言われますが、もって2年かなと。それ以降は、関係性が変わっていくし、環境や住む場所が変われば仲よくし続けるのが難しいケースも。離れてしまっても、薄情だなんて思うことはないと思います。私は、学生時代の友達はLINEでつながっているだけで、今はほぼ会うことはないんですね。
でも、たまにやりとりすると、懐かしいような、恋しいような気持ちになれる。当時“蜜月”はやりきったから、いい時期にいい時間をともに過ごせてよかったなと。女同士の友情に対してポジティブな意識さえ持てていたら、付き合い方はどんなかたちでもいいんだと思います」(山内マリコさん)
山内さんの
心地いい友達関係とは?
“蜜月”期間にケンカしたり修復したり。人間関係を深めておく
過去のいい思い出があれば、今はまめに連絡を取らなくてもOK
【特集】令和の心地よい「友達」概念アップデート!
撮影/名和真紀子 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2022年LEE11月号(10/6発売)「令和の心地よい「友達」概念アップデート!」に掲載の記事です。
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