【マンションリノベーション事例】住み慣れた賃貸を購入!インテリアスタイリスト河野亜紀さんの「私らしい家」
2022.04.08 更新日:2022.12.01
家で過ごすことが増えたここ数年、あらためて自分に合った暮らし方を見つめ直す人たちが増えています。そこで今回は、コストを賢く抑えつつ、デザインや間取りも妥協しない、理想の住まい方を「マンションリノベ」で叶えたインテリアスタイリスト河野亜紀さんのお家をレポート。
住み慣賃貸を購入し、素材選びやDIYでコストダウン
インテリアスタイリスト 河野亜紀さん
◆リノベーションDATA◆
・家族構成:3人(夫、妻、小学2年の娘)
・購入物件:築55年、約71平米のマンション
・リノベーション内容:3LDKのうちの1LDK部分
・費用:約500万円+施主支給分
・リノベーション会社:スマサガ不動産 https://suma-saga.com
◆コストダウンにつながったポイント◆
・リノベーションしない部屋に荷物を入れ、仮住まいの負担を軽減
・低コストのシナベニアを床と扉に採用
・壁は自分たちで塗装。一部の設備を施主支給に
賃貸で暮らした今の家が一番と気づき、LDKをリノベーション
小学2年生になる娘の学区内で、いつかはマイホームをと、家の近所で物件を探していた河野さん。
「住んでいる地域は、一軒家を建てるにはとにかく値段が高い! 新築のマンションもいくつか内見したけれど、シュッとしすぎた内装がしっくりこなくて……。考えるほどに、眺めがよくて、ご近所さんもいい人ばかりの、今のマンションに住み続けたい、という気持ちに至りました」
55年前に建てられたヴィンテージマンションのため、管理組合の積み立て修繕費はきちんと管理されているか、ここの土地の資産価値はどのくらいあるのかも、知人に聞きながら調べたそう。そして9年住み続けた賃貸のオーナーに、ダメを承知で買わせてもらえないかと相談。これが運よく、「いいですよ」と、すんなり交渉成立。コミュニケーションを重ねて、割引の交渉にも応じてもらいました。いよいよリノベ計画が始動できることに!
「長く住んでいた分、キッチンをここに移動させて、和室はなくしてLDKを広げたい。収納はこことここに、と間取りの具体的なイメージができていたので、ざっと図面を描きました。施工会社は以前から雰囲気が素敵だなと思っていた友人の家などを手がけている『スマサガ不動産』に相談。自由度が高くて、希望をしっかり受け止めてくれる雰囲気が気に入って、正式にお願いすることに」
Before
After
![After](https://lee.hpplus.jp/wp-content/uploads/2022/04/02/01e18db7e03e0f84fd58c1c82f9f7482.jpg)
リビング横と和室の間の壁を壊し、広々としたLDKに。以前は壁側にあったキッチンをLDKの中心に配し、奥側は食器や食材を置ける収納スペースに。冷蔵庫も内側に設置。
好みのイメージが、偶然にも低コスト素材で叶えられた
最初の打ち合わせで、壁は自分たちで塗りたいこと、ガスコンロやキッチンや洗面所のシンク、便器は自分たちで購入する施主支給のスタイルにしたいことなど、なるべくコストを抑えてほしいこともリクエストした河野さん。実際にイメージしていたとおりにならなかったのは唯一、洗面所。
「本当はもう少し広くしたかったけれど、構造上、崩せない壁があって無理でした。やはりプロに聞いてみないとわからない部分もあるんだなと。一方で『このダウンライトはレトロで素敵なので残しましょう』などとコストを抑えるアドバイスをくれたことも多くて、勉強になりました」
また、画像を共有できるアプリ「ピンタレスト」を使い、床材やキッチン、リビングなど、思い描くイメージに近い画像をストック。打ち合わせをスムーズに進めるのに役立ったそう。
「雰囲気がいいなと思った床材の画像を見せたとき、これがイメージに近いのでは?と提案してもらったのがシナベニアでした。無垢板とは違って、とても低コスト。床や扉はこれで揃えました。特殊なカットをすると、結局費用がかかるということで、なるべく既存のサイズを生かしたつくりに。快適な環境を変えず、大好きなインテリアが映える空間ができて、いい選択だったなぁと感じています」(河野亜紀さん)
家族や友人と会話できるキッチンに
日当たりのいいLDKの中心で、家族やゲストと話しながら作業ができるL字型のキッチン。奥側はたっぷりとものが収まる食器棚兼パントリーに。
キッチン
LDKの中央にカウンターを設けたL字型のキッチン。ガスコンロやシンクを手頃に入手したり、既存の壁を解体せずに生かすなど、工夫が満載!
