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【清野菜名さんインタビュー】10年も異なる環境で過ごす中、一途に想い合えるってスゴイ!

2022.10.12

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破格の大ヒットを飛ばした『キングダム2』でも、“羌瘣(きょうかい)”という本格的なアクションシーンの多い難役で原作ファンを唸らせた清野菜名さんが、またも高き壁に挑んだ。「物心がついたときから知っていた気がする」と自身も語る、青春コミックの金字塔『耳をすませば』の実写映画化で、ヒロインの雫を演じた。

10年も異なる環境で過ごす中、一途に想い合えるってスゴイ!
────清野菜名さん

【清野菜名さんインタビュー】10年も異なる環境で過ごす中、一途に想い合えるってスゴイ!

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「ジブリのDVDボックスを持っているほど、今まで何度も観ていましたが、大人になって観ると、あらためて甘酸っぱくて可愛い物語だな、と。長く愛される歴史ある作品を“私がやっていいの!?”と最初は驚きました」

原作でも描かれた中学時代と、新たに加わった10年後の大人時代が、本作では並行して描かれる。

「10年後の雫は完全オリジナルなので、どう作り上げればいいのか不安はありました。でもすでに自分の中に雫像がありましたし、本作の中学時代を見たら思い描いていた雫そのもので。その瞬間、つながった感覚があり作り込むことなく臨めました」
とはいえ25歳の雫は、編集の仕事で問題を抱え、同時に作家になる夢においても壁にぶち当たっている。

清野菜名さん

「子ども時代のまっすぐで素直な面を残しつつ、いろんなことを経験して大人になった雫が抱えるもどかしさを意識して、丁寧に演じました。“現実を見ないとね”というセリフが、自分にも刺さって……。私も夢を追いかけるためにバイトしていた時期が長かったので、努力が結果につながらないまま闘い続ける雫の苦しい気持ちが、痛いほどわかりました」

そんな雫が助けを求めるのが、イタリアにいる聖司。なんと2人は10年も遠距離恋愛を続けていた! 大人になった聖司を演じるのは、ますます役の幅を広げている松坂桃李さん。

「静かで落ち着いた空気感、その中に芯があるところなど、松坂さんは聖司君にピッタリだと思いました。それにしても10年も想いを貫き通し、一途に人を想い続ける力って、スゴイし、ステキですよね。お互いに強い信頼と尊敬がなければ、とても続かない。しかも2人には、それが夢を追い続ける力になっていて……」

清野菜名さん

ついに2人はイタリアで再会! その撮影で、予想外に苦戦したという告白に、つい噴き出してしまう。

「初日のカットが、聖司君とパスタを食べるシーンでした。食べながらセリフを言うはずが、なかなかパスタがうまく巻けなくて、何テイクも繰り返してしまいました(笑)。そんなところにトラップがあったとは、と」

楽しそうに可愛い失敗談を教えてくれるのも、清野さんの人柄のよさ! そんな飾らない自然体なステキさは、日々の生活に秘訣があるのかも。

清野菜名さん

「ずっと体を鍛えてきた人生なので、体を動かさないと嫌な感じもあり、まずは出産前の体型に戻そうと、家の中で運動をしています。内にこもったモヤモヤもデトックスされる気がするので、やっぱり汗をかくのは大事だな、と感じています」

出産で変わったことはほかにもいろいろあるだろうが、清野さんの手にかかると“大変さ”もよきほうへ進化する。

「今は自分中心の生活ではないので、逆に何でも許せるというか。もちろん大変なこともありますが、人とのかかわり方や物事の捉え方なども、気持ちに少し余裕ができたように感じますし、少し芯も強くなった気がします。だから自分の発言に対しても、ちゃんと責任を持って話せるようになったかな、とも感じています」

Profile

せいの・なな●1994年10月14日、愛知県出身。2007年デビュー。映画、テレビドラマ、広告、雑誌など幅広く活躍中。近年の主な映画出演作に、『今日から俺は!!劇場版』(’20年)、『キングダム2 遥かなる大地へ』『異動辞令は音楽隊!』(ともに’22年)など。映画『ある男』が11月公開予定。
Instagram:seinonana
Twitter:nana_seino
公式サイト:https://topcoat.co.jp/nana_seino



『耳をすませば』

『耳をすませば』

©柊あおい/集英社 ©2022『耳をすませば』製作委員会 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹

’89年に『りぼん』で連載され、’95年にはアニメーション映画化された同名コミックを、10年後のドラマを加えて実写映画化。中学生の雫が、イタリアへ渡る聖司と再会を誓い合ってから10年――。児童書の編集者をしながら作家を目指す雫(清野菜名)は行き詰まり、イタリアで音楽家になる夢を叶えた聖司(松坂桃李)を初めて訪ねるが……。10月14日より全国ロードショー。


撮影/長田克也(aosora) ヘア&メイク/光野ひとみ スタイリスト/下山さつき 取材・文/折田千鶴子
こちらは2022年LEE11月号(10/6発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。

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