壁は、どこよりも自分を表現できる場所、手軽に自由に、12カ月を彩ります。
今回は、憧れのオブジェをもっと気軽に、こなれた印象で飾る方法です。
石井佳苗さん Kanae Ishii
雑誌や書籍、広告などで活躍。最近のお気に入りオブジェは、ロバート・クーパー氏のセラミックアート(上写真)。オンラインレッスンも好評。 https://www.kanaeishii-stylist.com/
インテリアを一気にランクアップしてくれるオブジェ。でも存在感のあるオブジェほど、実際に飾ってみると"気負いすぎ"な空気になることも。
「そんなときは何かひとつ、そばにアイテムを足してみましょう。まるで切り離されたかのようにポツンと存在していたオブジェが、空間に自然となじみます。インテリアで大切なのは、調和。オブジェひとつに視線を集中させるのではなく、それを中心とした空間を整え、全体になじませるのが心地よいインテリア作りのカギです。また、"空間"を作るためには、縦のラインを意識。+αアイテムは、オブジェの下側に足すのがおすすめですよ」
サイズ感を合わせる
大きなオブジェと合わせるなら存在感ある大物家具を選んでも
「HAyU」のワイヤーアートは、サイズが大きいだけに、単独で飾ると狙った以上にインパクトが強め。
「このサイズのオブジェは、そばに合わせるアイテムも家具など大きいほうがバランスがとれます。また、ワイヤーアートはサイズこそ大きいけれど、質感としては軽やか。どっしりした本棚と合わせても重い印象にならず、調和がとれます」
テーマを決めて組み合わせる
自然を感じるアイテム同士はトーンもそろって相性がいい
小さいながらも強い印象を残す野性的なツノのオブジェ。組み合わせたのは、同じくプリミティブな空気感を持つ、アフリカ生まれの平たいかご。
「サイズの小さいオブジェは、広い壁に掛けるとポツンとした印象になるので、やや大きめのものと合わせて。ここでも、ツノの質感は重め、かごは軽め、とバランスをとっています」
実用も兼ねて飾る
アクセサリーを掛ければ簡単にこなれた印象に
インドの古い木製建築パーツには、ネックレスやブレスレットを掛けて。
「自然に空間となじませるのなら、オブジェをただ飾るだけでなく、収納などに使って"実用"という雰囲気を漂わせるのもひとつの方法。ここでも、ネックレスを使って縦長のラインを意識して作りましょう。長さはそろえず、色も素材もバランスよく散らして」
美しい背景のように絵やポスターを
今、石井さん宅で飾っているオブジェを拝見。メキシコのおみやげ屋さんで買った流木による天使のオブジェの後ろには、雰囲気にマッチする絵画を。「ポスターやお気に入りのペーパー類と合わせても」
窓辺には、時にはひとつでも
窓辺の壁に掛けたのは、スウェーデンのヴィンテージの陶板。刻一刻と影が形を変える窓辺だからこそ、その時々で表情が変わって魅力的。「好きだ!と思うなら、完全なる主役として飾るのも素敵」
さりげないリンクを意識する
「オートゥルノトゥルス」のオブジェとサイトウナオコさんの絵画は、色合いのリンクで空間に統一感が。「この場合はどちらも主役。立体物は上、絵画など平面物は下、だとバランスがとりやすいです」
●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る
撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美
LEE2021年8月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。