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LIFE

“あえてお酒を飲まない”ことを楽しむ人が増加中 シラフisクール! ソバーキュリアスって知っていますか?

ソバーキュリアスとは?お酒を「あえて飲まない」という選択。広がりつつある新たな生き方

2022.08.12

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飲んでも、飲まなくてもいい多様性の時代が来た!“飲まない生き方を楽しむ”ってどういうこと?

かつては“お酒をやめること”や“アルコール離れ”は、ネガティブにとらえられがちでしたが、最近はむしろ意識が高いライフスタイルという潮流に。そんな“ソバーキュリアス”が盛り上がっている背景とは?

教えてくれたのは

ニッセイ基礎研究所 久我尚子さん

ニッセイ基礎研究所 久我尚子さん

シンクタンクで、消費者行動を専門に研究、発信。人々の消費行動の特徴や、その背景にある働き方や価値観の変化などをデータ分析している。
公式サイト:https://www.nli-research.co.jp/topics_detail2/id=83?site=nli

『飲まない生き方 ソバーキュリアス』編集担当 梅森 妙さん

『飲まない生き方 ソバーキュリアス』編集担当 梅森 妙さん

「ソバーキュリアス」というムーブメントにいち早く着目し、その火付け役となった原書の日本語版を編集、出版。自身は、大のお酒好き!
Twitter:umetae

What’s ソバーキュリアス?

Q
「禁酒」「断酒」との違いは?

A
我慢をするのではなく、積極的に飲まない選択肢

我慢をするのではなく、積極的に飲まない選択肢 NO THANK YOU!

「健康上の問題などで、我慢して飲まない『禁酒』や、お酒をやめざるを得ない『断酒』とは異なり、ソバーキュリアスは飲むor飲まないを選択するのは自分。無理やりではなく、飲まないメリットを感じているところが特徴です」(久我さん)

Q
このムーブメントはいつから? どこから?

A
2019年頃~、欧米からブームが拡大中

「もともと欧米人は体質的にアルコールに強い傾向があり、アルコール依存症が社会的な問題に。また世界的な経済不安もあり、欧米の若者を中心に広がりました」(久我さん)

「2021年に出版した『飲まない生き方 ソバーキュリアス』はコロナ禍もあり、日本でも注目されています」(梅森さん)



Q
週末だけなどと決めてときどき飲むのはOK?

A
アリです。ソバキュリは多様な選択肢の一つ

アリです。ソバキュリは多様な選択肢の一つ いろいろはかどる♪

「“ソバーキュリアス”という言葉の生みの親、ルビー・ウォリントンさんは完全に飲まない選択をしていますが、これは一つの例。ソバーキュリアスというスタイルが、お酒の飲み方を見直したり、飲みたい人や飲まない人、さまざまな価値観を受け入れるきっかけになればと思います」(梅森さん)

Q
どうしても飲みたい! そんなときはどうする?

A
飲んでもOK。自分に合う飲み方を見直して

飲んでもOK。自分に合う飲み方を見直して あ〜、お酒飲みたいな

「健康上の問題がなければ飲むのは自由ですが、“本当はお酒をやめたい”と思っている場合は、お酒との関係をあらためて考えてみるチャンスかもしれません。なぜ、どんなときに飲みたくなるのか、やめたい理由は何か? もしかしたら、お酒に代わる方法や楽しみが見つかるかもしれません」(梅森さん)

Q
お酒を飲まなくなって、何を飲む人が増えている?

A
ノンアルコールや微アルのドリンクを楽しむ人も!

「お茶や水だと物足りない、ジュースは甘すぎて……という人のニーズにこたえたノンアルコール飲料に注目が集まっています。お酒感覚を楽しみたい人向けに、アルコール度数1%未満の“微アル”飲料も需要が増。ノンアル市場の開拓は、近年『ゲコノミクス』とも呼ばれ、メーカー側も力を入れて、商品も増えています」(久我さん)

世界の若者に広がるブームが日本の全世代にじわじわ浸透中

「そもそもアメリカは医療費の負担が大きく、予防医療への関心が高い国。最近は情報通で合理的な考えをする若者が多く、飲酒は“コスパのよくない娯楽”ととらえるようになりました」(久我さん)

加えてコロナ禍という状況が重なり、欧米ではノンアルコール専門のバーが次々とオープン。一方、日本でも飲酒を控える動きが。

「飲酒運転やメタボなど、さまざまな課題が浮き彫りとなり、中年層の飲酒量がバブル期に比べて減少。飲みの強要をされたくないと、職場の飲み会に参加しない若者も増えました」(久我さん)

「マインドフルネスやSDGsなど、身体や精神、社会の健やかさが必要とされる時代に、ソバーキュリアスはフィットしたように思います。飲む人も飲まない人もいていい。多様化する価値観を受け入れる社会になればいいなと思います」(梅森さん)

“あえてお酒を飲まない”ことを楽しむ人が増加中 シラフisクール! ソバーキュリアスって知っていますか? NO!ALCOHOL

今、お酒を飲まないことを楽しむライフスタイルが世界的なトレンドになっているのをご存じですか? 実はこれ、飲む人、飲まない人、誰にとっても選択肢が広がるイイ流れで、取り入れてみる価値が大きそう!

