【初心者におすすめの投資法とは?】少額からでもできる投資信託「長期・積立・分散」
2022.04.26 更新日:2023.09.06

教えてくれたのは
経済コラムニスト 大江英樹さん

大手証券会社で定年まで勤務した後に独立。資産運用や行動経済学などを専門に、書籍やコラム執筆、年間140回を超える講演など、多方面で活躍。『となりの億り人』(朝日新聞出版)など、著書多数
公式サイト:http://www.officelibertas.co.jp/
Twitter:officelibertas
世界中に分散投資できる投資信託の長期保有がおすすめ
「投資にはいろいろなやり方がありますが、おすすめは少額からでもできる投資信託※の積立。世界中の株や債券に分散投資できるものであれば、リスクも分散され、値動きもある程度ゆるやかに。
また長期がいい理由は“複利効果”。収益を再投資することで、ムダなくお金を増やせるのです。下図のとおりできるだけ早く始めて、途中でやめず、長く運用を続けることで将来の資産額が大きく変わります」(大江英樹さん)
※投資信託:多くの人が共同でお金を出して専門家に株式や債券などでの運用を任せる仕組みの金融商品。多くの資金を集めることで分散投資が可能となります。種類が多いので仕組みや手数料を知ることが重要。

時間が大きな味方! 早く始めるとこんなに有利
毎月5万円の積立投資を22歳から42歳まで20年行い、それ以降は運用だけをしたAさんと32歳で始めて65歳まで33年続けたBさんの比較
| Aさん | Bさん | |||
|---|---|---|---|---|
| 累計積立額 | 元本+利益 | 年齢 | 累計積立額 | 元本+利益 |
| 600万円 | 775万円 | 32歳 | − | − |
| 1200万円 | 2037万円 | 42歳 | 600万円 | 775万円 |
| 1200万円 | 3318万円 | 52歳 | 1200万円 | 2037万円 |
| 1200万円 | 6257万円 | 65歳 | 1980万円 | 4932万円 |
積立額の少ないAさんのほうが資産額が大きい結果に!
※運用利回りは年5%の仮定。小数点以下は四捨五入
【参考】2000/1〜2021/12の定期積み立ての場合の年率利回りはTOPIX:年率6.4% 米国大型株:年率13.02%
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「投資」と「投機」の違いに注意しましょう!
「『投資』は“投資先の価値が向上”することで利益を得ます。それには時間がかかるものです。一方『投機』は短期的な“価格の変動”によって利益を得ます。どちらがいい悪いではありませんが、『投機』のほうが1日で1億稼いだ!など派手で取り上げられがち、しかも投資と投機が混同されているのが問題。私が資産形成のためにおすすめしたいのは、じっくり育てる『投資』です」(大江英樹さん)
投資Q&A
Q 自動で運用してくれるロボアド投資が気になっています
A 投資は「自分で考えて決める」ことがとても大切なんです
「端的にいって、あまりおすすめしません。というのも、投資は誰かに任せるのではなく、自分で判断することが大事。それで時に失敗してこそ学べるんです。ロボアド投資は手数料も高いですし、まずは自分で選んで始めるべきです」(大江英樹さん)
Q 最近よく目にするポイント投資って、どうですか?
A 自分が苦労して稼いだお金で、始めてみましょう!
「大切なお金だからこそ、自分ではどうにもできない事情でお金が減る経験が学びに。ポイントはなくなっても大した痛みは伴わず、学びになりません。泳ぎを覚えるのと同じように、投資も失敗を重ねてこそ経験が蓄積されるのです」(大江英樹さん)
最後に
“お金持ち”になっていいことってなんでしょうか?
人生の選択肢が増えます。「お金で買えない大切なもの」を守るために、お金は必要だと思います。
「家族との時間や健康など、お金で買えないものはあります。でもそれを守るために、お金に振り回されないためには、お金があったほうがいい。イヤでも会社にしがみつかないといけないよりは、何かあれば辞めてもいいと思って仕事をするほうが、いい結果が出るかもしれませんよ(笑)」(大江英樹さん)
覚えておきたい! 投資の用語集
<投資の制度>
● NISA
株式や投資信託などの価格変動商品に投資したとき、本来であれば利益にかかる20%強の税金がかからない制度。「一般NISA」では年間120万円まで利用でき、最大5年間、非課税で保有できます。
● つみたてNISA
一般NISAと同じく税制優遇制度。こちらの投資対象は厳選された投資信託等に限定され、株式への投資はできません。また年間の利用限度額は40万円ですが、長期投資が前提のため、20年間利用できます。
● iDeCo(個人型確定拠出年金)
老後資金をつくるための個人年金制度。掛金が所得控除の対象となり、利益が非課税となります。ただし会社員や自営業、主婦(夫)などで掛金の上限が異なり、受け取りが60歳以降という条件もあり。
<投資する商品>
● 株式(個別株)
企業への出資に対する証券。株式に投資することの意味はその会社のオーナーになること。利益が増大し、成長していくことで投資したお金が増え、配当金も受け取れるが、価格は常に変動することに注意。
● 債券(個人向け国債など)
国や地方自治体、企業などがお金を借りる際に発行するもの。代表的なものは個人向け国債です。株式と違って、債券は原則、決まった利息がつき、償還(満期)まで持てば元本が保証されています。
【特集】今からでも間に合う「ゆっくり育てるお金の話」
詳しい内容は2022年LEE5月号(4/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/ナカオテッペイ 取材・原文/田中理恵
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https://lee.hpplus.jp/column/2232543/
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