こんにちは。美容エディターの伊熊奈美です。
今回の質問はこちらです!
「先日、髪がきれいな知人にどうやって染めているか聞いてみたら、ヘナで染めていると言っていました。ヘナとはどういうものですか? オレンジに染まると聞いたことがあるのですが、オレンジには見えなかったのも疑問です」(ume・45歳)
ヘナで染めると髪がオレンジ色になるの?
ヘナとは、インドや北アフリカなど高温の地域を原産とする「ヘンナ」という樹木の名前です。日本ではヘナと呼ばれていますよね。
ヘナ染めとはそのヘンナの葉に含まれたオレンジ色の色素で白髪を染めることをいいます。
オレンジ色、というとびっくりする人も多いのですが、オレンジ色は白髪にしかのりません。黒髪の上ではオレンジがのっても発色しないので、黒髪が多い状態で白髪がちらほら混ざっている状態なら、オレンジ色のアタマになってしまうことはないのです。
黒髪より白髪の割合が増えてくるとオレンジみが増してきます。その場合は、インディゴ(アイ)をブレンドすることで黒髪っぽいダークな色になります。これについてはヘナの応用編として、次回詳しく解説します!
カラーで刺激を感じる人のナチュラルヘアカラー
ヘナはインドのアーユルヴェーダという伝承医療で、抗炎症薬や湿布薬として5000年以上もの間使われてきた薬草です。ヘナタトゥというボディペイントや毛染めにも長く使われてきました。
日本ではこれまで敏感肌やヘアカラーアレルギーを持っている方、年配の方の白髪染めとして多く使われてきました。あまり知られていませんが、白髪染め以外にも、頭皮のディープクレンジング、髪のトリートメント効果もあります。最近ではナチュラル&オーガニック素材への人気の高まりから、再度見直され、幅広く人気が出てきました。
これは沖縄で栽培されているヘナの木です。葉を乾燥させ、パウダーにしたものがヘナパウダーとして市販されています。茶葉を粉砕した抹茶をイメージするとわかりやすいかもしれません。
ヘナの染め方を人気サロンで拝見!
ヘナは自宅で染めることもできますし、サロンで染めてもらうこともできます。
uka 東京ミッドタウン 六本木でも、最近オリジナルのヘナメニューがスタートしたそう。
どんな風に染めるのか拝見してきました。
①ヘナパウダーをお湯で溶きます。
②こんなに滑らかになります。
③ヘナには毛穴に詰まった皮脂をすっきり落とす効果も。頭皮からたっぷり塗りこみます。
④30分間温めます。
⑤仕上がりました!
白髪の部分だけがオレンジ色に染まっていて、黒髪の部分はそのままなのがわかります。白髪が少なければ、黒髪の中に紛れてしまいますが、もし白髪が多ければ全体がオレンジっぽいニュアンスになります。
このモデルさんの白髪率は10%程度ですが、黒髪の中にさりげなくオレンジ色が混ざってさりげないハイライトのようにも見えますね。
ウカではオリジナルの国産ヘナをスタート
一般に輸入ものが多いヘナパウダーですが、ウカでは石垣島と沖縄本島の契約農家による、オリジナルの無農薬ヘナを使用しています。もちろん、植物成分100%です。
「ヘナはフレッシュさと品質の良さが仕上がりや使用感の決め手になります。ヘナパウダーは湯溶きするとき、ダマになってなかなか溶けないことがあるのですが、この国産ヘナはとても滑らか。オレンジ色の発色も鮮やかで、においも気になりません。お客様からもとても好評なんですよ」(uka カラーリスト 前川俊介さん)
初めてのヘナ、2大チェックポイント
今すぐヘナにしてみたいなら、まずはヘナを積極的に取り扱っているサロンで自分のライフスタイルにヘナが合うかどうか聞いてみましょう。取り扱いのないサロンや、消極的な取り扱いのところは事例が少なく、正確な情報が得にくくなるので、どこで聞くかも大切です。
そんなサロンが近くに見当たらず、ヘナをしてみたいと思ったら、まずはこの2つをチェックしてみて!
Check①
今後、明るい髪色や好きな髪色を楽しみたい?
色は妥協しても、ツヤとハリのある健康な髪がいい?
ヘナは重ねるほどに色が深く入っていくため、その後ブリーチをしても色が抜けにくく、一般的なヘアカラーがきれいに発色しにくくなります。つまり、ヘナで染め続けた髪は、好きな色のヘアカラーにすることが難しくなるのです(ヘナで染めたところをカットしてしまえばもちろんいつでも戻せます)。
一方で、ヘナを使うとハリコシが出てツヤが出るというメリットもあります。自分はどちらを優先するかをよく考えてからトライしましょう。1〜2回ヘナ単体で染めるだけなら、普通のヘアカラーに戻すことは可能です。
Check②
アレルギーがありますか?
ヘアカラーで刺激を感じることがありますか?
ヘアカラーでピリピリするような刺激やかゆみを感じたり、ヘアカラーの皮膚アレルギーを持っている人は、アレルギーの感作性が少ないヘナにトライする価値あり! ただ、植物だから100%安全ということはないので、事前のパッチテストが必要です。
また、基本のヘナ染めは植物染料100%ですが、ヘアサロンによってはしっかり染めるために酸化染料が入ったヘナのメニューもあります。アレルギーがあってヘナに切り替える場合は、必ず美容師さんに確認をしましょう。
次回はヘナの応用編!
今までのカラーと同じように考えると勝手が違うところがたくさんあるので、切り替えは慎重にしたいところです。次回は、ヘナでオレンジ以外の色を楽しむ方法と、自宅でできるヘナのご紹介などの応用編をお届けします。お楽しみに! 応用編の記事はこちらからどうぞ!
取材協力
uka東京ミッドタウン 六本木
カフェ、ネイルも併設するトータルビューティサロン。
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア2F
料金=ヘナカラー¥13,200・シャンプーブロー¥4,400
伊熊さんが伝授する白髪染めテク、こちらもチェック!
伊熊さんへの質問募集中です!
大人女性の髪悩みの救世主、伊熊さんへの質問大募集中です! 少しずつですが、お答えしていきますので、ぜひ質問を送ってくださいね!
伊熊奈美 Nami Ikuma
毛髪診断士・美容エディター
毛髪診断士の資格を持つ美容エディター。雑誌や書籍の編集・執筆のほか、セミナー講師やヘアケア製品開発にも携わる。大人女性のヘア情報サイト『HAIRISTA』を監修。1男の母。
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