子育てをしながらも、センスよく暮らしに花を取り入れたい! そんな里田さんの熱い思いに共感し、「花屋 ウヴル」を主宰する人気フローリスト田口さんご夫妻との対談が実現。里田さんが花に興味をもったきっかけや、今だからこそ感じる花の魅力について語り合いました!
今年、7年間のニューヨーク生活を経て帰国した里田まいさん。家族とともに日本での新たな生活を送っているなかで、今、最も興味があるのが、お花やグリーンのことだそう。海外で感じたお花と人との身近な関係の心地よさ、そして四季の花を愛でることができる日本の魅力も再発見。そんな今だからこそ、もっと気軽に〝花のある暮らし〟をしたいと考えています。そんな里田さんが、フラワーアーティストの田口さんご夫妻のもとへ。ずっと知りたかったお花のこと、たっぷりと教わりました。
Mai Satoda
本誌連載「マイ・ワンダフル・ライフ」やLEEwebの「Answer From Mai」が大人気。’21年春に7年間の米国暮らしを経て帰国し、現在は1男1女の育児に奮闘中。
対談のお相手
〈ŒUVRE/ウヴル〉田口一征さん、岩永有理さん
2014年、夫婦で「花屋 ウヴル」として、都内のアトリエを拠点に活動をスタート。季節の花を生かした、モダンで美しい色使いやあしらいで一躍人気に。2歳の息子さんを連れて、市場やアトリエに行くこともあるそう。
Shop Data
ブーケやアレンジメントは電話またはメールでの完全オーダーメイド制。Instagram(oeuvre_tokyo)にて、最新情報などをお知らせ。問い合わせはinfo@oeuvre-tokyo.com
いただいたお花が家事や育児の合間の癒しに
独身時代は仕事で家を留守にすることが多く、花を飾る習慣がなかったという里田さん。7年間のニューヨーク生活の間に2児の母となり、育児に奮闘するなかで、花のもつ癒しの力にずいぶんと助けられたといいます。
里田さん(以下、S) ウヴルの田口さん、岩永さん、ずっとお会いできるのを楽しみにしていました。今日はたくさんお花のことを教えていただきたいです!
田口さん(以下、T) はい、どうぞよろしくお願いいたします。
岩永さん(以下、I) どうぞよろしくお願いいたします。日本に帰国されてから、お花について、もっと学びたい!と興味をもっていると聞きました。
S ありがたいことに、お仕事の関係で夫も私もお花をいただく機会があるんですが、長男を妊娠した頃から、それが何よりも、ものすごくうれしくて……。慣れない育児をしながら部屋の片づけまで手が回らないときも、家の中にお花があるだけで癒されて、心穏やかに過ごせました。
T すごくわかります。僕らはもともとファッションの世界にいたんですが、デザインのモチーフに花を使うことがあって、名前を調べたり形を観察したりしているうちに、どんどん引き込まれて。結局、花屋になっちゃいました。
S え!! そうだったんですね。異業種から花の世界に入られたとは、驚きました!
I 日々、花に触れていますが、季節ごとに旬の花が移り変わっていくことだったり、色や形の組み合わせだったり、毎日新しい発見があって、花ってすごいですよね。
ニューヨーク生活で知った身近に花のある暮らし
S 花に興味をもった理由はもうひとつあって。ニューヨークで触れた、素敵なお花のやりとりです。
T 気になっていました。あちらでは、皆さんどういうふうに花と親しんでいるんですか?
S スーパーやファーマーズマーケットで、気軽にお花を買う人が多い気がします。ある日、子どものサマースクールで、発表会があったんです。そこで発表を終えた女の子に、パパが花束を渡していて。親が子どもに花を贈るって、すごくいいなと思って。
T 娘さんもうれしいですね。
S ママ友にお呼ばれしたときは、天井からたくさんグリーンを吊るして、葉に子どもたちの写真を飾っておもてなしをしてくれたんです。あのときは感激しました。ほかにも宅配業者の方が「荷物、遅れちゃってごめんね」と、小さな花束を手渡してくれたり。
I 花が特別なものではなく、生活に根づいているんですね。
T 僕らはオーダーしていただくとき、メッセージをお入れすることが多いんです。でも時々「メッセージはいらないです」という方もいて、粋だなと思いますね。「お花を贈る」って、それだけで十分に気持ちが伝わるから。そういう気持ちのやりとりをお花に込めるのが、ニューヨークの方たちは上手なんですね。
帰国後は「桜前線」という言葉にぐっときました!
S 日本に戻ってからは、四季のある国に咲く花っていいな〜と、あらためて感じています。特に「桜前線」という言葉の響きだけで、ぐっときちゃいました(笑)。そろそろ東京にもくるなとワクワクしたり、故郷の北海道は今頃満開かなと想像したり。小さい国だからこそ、季節の移ろいをはっきりと感じられますよね。
子どもと一緒にお花を楽しく飾りたい
I 子どもをアトリエに連れていくこともあるんですが、その季節に並ぶ花を見て、2歳の男の子もいろいろ感じているようです。
S そう、子どもにも、たくさん花に触れる機会を増やしたいなと思っています。花を通じて季節のこと、そしていずれは自然や環境のことにも関心をもってもらえたらうれしいなと思います。
I 私もそう思います。幼い子と暮らしていると、ついリスクを回避してお花と子どもを遠ざけてしまいがちですけど、積極的にいろんなお花と触れる機会をつくることで、子どもたちに何か感じてもらえたらいいですよね。
S 本当にそうですね! わが家でも、アマリリスの球根をママ友にいただいて、子どもの手の届くところに置いていました。一緒に水やりをしたり、芽が出てきたところを観察して喜んだり。すごくいい時間でした。
厳しい状況は続くけれど、一瞬でも、花の力を味方に
昨年から続くパンデミックは、なかなか終息の兆しが見えぬまま。里田さんは、どうやっておうち時間を明るく過ごしていますか?
S 子育て中は、皆さん同じだと思いますが、慌ただしい子育てに加えて、家族の健康にも今まで以上に注意が必要で、自由にお出かけもできず、どうしたって疲れますよね。そしてなぜだか、いつまでもずーっと疲れが取れないんですよね……(笑)。それでも、キッチンやリビングに、花が飾られているのが目に入ると、ほんの一瞬、ふっと心が軽くなるんです。そういう小さな一瞬一瞬を、これからも見逃さず、大切にしていけたらなと思います。
次回は、【里田まいさんが「花屋 ウヴル」ご夫妻に学ぶ】お花のオーダーの仕方&長もちさせる方法は?をお届けします。
撮影/YUJI TAKEUCHI(BALLPARK) ヘア&メイク/森野友香子(Perle Management) スタイリスト/斉藤くみ(人物) 今田 愛(静物) モデル/里田まい 取材・原文/田中理恵
※クレジットのないものはすべてスタイリスト私物です
※商品価格は消費税込みの総額表示(2021年10/7発売LEE11月号現在)です。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。