通院のスケジュール調整、体への負担、授かるかどうかわからない不安。働きながら治療を行った読者の経験談には、当事者以外がなかなか気づけない苦労が。
お話を伺ったのは
LEEメンバー もちこさん
29歳で結婚。セックスレスもあって無理せず妊活を続けたが授からず、35歳で産婦人科を受診。2回転院し、人工授精を計6回、体外受精を計8回で妊娠成立せず治療を諦めた。
5年間の不妊治療で授からず…。仕事後の19時前まで行ける病院に移り、納得して治療できました
36歳で卵子の数が少ないと判明。慌てて体外受精に進みました
もちこさんは、結婚してからしばらくたった6年後の35歳から、不妊治療をスタート。
「産婦人科を受診して特に原因が見つからなかったので、タイミング法と人工授精を。結果が出ず、妊婦さんと同じ待合室なのもつらく、近所の不妊治療専門クリニックへ転院。ここで、AMHという卵胞の中に残っている卵子の数の値が36歳で40代レベルだと判明し、急いで体外受精へ進みました。
ただ受付が17時までで、働きながらでは通いにくく、また先生が多忙で治療の詳細などを聞きづらく……。再度、電車で45分ほどかかる、最先端の専門クリニックへ転院。19時まで受付、土日の診療があり通いやすく、先生にも相談がしやすい雰囲気だったので、納得して治療を受けることができました」(もちこさん)
数回行った体外受精の中では、妊娠成立後の流産や病気も経験。
「流産は3回経験。そのうち1回は、治療を休止している間の自然妊娠でしたが、受精卵や胎盤の組織が過剰に増殖する胞状奇胎という病気のため、3カ月で流産しました。手術を2回行い、抗がん剤治療も。病気の完治後に体外受精を2回行いましたが妊娠せず、治療を諦めることにしました」(もちこさん)
定時後に病院へ行き、22時頃の帰宅でフラフラに
事務職として働くもちこさん。治療のことは、一部の上司に話して理解を得たと言います。
「採卵時期には2日おきの通院が必要で、タイミングに合わせて急に会社を休むことも。終業後に病院へ行き、帰宅は22時頃で疲れきってしまうこともしばしば。『仕事を辞めたら授かれるかもしれない』と思ったこともありますが、お金がないと治療を続けられないし、今後の自分の人生も変わってしまう。あのとき踏みとどまってよかったかなと、今は思います」(もちこさん)
最終的に治療をやめる決断をするまでには、さまざまな葛藤が。
「諦めようと思えるまでに、時間がかかりました。今でも胸が痛みますが、最先端の治療でもダメだったし、できることはやった!とすっきりした気持ちがあるのも事実。最近では、夫がボランティアに参加して社会の多様さを目の当たりにしたり、ペットを飼ってかわいがったりと、夫婦2人の生活を前向きに歩んでいます」(もちこさん)
まとめ「仕事と両立、私の場合」
- 受付が19時まで、土日診療の病院に転院
- 一部の上司に伝えて採卵時などは有休取得
- 金銭面や今後を考え、仕事は辞めなかった
【特集】働きながら“不妊治療”をするということ
詳しい内容は2022年LEE9月号(8/5発売)に掲載中です。
イラストレーション/きりふみこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
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