立春も過ぎましたが、みなさまにはいかがお過ごしですか。
最近は少し真面目な話が続いていたので、今回は、ドラマのお話。新春の『逃げるが恥だが、役に立つ』のスペシャル版で、平匡(星野源さん)とみくり(新垣結衣さん)の娘のお誕生日が判明。逃げ恥ファミリーのホロスコープを占ってみたいと思います。
平匡はさそり座。1980年の11月9日生まれ。みくりはおとめ座。1990年の9月8日生まれです。そして、娘の亜江ちゃんは2020年の2月3日生まれのみずがめ座です。
普段の太陽星座以外にもみんな星を持っているのは、これまでお話ししてきたとおり。水星が思考や伝達の星、金星が愛と美の星、火星が行動と戦いの星、木星が拡大と保護の星、土星が現実化とルールの星、天王星が自立と変革の星、海王星が境界を溶かす星、冥王星が変容の星。簡単な紹介にすぎませんが、頭に入れつつ読んでみてください。
さそり座の平匡のホロスコープは?
“究極のソウルメイト”を求める一方、壁をつくりがち
ひとりひとりを見ていくと、平匡さんは、太陽、水星、天王星がさそり座、月がさそり座かいて座、金星、木星、土星、冥王星がてんびん座、火星、海王星がいて座という比較的、偏りのあるホロスコープの持ち主。物語のキャラクターとは言え、作者の海野つなみさんが占星術を好きなのかしらと思うくらい、星と性格が合っているんですよね。私の生徒さんにも漫画編集者がいて、キャラ設定に占星術を使ったりしているので、可能性はあるかも?
さそり座は自分と一体になる究極のソウルメイトを求めますが、それが叶わないと思うと、シャッターを下ろしてしまう。しかも天王星も孤独を好むので、みくりに会う前の彼が「プロの独身」なのはいかにもです。てんびん座に4天体あり、普通なら素直に承認を求めそうですが、土星もあるのがミソ。嫌われたくないのが先立ち、ここでも壁を作っていそうです。1980年生まれは個性の強い代なので、子どもの頃に人間関係で揉まれて嫌になっていたのかななどと想像がふくらみます。それでいて、火星、海王星のいて座は夢見がち。「契約結婚」などという突拍子もないことに賛成しそうな空気を醸し出しています。月もいて座のほうがしっくり来ます。
おとめ座のみくりのホロスコープは?
平匡との星の相性はバッチリ!
「既存の社会を変えたい」という欲求も秘めている
みくりは、太陽、水星、金星がおとめ座ですが、月はおひつじ座かおうし座(普段はくよくよ考えるのに、突拍子がないことからも、おひつじ座の可能性が濃厚です)。火星はふたご座、木星はしし座、土星、天王星、海王星はやぎ座、冥王星はさそり座です。
ここまで調べて笑ってしまったのは、私も太陽、水星、金星がおとめ座なので、あの「小賢しさ」感、若い頃の私も覚えがあります……「考えすぎるな」とよく言われたものでした。今もあまり変わっていないかも。さらに、みくりの「社会で役立ちたい、既存の社会を変えたい」という欲求はやぎ座の3天体にも現れていますね。やぎ座は「社会」を象徴し、そこに外惑星たちが来ていた時代の生まれている世代はそうした欲求を潜在的に持っているのですね。
おもしろいのは、みくりは、冥王星以外、水の星座を持っていません。「愛情がなくても契約結婚はできる」という発想は、確かに感情を表す水の星座らしくありませんから。水の星座は、ロマンティックに白馬の王子さまを待つようなところがあります。さらに、みくりのさそり座の冥王星は、平匡さんの太陽にぴったりと乗っているのも興味深い点。これは、現実のカップルでも働く吸引力です。水の星座がなく、恋愛が苦手なみくりにとって、彼はとてつもなく魅力的に見える相性だったわけです。
みくりの月がおひつじ座、木星がしし座とすると、いて座に星を持つ平匡とも火の星座の楽しさを共有できる。みくりの木星の温かさによって、平匡の性質も変わってきたんだなと思えるわけです。みくりの火星はふたご座なので、平匡のてんびん座の星たちとの相性もバッチリ。そこは風の星座同士なので、平匡がここまでと設けている境界線は超えない、踏み込まないんですね。本当によくできているキャラ設定です。
ふたりの娘の亜江ちゃんのホロスコープは?
まさにこれからの「風の時代」の申し子
そして、2020年2月3日生まれの亜江ちゃんです。太陽はみずがめ座、月はおうし座かふたご座ですが、明るい時間に生まれていたので、おうし座でしょう(この日は月が夜、ふたご座に移動)。同じ理由で、水星もみずがめ座だと思われるので、太陽、水星がみずがめ座、月、天王星がおうし座、金星、海王星がうお座、火星がいて座、木星、土星、冥王星がやぎ座です。
太陽、水星もみずがめ座なら、月にもみずがめ座の守護星、天王星が合。ユニセックスな志向のある、とても自立的な女の子。それでいて、金星、海王星のうお座はロマンティックで夢見がち。火星のいて座は父親譲りで、意外に奔放です。やぎ座に星が多いのはみくりと傾向が似ていますが、母親とは違った形で社会に関わっていくことも示しています。
ちなみに私はおとめ座ですが、Sayaは別人格。連載がスタートした2008年2月4日を誕生日という設定にしているので、亜江ちゃんと1日違いです。おとめ座のみくりも、みずがめ座の亜江ちゃんも他人という気がしませんでした。少し頭でっかちにあれこれ考えてしまうものの、結局は女性らしさや「いい子」の枠をなかなか出られないおとめ座のみくり。一方、娘はみずがめ座で、まさにこれからの風の時代の申し子。自由かつユニセックスに育ち、母はそんな娘を時に頼もしく、時に危なっかしく、見守ることになるんだろうなあと将来の母娘像が見えました(さそり座の平匡さんは優しいけれど、母娘がぶつかるときにはオロオロするばかりで、役に立たないイメージです)。海野さんはもう描かないおつもりみたいですが、『逃げ恥』にさらなる続きがあるのなら、ぜひ10歳や15歳の亜江ちゃんを主人公にジェンダーを描いてほしいな、と思ったことでした。
そして、『逃げ恥』は、2021年の段階ではやっぱりファンタジー。子どものいない私はファンタジーとして楽しめましたが、「夫は協力的だし、コロナ禍でも館山の両親と一緒に過ごせるし、職場は理解があるし、あんなに恵まれた環境で子育てできる人なんて今の日本にはいない! 」とぶつぶつ言うのは高校生と大学生のママである担当のHT子さん。確かにそうなのかもしれません。ママと子どもたちが笑顔でいられない、安心して子育てできない国は悲しいものですね。今リアルに生まれている日本の赤ちゃんたちが大人になる頃には男も女もさまざまな「呪い」をクリアしていられるように。願ってやまないところです。
(次回は、3月7日に更新)
cookies/and Bake text/Saya
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。
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