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CULTURE NAVI「今月の人」

【永瀬廉さんインタビュー】”うまく生きる”とは?映画『真夜中乙女戦争』撮影秘話も【King & Prince】

2021.12.29

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朝から号泣必至と話題を呼んだ朝ドラ『おかえりモネ』でヒロインの友人“りょーちん”を演じ、King & Princeを知らない層をも虜にした永瀬廉さん。津波で被害にあった東北の地で、歯を食いしばって生きる、朝ドラでの心優しい青年役から一転。映画『真夜中乙女戦争』では、東京で鬱屈を抱える大学生の“私”を演じた。原作は、若者に人気の作家・F氏の同名小説。

この作品のセリフを、きっとどこかのタイミングで思い出す
────永瀬 廉さん

『真夜中乙女戦争』 永瀬 廉さん

©2022『真夜中乙女戦争』製作委員会

「“乙女”という言葉から抱いたイメージとはまったく異なる原作にいい意味で裏切られました。心にズシッとくる名言にあふれ、若干くどい言い回しがなぜか心地よくて。Fさんが紡いだ言葉を、きっと今後またどこかのタイミングで思い出すんだろうなと思います」

黒いドロッとした感情を抱いた“私”は、主人公として異色のキャラクターとも言えるだろう。

「孤独や閉塞感など、今の同世代の人たちの悩みをギュッと凝縮して抱えているような人物。そんな自分が嫌で変えたいけれど、その勇気が出ない。何者かになろうとする青春のあがきや、この世界に窮屈さを感じるところには、僕も共感できます。でも僕は、そういう思いをこじらせてはいないので、“私”は僕からは遠い人物かな。でも本作の見どころは、そんな“私”が変わっていく姿です」

その変化の陰には、黒髪の“先輩”や、大学で爆弾騒ぎを起こす謎の男“黒服”の存在が――。

「“先輩”に一目惚れし、“黒服”の誘いに乗ることで、“私”は影響され、ほぐれていく。自分がずっと欲しかった言葉をくれる“黒服”にも、恋をしていたんじゃないかな。どんどん2人に染められていく“私”を、ある意味、真っ白な子だな、と感じながら演じました。前半は口調もロートーン、表情も押し殺す方向でしたが、2人と出会って以降は、感情も表情もどんどん出てくる。それを2人に引き出してもらったというか、僕は受け身で、お任せした感じでした」

2人とは“先輩”役の池田エライザさん、“黒服”役の柄本佑さん。

「クランクインが池田さんとほぼ初対面ながら、“私”が“先輩”に一目惚れするシーンだったので“私”の感情にすんなり入れました。佑さんは想像以上の“黒服”のたたずまいで、セリフの言い方や迫力に“ヤバイな、この人”と思ったほど。劇中でも撮影裏でも、すごく刺激をくださった先輩です」

大学生活を器用にエンジョイする友達に、“私”は苦い思いを飲み込めない。果たして永瀬さんにとって“うまく生きる”とは何だろう。

「たぶん割り切ることじゃないかな。割り切れば、いろんなことを気にしなくなる→悩む時間が短い→好きなことに時間を使える→ストレスがたまらない→余裕ができる。僕は答えが出ないことについては、悩んだって仕方ない!と思ってけっこう割り切るタイプなので、分類するならうまく生きているほうかもしれません。おいしいごはんを食べられる、親友と呼べる仲間がいる、そんなささいなことにも幸せを感じるので、少なくとも楽しくは生きていますよ」

“私”は何かと闘い続けていたが、永瀬さんが闘うものとは?

「なにわ男子がCDデビューしたばかりですが、それが楽しみで。仲のいい友達もいるからこそ、ライバルとしてお互いに頑張ろう、負けないぞって気持ちです(笑)」

Profile

ながせ・れん●1999年1月23日、東京都生まれ。2011年より関西ジャニーズJr.として芸能活動を開始。’18年King & PrinceのメンバーとしてCDデビュー。映画主演作に『うちの執事が言うことには』(’19年)、『弱虫ペダル』(’20年)。ドラマ『わげもん~長崎通訳異聞~』に出演予定。



『真夜中乙女戦争』

無気力な大学生の“私”(永瀬 廉)は、充実とはかけ離れた日々に悶々。そんなとき、凛々しく聡明な“先輩”(池田エライザ)に出会い、惹かれていく。また突如現れた、謎の男“黒服”(柄本 佑)に誘われ、退屈な生活は一変する。だが黒服の言動は過激化し、東京破壊計画へ発展していく。監督は『チワワちゃん』の二宮 健。2022年1月21日より全国ロードショー。


取材・文/折田千鶴子

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