男性が家庭を優先して休みやすくする社会の制度や職場環境、ムードこそが、これからの時代に不可欠です。子育て真っ最中の本特集担当ライターが、企業に話を聞き、夫婦の育児分担の未来を考えました。
ワンオペ多めママ ライターT
夫、3歳と1歳の息子との4人家族。会社員の夫に比べ、フリーランスで時間の調整がしやすいため、必然的に育児と家事の負担を多く抱えがち。
TOPIC
男性の育児参加が多い企業独自の取り組みは?
男性の育児休業や子ども関連での欠席にも柔軟に対応するなど、独自の取り組みに成功して評価を上げている企業の工夫とは? これが未来の職場の常識になる!?
積水ハウス
社長がスウェーデンで感激した光景を実践
平日の昼間、公園でベビーカーを押していたのが男性ばかりだったスウェーデンでの光景に感銘を受けた社長が、帰国後すぐに男性社員の1カ月以上の育児休業完全取得を宣言。ほかの社員も、家庭の事情や趣味などで休業しやすい環境が整い、誰もが助け合える社内風土をつくり上げてきました。人事や賞与、退職金の評価にも影響しない制度設計も確立。
厚生労働省が開催するイクメン企業アワードを2020年に受賞。
育休を取りやすくするために
- 子が3歳になるまで4回取得可
- 1カ月の育休は完全有休制に
- 産後8週間は1日単位で取得可
サカタ製作所
徹底的なヒアリングで社員の不安を丁寧に解消
2014年、専門家を招いてワークライフバランスについて講演会を開いたことを機に、翌年から長時間労働の削減やIT活用による効率化。突発的な社員の休みに耐え得る組織づくりのためトレーニングしました。また男性が育休を取りにくい空気をなくすため、社長や管理職が働きかけやヒアリングをし、中小企業の製造業では珍しく男性の育休率100%を達成。
男性の育児参加を社員に促すため「イクメン表彰」を行ったことも。現在は別の形で男性の育児への意識改革を継続。
育休を取りやすくするために
- 小学4年生未満の子どもがいる場合は、時短勤務を希望できる
- 急な休業にも耐えうる組織づくり
アース・クリエイト
社員オールラウンダー化で休業も売り上げも両立!
かつては長時間労働が当たり前の企業でしたが、約10年前から働き方を徹底的に見直しました。建設業に多い“自分の持ち場”をあえて撤廃し、24名いる社員一人一人が事務も営業も現場の施工もすべてできる“オールラウンダー化”を実践し、仕事を1人で抱えず情報を共有。育休復帰後は上のポジションが与えられるため、責任とモチベーションもアップ。
育休中の社員が家族と会社訪問。会社の様子などをインスタグラム(earth_create2612)でも発信。
育休を取りやすくするために
- 男性も2週間の育休を義務化
- 子どもの用事は無制限の有休に
- チームやバディ制で業務を共有
ライターTまとめ
男性がより育児にかかわり誰もが働きやすい社会をつくろうと、本気で取り組んでいる方々の熱意を感じて、前向きな気持ちに!きっと10年後には、子どもの用事で仕事を切り上げるパパの姿が当たり前になるはず!と希望が持てました。
【特集】「今日は僕が仕事休むよ」とパパが言える日が来るまで
詳しい内容は2022年LEE3月号(2/7発売)に掲載中です。
取材・原文/田中理恵
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