「16時間断食ダイエット」が起こす3つの奇跡とその効果!“オートファジー” 医学博士の青木厚さんがやり方を伝授
2021.07.22
1日の中で食事をとらない時間を16時間連続で作るだけで、体重が減って、体の不調が改善する!? LEE編集部ぷーすけがその効果に感動している「16時間断食」。提唱者の青木厚先生がみるみる効果が出る理由やメカニズムを解説。試した人は必ずその変化に驚くはず!
教えてくれたのは
医学博士 青木 厚さん
あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。40歳のとき舌がんを患ったことから食事療法を実践。その食事法は著書『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)に。
■クリニック公式サイト:https://www.aoki-n-r.jp/greeting/
■そのほかの著書:『98キロの私が1年間で40キロやせた 16時間断食』(アスコム/青木 厚 (著), 小堀 智未 (著) )
空腹の時間を作ることで不調が改善される!
ダイエットのためにはやっぱりストイックな食事制限? 成功しても維持するには、編集ぷーすけのように涙ぐましい努力が必要? そんな常識を変えるのが「16時間断食」。提唱者である医師の青木厚先生は、始めて半年ほどで約10㎏の減量を達成、10年間その体重がほぼ変わっていないとか!
「この食事法を始めたのは40歳で舌がんになったのがきっかけでした。治療後、再発防止のために医学論文を読み漁り、1日の中で食べない時間を長く続ける“間欠的断食”にたどり着いたんです」(青木 厚さん)
青木先生によると、減量はメリットの一部、実は体質改善こそがより重要な目的なのだそう。
「体が飢餓状態になると活発化する“オートファジー”という仕組みが働くことで、古くなった細胞が生まれ変わり、病気の予防、不眠などの不調改善、若さの維持などの効果が期待できます。ドイツでは断食療法が保険診療として取り入れられているほどなんですよ」(青木 厚さん)
特に準備は必要なく、すぐに実践可能。何かしらの不調を感じている人は一度試してみて!
16時間=1日の2/3と考えるとかなり長い時間な気がしますが、「1日2食」にするだけで実践可能。体重が減る以外にも見逃せないメリットがあるということで、やらない手はない!
「1日3食」、実は食べすぎ?
そもそも、日本で「1日3食」が広まったのは江戸時代以降で、それまでは「1日2食」が一般的だったとか。「さらに、京都大学医学部付属病院の『糖尿病教室』の公式サイトによると、好きなものを好きなだけ食べられるようになったここ40年の間に、糖尿病患者が50倍に増えたと。“食事は1日3食”という思い込みから、現代人は食べすぎの状態が当たり前になっていて、それが脂肪増加や生活習慣病につながっている可能性があります」(青木 厚さん)
16時間断食のやり方解説
“睡眠時間」+「その前後の時間」で16時間食べずに過ごすのが「16時間断食」”
睡眠時間8時間とすると、あとは寝る前と起きた後、合わせて8時間食事をしないだけで「16時間断食」が完了。やり方はごくシンプル、すぐスタートできます。
「16時間断食」の例
空腹で過ごす16時間は、1日の中でどこに設定しても構いません。夕食を楽しみたい人なら、〈昼夜食べる場合〉の図のように夕食後から午前中までを“食べない時間”に。朝食を食べないと午前中動けないという人であれば、〈朝昼食べる場合〉の図のように昼食以降を“食べない時間”に。生活スタイルに合わせて続けられる時間を選んで。「食べない時間は、水やお茶などカロリーのない飲み物はOKです。食べていい時間の食事内容については気にすることはなく、好きなものを食べて大丈夫です。ほどほどであれば間食もOKですよ」(青木 厚さん)
Q.なんで16時間なんですか?
A.体をケトン体代謝にするためです
人の体は、普段は糖質をエネルギー源とするブドウ糖代謝ですが、空腹の時間が続くと中性脂肪などを分解してエネルギーにするケトン体代謝に。ケトン体という物質の発生は飢餓状態にある証で、そうなると体内で下記の“奇跡”が。「グラフを見ると、最後の食事から12時間程度でケトン体が発生し始めています。多くの研究では18時間断食が推奨されていますが、実践しやすい方法として16時間をおすすめしています」(青木 厚さん)
16時間断食の空腹が起こす!「3つの奇跡・効果」
おなかが空いたと感じているとき、体の中ではさまざまなよい変化が起こっています。こんなことが起きているとわかると続けるモチベーションに!
1日3回食事をすると、胃や小腸に食べ物が残った状態で次の食べ物が入ってくることに。自覚がなくても、胃腸がフル稼働して疲れているかも!?「空腹の時間をしっかり取ることで、胃が休められて衰えていた消化機能が戻ります。また、腸も働きすぎで動きが鈍ると、便秘や下痢を起こすだけでなく腸内細菌のバランスの乱れにもつながります」(青木 厚さん)。腸の働きが整うことによって、肌荒れやアレルギー症状の緩和も!
上でも触れたように、空腹の時間が続くと、体内で脂肪が分解されていきます。脂肪がなくなるメリットは見た目が変わるダイエット効果だけではありません! 「内臓周辺につく内臓脂肪は、糖尿病や心疾患、脳血管疾患など生活習慣病の原因にも。内臓脂肪が分解されれば、生活習慣病にかかるリスクを大きく減らすことにつながります」(青木 厚さん)
2016年に東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したのが、細胞を内側から新しく作り替えるオートファジーの研究。細胞が生まれ変わると生活習慣病や感染症の予防、肌や筋肉の老化を抑えることにもつながるとか!? 「オートファジーは常にゆるやかに働いていますが、体が飢餓状態になると活発化するとされています。その目安が、最後にものを食べてから16時間ほどなんです」(青木 厚さん)
続けるコツや、口コミもチェック!
詳しい内容は2021年LEE8月号(7/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/平尾直子 取材・原文/古川はる香
※妊娠中の方、持病のある方、健康に不安のある方は、かかりつけ医にご相談ください。
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