ジェンダー、女性差別、貧困、性教育、政治……と各分野に詳しい、助産師、性教育YouTuberのシオリーヌさんがおすすめ作品をセレクト。ストーリー性が高く、楽しみながら考えさせられる作品ばかりです。

助産師、性教育YouTuber シオリーヌさん

SNSを中心に性教育に関する情報を発信。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』（イースト・プレス）、『こどもジェンダー』（ワニブックス）。

性教育は目を背けられがちな分野だからこそ、映画やドラマを活用して気づきを得てほしいと話すシオリーヌさん。

「性に関する話題をタブー視せず、人が社会の中で生きるには欠かせないものだという描き方をしている作品がおすすめ。道徳的な性の話ではなく、根拠に基づいた、実生活に生かせる具体的な表現がいいですね。

『セックス・エデュケーション』でカップルがドラッグストアにアフターピルを買いに行くシーンがあるのですが、男性も自分ごととして向き合っている様子がわかり、素晴らしいメッセージだと思いました。反対に、性＝エロと短絡的に結びつける作品は残念に思うことも」（シオリーヌさん）

自分が性について偏った知識、意識を持っていないか、一度疑ってみることも大切。

「自分自身も十分に性教育を受けてこなかったのかもしれない。知らないことがたくさんあるのかもしれないという意識を持ちながら、さまざまな発信に触れていくことが必要なのではないかと感じます」（シオリーヌさん）

ドラマ 【セックス・エデュケーション】

若い世代の困難や悩みをリアルに描く、性についてオープンに学べる作品

「若い世代が経験しやすい困難をリアルに描きながら、性についてオープンに学びを得ることができる良質な作品だと感じます。エンタメ作品として楽しんで見ているうちに、大切なことをたくさん学べる。シーズン2で主人公が性的な関係を持ったパートナーとともに、ドラッグストアにアフターピルを購入しに行くシーンはとても印象的でした」（シオリーヌさん）

Netflixオリジナルシリーズ『セックス・エデュケーション』シーズン1～2独占配信中

映画 【モキシー ～私たちのムーブメント～】

女子高生がジェンダー平等を目指す、社会は変えられるかもと希望を感じる！

「性差別があることを諦めてきた主人公が、友人との出会いをきっかけに、ジェンダー平等な学校作りの必要性に気づく。仲間とともにアクションを起こす姿に勇気づけられます。主人公が匿名で活動していた活動家・モキシーが自分だと明かすシーンは、1人の声を連帯して大きなパワーにすることで、社会を変えていけるのかもしれないという希望を見せてくれました」（シオリーヌさん）

Netflix映画『モキシー ～私たちのムーブメント～』独占配信中

詳しい内容は2021年LEE7月号（6/7発売）に掲載中です。

取材・原文／野々山 幸（TAPE）