壁は、どこよりも自分を表現できる場所。手軽に自由に、12カ月を彩ります。初回は、配置バランスを知れば断然センスアップできる「絵」の飾り方から。
石井佳苗さん Kanae Ishii
インテリア会社勤務を経てスタイリストに。雑誌や書籍、広告など多分野にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。https://www.kanaeishii-stylist.com/
「家具には実用性がありますが、壁にはそれがない。だからこそ、その人らしさが見えて楽しい」と石井さん。
壁を飾るというと、真っ先に思いつくのが"絵"。今回はここから壁ディスプレイの基本を学びましょう。
「まずは好きな絵を自由に。複数飾るときは、"繊細なタッチ""モノトーン"など何かしらテーマを決めるとまとまりやすいですね。よく目に入る場所に絵を飾る。違和感があれば替える。一度で決める必要はなく、絵のテイストも位置もしっくりくるまで何度でも。絵を選び、飾ることは、あなたの本当の"好き"を探し当てるレッスンにもなるのです」
高低差をつけて並べる
上下、そして左右までアシンメトリーを意識して
高低差というと額の上辺でつけようと思いがちですが、肝心なのは下辺。
「3枚飾るなら、中央の額の1/4〜1/3ほどが、両わきに比べて低いとバランスがとれます」。
高低差のほか、左右の間隔もアシンメトリーにすれば空間に動きが。
「複数の絵を飾るとき『同じ額がない』などと考える方もいますが、バラバラのほうがむしろこなれた印象です」
まっすぐ並べる
見るべきはやはり、上辺より下辺。ここをそろえれば心地いい
この場合も、注目すべきは下辺。
「ここを一直線にきちんとそろえただけで、同じ絵でも先ほどよりも整然とした印象に。不思議なことに、上辺をそろえると空間にまとまりがなくなるんです」。
この場合は、左右の額の間隔も等しく。ちなみに異なる額"2枚"を並べるのはバランスが難しいので、初心者はまず3枚からトライして。
一枚を飾る
単体飾りは、オブジェなどを添えて。日常アイテムの力を借りても
「絵は一枚で飾ってもいいのですが、広い空間だとポツンと寂しい印象にも。絵以外のものを組み合わせるのがおすすめです」。
石井さんはオブジェをよく添えていますが、手持ちのネックレスでもOK。
「一本だと唐突感があるので、複数を無造作に重ねて。ここでも意識は額の下に。先端が額縁の下辺から少し出るようにするといいバランス」
押し花、画集、楽譜など
絵以外から始めるのも手
「好きな絵にまだ出会っていないのなら、画集のお気に入りのページや押し花を飾っても。骨董店や蚤の市などで扱っていますよ」。絵はなかなか高価だから、最初に買うときは緊張するもの。
「運命の一枚に出会うために、美術館やギャラリーにたくさん通って目を養って」
マットや額装をオーダーすれば
子どもの絵だって立派な作品に
「お気に入りを手に入れたら、ぜひ額装を。間に挟むマットの、色や太さ、質感までこだわると、絵が一層引き立ちます。信頼できる額縁屋さんを知っておくと初心者でもいろいろ提案してくれますよ」。
石井さんがよく通うのは、東京・都立大学の「ニュートン」。
●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る
撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美
LEE2021年2月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より
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