【夏のゴキブリ対策】「ゴミ箱の掃除 洗い方・臭いの取り方」と「置く場所からゴミの出し方まで」【藤原千秋さんの“おそうじ歳時記”】
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藤原千秋
2022.08.20 更新日:2022.09.01
気温が35度を超えるような日は、もう「生きているだけで精一杯」!
……でも、生きている限り出続けるのが、「ゴミ」というもの。
夏は悪臭が染み込みやすい「ゴミ箱」
わが家でも、夏休み真っ最中の先日、簡単な食事を1食分用意したとき。
普通のカレーライスとサラダを家族分作るだけでも、玉ねぎ2個分の皮と根っこ、ジャガイモ3個分の皮、ニンジン2本分のヘタ、それから肉の大トレイとそのラップ、カレールウのパッケージ、レタスの一番外側の葉、キュウリのヘタ、トマトのヘタ、などなどの「ゴミ」が発生。
そこにメロンも食べたので、かさのある皮と種もゴッソリ……。あらためて対峙してみるゴミの量とは、まったく途方もないものなんですよね。
さて、そんなふうに日々暮らしているだけで出るたくさんのゴミ。
そのゴミを収集日まで保管しておくゴミ箱は、こと暑い夏の間、悪臭を発しがち。
特に水分、油脂分を含んだ生ゴミは腐敗しやすく、その腐敗臭はプラスチックに染み込みやすいため、気づいた時には愕然とするほどのニオイになってしまっていることも。
このゴミ箱、いったいどうしたらいいの?
ゴミ箱や、ゴミ置き場を、クサく不快な状態にしないコツとは?
秋の足音が聞こえたら「ゴミ箱」をリセット掃除!
体を動かすのも億劫な猛暑のピークを越えたら、ぜひ「ゴミ箱リセット」=ゴミ箱自体をいったん清潔に戻す掃除にトライしてみましょう。
なぜなら、少し涼しくなってからのほうが、あまり遭遇したくないあの「虫」たちの活動も増えてくるから、その前に……。
「ゴミ箱リセット掃除」の手順
① まずはゴミ箱を、水を使った作業のできるスペース(テラス、浴室など)に移動させ、「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」の水溶液ないしは、市販の「アルカリ電解水」スプレーをタップリ吹き付けて10分ほど放置。腐敗による酸臭を、アルカリで中和させます。
② その後、一度水ですすいで、今度は洗剤とスポンジを使って隅々まで(蓋の裏まで)洗います。洗剤は食器用中性洗剤でも、浴室用中性洗剤でもOK。
③ 洗ったら裏返してバルコニーなどで干す。
④ 乾いたら、内側と蓋の裏に消毒用エタノールを吹き付け、ボロ布などでしっかり拭きます。アルカリ中和と洗剤洗いでおおむねニオイは落ちますが、まだ残っている場合はエタノール拭きを2度繰り返してください。
今後のため”ゴミ管理システム”の改善も
しかし一度リセットしても、すぐにまたゴミを捨てる(収集日まで保管する)ことになるのがゴミ箱の宿命。でも、早々に元の木阿弥にはしたくありませんよね。
以下に挙げるうち、見直し、改善できるポイントがあれば、ぜひ検討してみて。
1:ゴミ箱の「置き場」を見直す
住まいが庭のある戸建てか、ベランダしかない集合住宅か、収集日までの間隔はどれくらいか、生ゴミのほか紙おむつなどの臭うゴミがあるかないか、などの条件によって切実さに個人差が生じるところですが、なるべく生活している自分たちが不快を感じない落としどころとなる置き場を見つけましょう。
屋外ゴミ置き場なら、日陰で気温の高くなりにくい場所に、大きさに余裕のある蓋つきの(密閉できる)ゴミ箱を設置し、収集日まで保管できればいいのですが、難しい場合は、なるべくこの理想に寄せつつ、できる範囲で別の方策も探ります。
また、ゴミ置き場周辺ですでに害虫に遭遇しているような場合には、市販の屋外用のゴキブリ毒餌剤やアリの毒餌剤を設置しておくといいでしょう。即効性はありませんが、少し時間差で長く効果が続きます。毒餌剤は人間の健康を損ねないので負担になりにくいのです。
2:とにもかくにも「しる(水分)」を出さない
水分は腐敗を早め、腐敗した生ゴミは強烈な悪臭を発します。とにかく生ゴミを含め、ゴミを出す際には、できる限りゴミが水分を持たないよう、無駄に濡らさない(三角コーナーや排水溝バスケットに溜めない)工夫を全力で講じましょう。
ネットなどに溜めた生ゴミの水分を絞ってから捨てるだけでも「しる」は減ります。この「しる」絞りはひと手間かかりますが、ゴミの重量を減らすことは捨てるときの負担も軽減するので、地味ですがぜひ気をつけてみてください。
昔ながらの伝家の宝刀、「生ゴミは古新聞に包んで(水分を移して)捨てる」という方法もとても「しる」対策として有効ではあるのですが、近年、古新聞が家にない家庭が増えており、「実家でやっていた処理が真似できない」と困惑する向きも増えています。
そんな場合には、基本的にリサイクルできない紙ゴミ(食品で汚れた紙、荷物の詰め物、緩衝材の紙、ニオイの強い洗剤袋やグラシンなどの耐油紙、レシートなどの感熱紙など)を生ゴミの敷き物や内袋として活用するのが一案です。
3:「甘い」「酸っぱい」ゴミに要注意
ゴキブリやアリ、コバエといった、ゴミにたかりがちな虫はことさら「甘さ」「酸っぱさ」を好みます。
保管中にたかられるおそれがあるので、果物や野菜などの生ゴミに限らず、お菓子のパッケージや空きカップ、アイス棒など、この条件に合致したゴミは必ず小さなポリ袋などに「密閉」して捨てるようにしましょう。
食べ物以外はノーマークになりがちですが「甘いニオイ」のする洗剤や柔軟剤、おもちゃや雑貨類の容器を廃棄する際にも注意してください。
もちろんジュースの空き容器、ビール缶などの空き缶も「甘いニオイ」「酸っぱいニオイ」の発生源になるので、収集日まで屋外に置く際には密閉するに越したことはありません。
ゴミをめぐる家事は、ひとつもときめかないし、ワクワクもしないし、楽しくもないものです。
でも、生きている限り、その発生は止められません。だからこそ、身体やこころの具合が悪くなった時、いの一番で溜まり出し、収拾がつかなくなってしまうのでしょう。
ゴミやゴミ箱がその家でどういう状態であるかということは、ある意味、自分や家族の「心身の健康」のリトマス試験紙なのかもしれません。
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。
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