企業の休職支援、職場での周りからの理解など、不妊治療を取り巻くポジティブな話題にも注目です。
教えてくれたのは
NPO法人 Fine 理事長 松本亜樹子さん
不妊体験者による不妊体験者のための、セルフサポートグループ「Fine」理事長。悩み相談や不妊で悩む人たちの交流支援、不妊ピア・カウンセラーの養成など活動は多岐にわたる。詳細はこちら。https://j-fine.jp/
Instagram:akikomatsumoto1007
Twitter:kyootyan
公式サイト:http://coacham.biz/
こんな両立支援の取り組みを始めた企業も!
不妊治療のための通院で仕事を休める企業も。仕事しながらの通院をサポートするアプリも登場。
不妊治療のための休職制度が増えている
不妊治療に利用できる休職制度が、大企業を中心に増えているそう。治療のために1年間休職できる、数カ月・数週間単位などこま切れに休んで合計1年間までOKなど使いやすい制度も多々。また、数時間単位の休みや、通院の際に使いやすいコアタイムなしのフレックス制を導入する企業も。
企業の休職制度の例
日本航空株式会社(JAL) |
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不妊治療休職制度 |
生殖補助医療(体外受精、顕微授精)を行う場合、累計1年以内の範囲で2回まで分割して取得できる。男女ともに利用可能。休職中は無給。 |
富士フイルムビジネスイノベーション |
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出生支援休職制度 |
不妊治療を目的とし、最長1年間休職可能。社会保険料は相当額を会社が補助。在職期間中、1回に限る。 |
治療を助けるアプリの開発も
「cocoromi」
不妊治療と仕事の両立を助けるアプリの開発も。「cocoromi」は自分の治療スケジュールや治療データを一括管理。治療の統計や自分と似たケースの治療方法について知ることができて、情報収集にもなる。両立についても話せるトークルームがあり、ひとりで抱え込まずに済むというメリットも。
同じ職場の周囲の人たちはどう思っていた?
職場に不妊治療をしている人がいた、周りの人の本音は? ネガティブな声は少なく応援の声も多々!
- 不愉快に思ったり、仕事に影響があるからやめてほしいと思ったことはない。不妊治療でなくても、自分がいつ周りの助けが必要になるかわからないし、やはりお互い様だと思う。(LEEメンバー しーさん)
- 働きながら治療をするのは大変だと思うから、同僚には気兼ねなく休んでほしいと思った。でも、会社の男性は陰で文句を言っていたので、本人が申し訳なさそうなのが、見ていてもどかしかった。(LEEメンバー ともさん)
- 同僚はオープンにしていたので、治療で体がつらいときは言ってもらえればカバーできた。どんなことをするのか聞けるので、勉強にもなりました!(LEEメンバー みいかさん)
- 子どもはいらないと言っていた職場の先輩が不妊治療を始め、気持ちが変わった経緯と一緒に話してくれました。本心を打ち明けてくれて、とにかく応援したい気持ちに!(LEEメンバー hinaさん)
どう見守るかの指針に!
当事者の本音は?
言われて救われた言葉
- 治療のことを伝えなかったのに「ちゃんと自分の仕事ができていればいいよ」と踏み込まず、任せてくれた上司に救われました。(みかんさん)
- 通院したい日に「休みを交換しよう」と持ちかけてくれた同僚がいた。(もちこさん)
- 先輩から「今も人生楽しそうだよ」と。つらそうに見えていなくてよかった。(ごろたさん)
助かった周りのサポート
- 休みたいときに毎回電話は大変だろうからと、上司に直接LINEで休みを申請できるようにしてもらえて、ありがたかった。(なみなみさん)
- 治療で早退する日でも、同僚がいつも笑顔で送り出してくれて前向きな気持ちに。(ちいさん)
- 治療をすると話したときもやめたときも、同僚がただ話を聞いてくれてうれしかった。(ayuayaさん)
言われて傷ついた言葉
- 悪気のない「子どもはまだ?」「早いほうがいいよ」はつらかった。(ぽぷりんさん)
- 安易な「自然に妊娠するよ!」。(ななさん)
- 治療を知っている先輩から「突然休まれたら人が足りないの、わかってる?」。(さおりさん)
- 治療のことを打ち明けた同僚が、職場のほかの人に勝手に話していて傷ついた。(いろ子さん)
詳しい内容は2022年LEE9月号(8/5発売)に掲載中です。
イラストレーション/きりふみこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
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