瞑想と聞くと「難しそう」「スピリチュアルなもの」というイメージ? 実は、誰にでも取り入れやすい脳の休息法で、心の健康に効果があるというエビデンスもあるんです。忙しさに追われ、不安も多い現代人を救う瞑想、まずは1分から気軽に始めてみませんか?
What’s瞑想?
教えてくれたのは?
吉田昌生さん
ヨガ、瞑想講師。マインドフルネス瞑想協会代表理事。インドほか世界38カ国以上を訪れ、ヨガや瞑想の知識と実践を深める。著書に『深く短く瞑想する法』(三笠書房)ほか。
● Instagram:masaoy
● 公式サイト:https://www.masao-mindfulness.com
「今、ここ」に注意を向けてフル回転の脳を休ませよう
「最近は『マインドフルネス』という言葉を聞くことも増えましたが、マインドフルネスとは『今、ここ』に心が向いている状態を指し、瞑想はそうなるためのメソッドのひとつです。
『今、ここ』に注意を向けるというのは、具体的には自分の呼吸や体の感覚に意識を集中させること。それによって脳を休ませることができ、不安やうつの軽減に効果があります。
考え事をせず心を『無』にしなければならないのではなく、もし考え事が湧いてしまっても、そうした自分の状態に気づくことが大切です。
瞑想はいわば心のトレーニング。心が乱れたときだけやるのではなく、1分でも毎日行うことがポイント。日々の自分の状態に気づきやすくなり、心の強度が上がっていきます。眠りの質がよくなって肌がきれいになるなど、美容・健康面でもメリットがありますよ」(吉田昌生さん)
POINT!
●「無」にならなくていい
● 今に集中することで不安やストレスが減る
● 1分でも毎日やると脳が変わっていく
今、瞑想への注目が高まっている!
社員研修で瞑想も。生産性UPの切り札に
Googleはマインドフルネスプログラム「SIY」を開発。また、ヤフーやLINEなどの大手企業もマインドフルネスを研修に導入し、人材育成や生産性向上に効果を上げている。(情報提供:Mili)
子どもの心の健康に。小学校でも瞑想講座
コロナ禍で全国的に子どものストレス増加が心配される中、動画による瞑想プログラムを導入する小学校も。2カ月の継続で子どもたちのストレス低減が見られたそう。(情報提供:Melon)
わずか1分! いつでも、どこでも、気が向いたときにまずはやってみよう。自宅はもちろん、電車の中やオフィスのデスクでもできます。
HOW TO
1分間プロセス
1 あぐらなどラクな姿勢をとり、背すじを伸ばす。椅子の場合は浅く腰かけ、背すじを伸ばす
2 鼻から息を吸い、倍の時間をかけて鼻からゆっくりと吐く(考え事が頭に浮かんだときは、再び呼吸へ意識を戻す!)
3 3~4回呼吸を繰り返すと、ちょうど1分!
深い呼吸をするため、まずは骨盤が安定する姿勢に。呼吸法にはとらわれずラクに鼻呼吸をし、そこに意識を集中すると心も整う。
頭の中は…
おなかの動きや、鼻からの空気の出入りに意識を向ける
息が鼻から出入りする感覚かおなかの動き、どちらか感じやすいほうに意識を集中。頭の中を"無"にしようとしなくてよい。
おなかは…
手を当てて、吸う→膨らむ、吐く→へこむ、を感じて
おなかに手を当てると、呼吸に合わせておなかが動くのをより感じやすい。手のひらの感覚に集中すると、注意がそれにくく。
他にも!
おすすめの瞑想方法
できるだけほかの人の気配がない場所で
リビングなどほかの家族もいてにぎやかな場所だと、なかなか集中しづらいもの。寝室などできるだけ一人になれて静かな空間でやるのがベスト。意識をもっていかれないように、スマホも遠ざけておくとより◎。
眠くなりにくい朝にやるのがおすすめ
"気づき"のためのトレーニングとして行う瞑想は寝てしまわないほうがよいため、朝など眠くなりにくい時間にやるのが○。でもリラックスするためなら、夜ベッドの中で瞑想中に寝落ちしてしまっても問題なし。
最初は瞑想用の音声やプログラムを活用しても
最初のうち、自分一人で瞑想するのが難しければ音声などの力を借りても。動画サイトにアップされている瞑想動画を流して音声を聞きながら行ったり、オンラインの瞑想プログラムを活用すると集中しやすい。
編集マロミが2週間「1分瞑想」にトライ!
毎朝、家族が起きる前の習慣に
子どもが寝ている間の静かなリビングで実践。
駅まで歩く間に「歩行瞑想」も時々。1分なら飽きっぽい私でもできました!
お試しした感想は?
"今この瞬間に集中する"クセをつけるための練習なんだと体感
監修の吉田さんのYouTubeを聴きながら実践すると、1分ではもの足りず5~10分続けた日もしばしば。呼吸に集中することで「いかに自分が普段、過去の後悔と未来の心配事にとらわれていたか」に気づくことができる時間でした。
BEFORE
常に仕事のことで頭の中がいっぱい。朝晩は育児・家事で、てんやわんやの毎日。
AFTER
瞑想をしていないときも、「今、幸せ」と思える瞬間に集中しよう! と意識するように。切り替えのために頼っていたお酒とお菓子の量も減。
次回は、「時間に余裕がある日の5分瞑想」をご紹介。詳しい内容は2022年LEE1月号(12/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/コナガイ 香 取材・文/遊佐信子
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