飲めない人も、飲む量を減らしたい人も…。みんなにとってハッピーなライフスタイル
“ソバーキュリアス”が今、キテいます!

在宅勤務後の切り替えのため、晩酌が定着。
“なんとなく毎日飲む”を脱したい 編集マロミ

もともとお酒には強かった私。特に20代の頃は強いお酒や量を飲まないと、周りと同じように酔えなかったほど。 全然余裕… 体質だな…

とはいえ外食先で楽しむ程度で家で飲む習慣はなかったのだが… 夫くん飲めないしね

コロナ禍で在宅勤務が増えた頃。 夕方、仕事とプライベートの切り替えがしづらいな〜 そうだお酒をスイッチにしよう

こうして毎日の晩酌がマストになったのだ。しかし、ほろ酔いゆえの失敗もちらほら… 年のせいか、年々少量でも酔いやすく。 どば おかあさーん ハイハーイ わ ガシャン ZZZ… おきて〜 ちょっと!

何より飲酒のために眠りが浅くなり、寝起きでも疲れがとれない感じが。 今日も夜中に何度か目が覚めちゃった 朝なのになんかダルいなぁ… う〜ん

たまにお酒を飲まない日があると夜も翌朝もいろいろはかどって、酔うことでのタイムロスを再確認したりも。 飲みたいがちょっとガマン テキパキ ドゥドゥン みちゃお 爽快

そんなある日の編集会議で あえて飲まないライフスタイルが世界的トレンドだと知って、今の私にも必要かも!とピンとくる。 なんとなく毎日ダラダラ飲んでるけどシラフの時間も大切にする&必要な時にだけ飲むことこそ大人の嗜みかも!健康のためにも今こそソバーキュリアスのライフスタイルに切り替えてみようかな〜 賛成〜!

体質的にアルコールを受けつけず…
飲めないことがコンプレックスだった ライターT

お酒を覚えるのが楽しい大学時代、早々に飲めないと判明した私。 べろんべろん 店員さーんこの子にカシスウーロンカシス抜きで〜!!! ヤメテヨー いーな飲めて おいてけぼり…

それでも飲み会の空気感は好きだったから飲める人たちについていこうと努力していたけれど まておまえら…引っぱるんじゃない コラ〜 ぐいーん 帰んないで〜

みんなのお酒武勇伝を語り継ぐ役を担ったり… エッ?!シラフきっつまじで全部忘れてたのむ ギャー ギャー いーのいーのおもしろかったし

高いお酒と聞いて一生懸命飲んだり… 親戚 コレすっごくいいワインなのに無理して飲んでない?お酒に失礼だから、もう飲まないでいーよ! ず〜ん

時にはちょっと苦い思いもした。 私ウーロン茶しか飲んでないけどまあフツーに割り勘だよね… さらば諭吉

最近は妊娠や出産を機に断酒する友達も増え、だいぶお酒を飲まないことを受け入れられるようになってきたけど… いつか生まれ変わったら酒豪になりたいな〜 もぐもぐ… お水

そんなある日の編集会議で あえて飲まないライフスタイルがトレンドだと知って、ふっと心が軽くなる! そうだよね!飲めないことをコンプレックスに思う必要はなくてもっと飲めない人も飲む人と同じように楽しめる時代がくるならそれって最高!!明るい未来に期待したいな!

ソバーキュリアスとは?
sober(シラフ)+ curious(~したがる)

飲まない生き方 ソバーキュリアス

「酒を飲まないシラフの状態でいたがる、関心を寄せる」といった意味の造語で、健康上の理由などではなく、あえて飲まないライフスタイルを選択するという意味。NY在住のイギリス人ジャーナリスト、ルビー・ウォリントン氏が2019年に『SOBER CURIOUS』を欧米で出版し、話題に。日本語版『飲まない生き方 ソバーキュリアス』は方丈社から2021年に出版。本書では、略して“ソバキュリ”、実践する人たちを“ソバキュリアン”と呼ぶ。


詳しい内容は2022年LEE9月号(8/5発売)に掲載中です。

イラストレーション/オザキエミ 取材・原文/田中理恵

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