キャッシュレス決済が増えたり、買い物はネットで済ませたりと、30代・40代の子ども時代とは様変わりしている最近のお金事情。わが子には時代に合ったマネー育をしたいけれど、どうすれば? 今回は子どもにとって身近な“お年玉”をきっかけにした、効果的なマネー育の方法を考えます。
子どもに向けたマネー講座を行うお金の専門家・キャサリン&ナンシーさん。お年玉で行うマネー育のコツを、実体験を交えて伝授します!
教えてくれたのは
ファイナンシャルプランナー キャサリン&ナンシーさん
ともに証券会社出身の竹内かおりさん、西岡奈美さんのユニット。マネー教育の専門家。公立小学校やイベントにて講座を行う。小学生と中学生の子どもの母でマネー育を実践中。
Instagram:katherineandnancy
Twitter:katherineandnan
公式サイト:https://www.katherineandnancy.com/
お年玉で“貯め方”ではなく“使い方”の練習をする!
お金の専門家でありながら、母としてわが子にもマネー育を行うお2人。お年玉の管理方法は?
「ひと通りお年玉をもらったら、すべて同じタイミングで開封。金額の合計を母に報告し、何か欲しいものを買うか、全額貯金するか、一部だけ残したいのかなど、本人の希望を聞きます。貯金する分は一緒に銀行のATMへ。ただ、マネー育では使い方を教えることがとても大切。
物や情報があふれる中、お金を使ってみて時には失敗することで、何にお金をかけたいかの“自分軸”ができる。そういう意味でお年玉はレベルアップのチャンスなので、ぜひ親がアシストしながら使う練習をしてみて」(キャサリン&ナンシーさん)
また、これからの時代、こんなマネー育も効果的。
「キャッシュレス化が進み、お金が見えない時代だからこそ、家庭でお金の話を。バターの値上げや課金トラブルのニュースを見たら、感想や気をつけることを話したり。また、今後は資産運用が当たり前になるので、詳しくない親御さんも、子どもと一緒に本を読むなど、投資を勉強してみては」(キャサリン&ナンシーさん)
「お年玉でマネー育」のポイントは?
POINT1
失敗してもOK! 親がサポートしながらお金を使う経験を積む
お金の使い方がわかっていないと、将来、詐欺やありえない金融商品に引っかかる可能性も。子どもの頃から日用品や洋服を適正価格で購入して、時には失敗も経験すると、自分なりのお金の使い方がわかってきます。家庭ごとに「ゲームの課金はしない」「LINEのスタンプは買ってもOK」など使い方のルールを子どもと一緒に相談するのも◯。
POINT2
お金の管理を学ぶには短期間・少額から。お年玉全額は心配も
もらったお年玉はすべて子どもに渡し、それで1年間のやりくりをさせる、という家庭もありますが、この方法は子どもにはハードルが高いかも。お金の管理方法を身につけるには“短期間・少額”からスタートを。お年玉をお小遣いとして渡すのは問題ありませんが、最初は1週間で100円、慣れてきたら1カ月で500円などと幅を広げていくのがおすすめ。
POINT3
貯金するだけではなく、どんな目的で貯めるのか“その先”も見せる
子どもがある程度お金の概念がわかるようになるまで、お年玉の管理には親が介入を。ただ勝手に貯金をすると「なぜ自由に使えないの?」と子どもは不信感を持つはず。貯金をする場合も、子どもを連れて銀行に行くこと。また「将来、車の免許を取るときの費用に」「20歳になったら渡すね」などと貯金の目的と、貯金した先のことも話してあげましょう。
読者アンケートで寄せられたお年玉にまつわるお悩みにキャサリン&ナンシーさんが回答。
Q1
お年玉をたくさんもらい、子どもの「ありがとう」に気持ちがこもっていない気が……
A1
両手でしっかり受け取り「ありがとう」を徹底
自分が働くまでは、お金をもらえるありがたみはわからないもの。たとえ最初は心が伴っていなくても、お金は両手で受け取り、相手の目を見て「ありがとうございます」と言うことだけは守るように伝えてみて。お年玉で欲しいものを買った後に、お礼の手紙を書くのもいいですね。
Q2
今は、お年玉はすべて母親が貯金していますが、何歳まで親が管理していい?
A2
ライフステージが変わるタイミングを目安に
お金のことはあくまでよそはよそ、うちはうち。周りに流されず、子ども本人と親が納得できるタイミングまでは続けていいと思います。目安としては、大学進学、成人式、就職などのライフステージが変わるとき。少しずつ親が管理する割合を減らしていくとスムーズです。
Q3
学校の友達とお年玉をいくらもらったか話しているよう。そういう話はしてもいい?
A3
お年玉の話はしてもいいけど具体的な金額はNG
おそらく子どもには悪気はなく、興味本位で言い合っているだけだと思います。ただ具体的な金額を話すのは後でトラブルになりかねないので「お年玉をもらった、もらわなかった、貯金した、しないは言ってOKだけど、具体的な金額を言うのはナシにしようね」としっかり話して。
【特集】“お年玉”から始める「子どもマネー育」
詳しい内容は2022年LEE1月号(12/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/藤田マサトシ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
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