Before
I型キッチンが壁側に。調理中は子どもに目を向けにくく、日当たりが悪く、やや暗い印象。
カウンター奥側にはたっぷりの収納スペース。棚はすべてオープンに
キッチンカウンターの奥は、左右に棚を設置したウォークイン収納。
「左側は食器を、右はストック食材などを収納。扉をつけない分コストを抑えられるし、どこに何があるか、見渡して探せます。棚板を自在に調整できる可動式なので、高さのあるものをしまうこともできます」
気に入っていたキッチンのタイルは残し、解体コストも軽減
キッチンの収納棚をよく覗き込んでみると、奥には以前のキッチンのタイルが。
「さりげなくこの家の思い出を残しつつ、解体にかかるコストも抑えられたので一石二鳥でした」
手持ちの収納アイテムを入れ、カウンター下は扉のみ
キッチンカウンター下は、扉を1枚取り付けただけのシンプルな収納スペース。
「もともと使っていたイケアの収納棚を活用し、シンクまわりで使う消耗品などを入れています。引き出しを造作したり、システムキッチンを入れていない分、コストを抑えられています」
キッチンカウンターの奥行きは105cm。調味料やフラワーベース、食材をディスプレイしつつ、調理をしたり盛りつけたり。下はたっぷりの収納スペースに。
収納スペースに冷蔵庫も。リビング側から見えない配置に
冷蔵庫の置き場は、キッチンカウンターの斜め後ろ、壁の後ろ側に。
「キッチンで作業をしながら、振り向けばすぐ手が届くいいポジション。でもリビング側からは冷蔵庫が見えないので、ほどよく生活感を隠すことができてお気に入り」
ガスコンロはオークションで入手し、施主支給に
設備は設計士さんと品番の確認をしながら、河野さんが購入。
「ガスコンロはリンナイのマイチョイスという左右を自分で選べるシリーズ。ネットオークションで、定価のおよそ半額で購入しました」
リビングダイニング
床と扉は同一素材を使い、シンプルなつくりにしたリビングダイニング。味わいのある家具やかご、グリーンなど、素敵なインテリアがよく映えます。
理想のイメージが低コストのシナベニア材と運よく一致!
「こんなふうにしたい!」とイメージする海外のインテリアで使われていたのが、シナベニア材。低コスト素材でもあることから、床と扉はすべてこれで統一。
「さらりと肌触りがよく、シミなどがついてもいい味に。理想とコスト面の好条件が重なって、とてもラッキーだったと思います」
扉は定型サイズの板材を利用。空間に広さも生まれて一石二鳥
当初は、天井から床までの壁面収納にしたいと思っていたファミリークローゼット。
「シナベニアの定型サイズが、天井まで足りなかったんです。定型を超える場合は特殊なカットや接合が必要でコストも上がる……。ならばと、既存のサイズに合わせた棚に。生まれた余白のおかげで圧迫感がなく、ディズプレイもできて結果的に大成功でした」
壁と天井はすべてDIYで。大変だったけれどいい思い出
リノベをするなら、壁は自分たちで塗りたいと考えていた河野さん。
Before
「友人家族にも手伝ってもらい、みんなでやったらいい思い出にもなると思って。そんな楽しい日もありましたが実際は夫が仕事帰りから深夜まで塗らないと間に合わず、思った以上に大変で(笑)。みんなのおかげで、コストはぐっと抑えられました」
扉の取っ手は皮細工をくぎで打ち付けただけ!
取っ手のパーツは気に入るものが見つからず、革細工作家の友人に相談。
「丸くカットした革を扉のわきにくぎで打ち付けた、シンプルな取っ手ができました。白い扉には茶色の革を、木の扉には白の革を選び、さりげないアクセントに。
<こだわり「マンションリノベ」で私らしい家>記事一覧次回は、助成金制度を活用し快適な空間にリノベーションした、LEE100人隊 やなっぷるさんのお家をレポート!
撮影/須藤敬一 間取り図作成/前田優子 取材・原文/田中理恵
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年4/7発売LEE5月号現在)です。
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