ネガティブなイメージが強い更年期だけど、上手に乗り切るには、まず自分の体に何が起こりうるのか知ることから! これからが不安な人も、今まさに差しかかっている人も、一緒に学んで心構えや対策を万全にしましょう。
教えてくれたのは
産婦人科医 高尾美穂さん
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、日々の診療を中心に、メディアやセミナー等でも活躍。『いちばん親切な更年期の教科書』(世界文化社)ほか著書多数。
Instagram:yoginidr_miho
Twitter:mippolin78
公式サイト:mihotakao.jp
30代・40代から気になる不調…
もしかして、私もそろそろ更年期!?
LEE読者はまさに更年期の入口世代。心身に今までと違う不調を感じる人が多数! これってやっぱり……?
今まで規則的だった生理周期がだんだん短くなってきている気が…これって閉経が近づいている!?
朝から疲れていて、起き上がれない。いつもだるくて、ため息が。ただ疲れがたまっているだけ?
最近、無性にイライラする! PMSのせいなのか、子どもが反抗的なせいなのか、原因がわからない…
女性ホルモンの心身への恩恵がなくなっていくのが「更年期」。でも、リスクを予習して対策すれば、恐れるものではありません!
「一般的には50歳前後、卵巣がその役目を終え、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌がなくなるのが閉経で、閉経をはさむ10年間を更年期と呼びます(詳しくは下記参照)。女性ホルモンが分泌されなくなるという変化であるため、女性として“終盤”というイメージを持つ方もいますが、閉経前に寿命を迎える人も多かった戦前と比べ、今は人生100年とも言われる時代。ということは、更年期は終盤どころか人生の“中盤”、まさに折り返し地点なんですね。
更年期中は女性ホルモンの分泌が不安定になることによるさまざまな不調に悩まされることもありますが、閉経後は女性ホルモンに揺さぶられない安定した時期とも言えます。後半戦をよりよく生きるには、更年期を上手に乗り切りたいもの。自分でできる対策や治療法もあるので、むやみに不安に思うのではなく、まずは正しい知識を得ることから始めましょう」(高尾美穂さん)
更年期はいつからいつまでか、どんな症状があるかetc.トラブルが起きても慌てないために、年齢にともなう体の変化を知り、心構えをしておきましょう。
まずは基本!
更年期=閉経の前後5年間ずつ 計10年間のこと
更年期とは、閉経をはさんだ10年間のこと。閉経前の5年、人によってはその数年前から卵巣の機能が低下してエストロゲンの分泌が減っていき、閉経を迎え、その後の5年間でさらに低下。
それ以降は低い値で一定になりますが、その状態に落ち着くまでに乱高下を繰り返してエストロゲン量が急降下していくため、心身にさまざまな不調が現れます。女性の約6割が何らかの「更年期症状」を感じ、全体の3割が生活に支障をきたすほどの重い症状が出ると言われ、こうした場合を「更年期障害」と呼びます。
●女性ホルモンとは?
主に、妊娠に備え女性らしさや健康面に大きな恩恵を与えるエストロゲンのこと
2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」。ともに卵巣から分泌され、前者は子宮内膜を厚くするなど妊娠に備える働きをするほか、髪や肌の潤い、骨や筋肉の維持、心の健康などにも大きくかかわる。後者は、妊娠を維持する働きをする。女性の心身の健康に大きくかかわるのはエストロゲンで、分泌量が低下すると、心身にさまざまな変化が起こる。
エストロゲンが急減し、結果的に自律神経が乱れる
脳は妊娠に備え、視床下部から下垂体と性腺刺激ホルモンを通して卵巣へ女性ホルモンを出すように指令を出す→卵巣から分泌されたホルモン量を視床下部でキャッチして、さらに必要な量を分泌するよう指令を出す、というフィードバック機能により月経周期を維持しています。
ところが、卵巣機能が低下して女性ホルモンをあまり分泌できなくなると、指令に対する反応がないことで視床下部が混乱。視床下部でコントロールしている全身の自律神経が誤作動を起こすことで、体の不調となって更年期症状が現れます。
詳しい内容は2022年LEE6月号(5/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/黒猫まな子 取材・原文/遊佐信子
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