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FASHION

高木綾子

服のチカラで社会を変える、ユニクロ・GU…【ファーストリテイリング サスティナビリティレポート 2021】

  • 高木綾子

2021.02.09

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欲しいアイテムが、欲しい時に、手頃なプライスで手に入る。キッズやコラボアイテムも秀逸なものばかりで、季節が変わるたびに頼りになる。

ユニクロはLEE世代にとっては欠かせないブランドの一つですよね。

そんなユニクロを生み出す企業、株式会社ファーストリテイリング。実は20年も前から、自社の”服”を通じて、多くの社会貢献活動を続けている企業でもあるのです。

ファーストリテイリングサスティナビリティレポート2021

毎年行われている難民への衣料支援。2001年にアフガニスタン難民に寄贈して以来継続的に活動展開されています。

 

サスティナビリティレポート2021説明会へ参加

2021年、ファーストリテイリングは、毎年発信しているサスティナビリティレポートを一般向けにわかりやすくリニューアルしました。

「この一年、サスティナビリティについての人々の意識はとても高くなりました。私たちは、より多くの人々に我々の社会貢献活動を知ってもらいたいと考え、皆さんに興味を持ってもらえるような内容で発信をすることにしました。」(ファーストリテイリングコーポレート広報部 ソーシャルコミュニケーションチーム統括部長 遠藤真廣氏)

ファーストリテイリングサスティナビリティレポート2021

レポートは、巻頭の柳井社長とフランスの経済学者ジャック・アタリ氏との対談を初め、Z世代のサスティナブルな活動や、夢を叶えた難民の話など、多岐にわたる内容が掲載されています。

今回私は、このファーストリテイリング サスティナビリティレポート2021のオンライン説明会に参加し、コロナ禍において、これから企業がサスティナビリティとどう向き合っていくのかについて聞きました。

 

ファーストリテイリング 柳井正 社長
「このままでは、地球は今の世代で終わってしまうかもしれない」

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏

ユニクロ、GUをはじめ、複数のブランドを世界中に展開するファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏。

社会問題・環境問題が深刻化する現在、「国を超えて、より良い社会を実現のために当事者意識を持ってポジティブに行動しなければならない」と語ります。

「コロナの感染拡大によって、この一年は劇的に変化しました。パンデミックで各国の経済は停滞し、政治的経済的対立は激化。そのことがビジネスの現場にも深刻な影響を与えている危機的な状況です。

今、最も必要なことは世界中の個人や企業が”ポジティブ”に考えて、すぐに行動すること。力を合わせてより良い社会を実現することです。

同時に、世界の歴史をよく知って、その上で”ポジティブ”な将来を実現できるために何ができるのかを考えることが大切です。

残念ながら今は、目先のこと、己の利害で行動し、世界とはつながっているのにつながってないふりをしている状況です。

私は、このままでは、今の世代で地球は終わってしまうかもしれない、という強い危機感を持っています。」(柳井正 社長)

 

サスティナブルであることは、全ての前提である

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏「全世界の人々、企業が人類全体の将来を考えて、経済活動はどうあるべきなのか、地球環境はどうあるべきか、自分のビジネスはどうか?それを真剣に考え、行動しなければならないと考えています。

私たちのビジネスが持続的に成長するためには地域社会が平和で安定し持続的に発展する必要があります。

サスティナブルであることは、全ての前提なのです。」(柳井正 社長)

 



2021年 コロナ禍におけるサスティナビリティの「重点領域」とは?

ファーストリテイリングサスティナビリティレポート2021

2001年に社会貢献室が発足。時代に合わせ様々な社会貢献活動を展開。

ファーストリテイリングに社会貢献室が発足したのは2001年。それから20年間、災害時の衣料支援や障害者の雇用、難民支援など、事業を通じて多くの社会貢献活動を実行しています。

そしてこのコロナ禍、新たに今年、次の20年に向けて下記の3つの課題、「重点領域」を発表しました。

 

気候変動対応

服を通じた社会貢献活動の進化

お客様協働の取り組みの推進

 

具体的に、「気候変動対応」では、2050年までの温室効果ガス排出量実質0を目指し、そのための長期削減目標を策定すること。(ちなみに、ユニクロの欧州60店舗はすでに再生可能エネルギーへの切り替えが完了。 今後も、各国で導入が計画されています。)

「社会貢献活動」では、デジタルを活用し、災害時だけでなく、災害発生前の「備え」へにも着手すること。

「お客様協業の取り組み」では、リサイクルプログラムでもある「RE.UNIQLO」を拡大。エアリズムマスクなどの人々のニーズに寄り添う開発も進めていくことなどを掲げています。

ファーストリテイリングサスティナビリティレポート2021

(右)リサイクルダウンジャケットのニュースは2020年のLEE12月号にも掲載。(左)新型コロナウイルスの対策として、医療機関や介護施設へマスクやガウンなどを提供したことも大きな話題になりました。

 

一番大事なのは自分の気に入った服を、長く愛用すること。

ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長・柳井正氏

最後に、サスティナビリティの具体的なアクションについて、「一番大切なのは自分の気に入った服を、長く愛用することである」と柳井社長は語ります。

「今年買った服が、去年買った服、その前に買った服、今後の服、そういうものに似合うこと。そういったことを、業界全体でより多くなるよう活動をしていきたいと考えている。」(柳井正 社長)

 

コロナ禍で高まる、サスティナビリティへの意識

自由な行動が制限されている今、「いま、本当に必要な物は何か?」を考えるきっかけが増えたことで、私たちのサスティナビリティへの意識が高まっていると感じます。

私自身、昨年は今までと買い物の仕方が大きく変化。ファッションを楽しみたいという気持ちはずっと変わりませんが、以前のように気分や勢いで買うことがぐっと減りました。

手頃な価格の物でも購入前に着回しをいくつも考えたり、商品の詳細やブランドのコンセプトを読み込んだり、作り手の背景や意識が購入の大きな決め手になることも。

一つの物を買うまでの時間が増えたという人は多いのではないでしょうか?

 

私たちがすぐにできることも

ちょうど3年前に購入したユニクロ のウルトラライトダウン。真冬は毎日着用していたのですが、サイズが合わなくなってきたため買い替えを検討していました。

この発表会をきっかけに、春が来たら初めて、店頭の”リサイクルボックス”を活用してみようと思います。

自分と向き合う時間のある今だからこそ、より良い地球環境を維持するためにできることを考え、行動し、何よりポジティブな気持ちで続けていくことが大切ではないでしょうか。

サスティナビリティレポートは、下記のURLより一般公開されています。是非ご覧ください。

 

 

●ファーストリテイリング サスティナビリティレポート 2021

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/report/

高木綾子 Ayako Takagi

ライター/LEEキャラクター

1981年生まれ。百貨店バイヤー、ヴィンテージショップなどファッション業界を10年経験。その後、LEEキャラクターになったことをきっかけに同世代の女性に役立つ情報を伝える仕事に興味を持ち、ライターの道へ。夫の仕事の関係で2020年より東京から香川へ移住し、ファッションや子育てのほか、四国地方についても執筆。2児の女の子ママ。

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