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【井上真央さんインタビュー】映画『大コメ騒動』は「ママ友と一緒に観に行ってほしい映画です」

2021.01.07

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日本中が注目する“大河や朝ドラ”を含め、数々のドラマや映画で主演を務めてきた井上真央さん。演技に対する評価も人気も第一線を維持し、その中で自然に大人の女性へと成長し続けてきたことからも、井上さんの聡明さがうかがえる。そんな井上さんが、日本の女性たちにエールを贈る映画『大コメ騒動』に主演している。

井上真央さん
「ママ友と一緒に観に行ってほしい映画です」

井上真央さん

ニット¥35000/ドール(フミエタナカ)

「学校では“米騒動”についてここまで詳しく習わなかったので、100年以上も前に、富山の漁村の女性たちが起こした行動が、日本における女性初の市民運動だったということも初めて知りました」

井上さんが演じるいとは、貧しい漁村で漁師の夫、姑と3人の幼い子どもと暮らしている。聡明だが引っ込み思案ゆえに、村では損な役回りも担わされてしまう。

「いとは農家から漁村に嫁ぎ、まったく違う環境に一人で放り込まれた状態。そのうえ“浜のおかか”たちは、みな強烈な個性で、今で言うと“公園デビュー”状態のような……。ママ友同士ででも楽しめる作品だと思います」

儲けを目論む者により米の値段はつり上げられ、いとたち庶民は米が買えない。そして遂に、浜のおかかたちが立ち上がる!

「子育てや、生活をしていく中で、女性の立場だからこそ気づくことってありますよね。声を上げることは勇気がいることですが、何も変わらないと諦めてしまわずに、その声が通っていくような社会になればいいですよね」

さて、目の前の井上さんは可憐な少女のようだが、映画の中では真っ黒な顔にボロボロの着物姿!

「現場でもよく、目の前にいるのに、スタッフの方たちに探されていました(笑)。女性の多い現場で、体力勝負の撮影も多く、部活みたいでしたね。真っ黒に日焼けしてボロボロな姿のまま、美容や健康の情報交換をしていました。浜のシーンは寒かったので、このインナーがいい!など(笑)」
“声を上げること”が本作の一つのテーマだが、井上さん自身は、影響力のある立場として、どのように感じているのだろうか。
「東日本大地震のときは自分には何ができるか、すべきことは何か、使命感のようなものを感じていました。でも今回のような状況では、撮影自体もできず、これまでのことを振り返ったり、考える時間が多かったです。私は好きだからこの仕事を続けてこられた、そこにはいろんな人の助けがあったとあらためて思いました」

生きることは食べること、と強く思わされた本作。井上さんは食にこだわりはありますか?

「ステイホームのお陰で、自炊は増えました。栄養のバランスを考え、和食中心に作っています。味つけはごくシンプルに。凝ったものは作れないので、外食のよさも感じています。やっぱりプロが作るものって本当においしいんだな、って(笑)」

いのうえ・まお●1987年1月9日、神奈川県出身。映画『八日目の蟬』(’11年)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。近年の主な映画出演作に『焼肉ドラゴン』(’18年)、『カツベン!』(’19年)、『一度も撃ってません』(’20年)など。その他、『閉じ込めた吐息』が公開待機中。

cinema『大コメ騒動』

ⓒ2020 『大コメ騒動』製作委員会

ⓒ2020 『大コメ騒動』製作委員会

大正7年、富山の貧しい漁村の漁師・利夫(三浦貴大)の妻いと(井上真央)は、自身も米俵を担いで舟に運ぶ女仲仕として働いていた。しかし米の値段はつり上がり、子どもたちに食べさせる米も買えなくなっていく。遂に村の女たちは、米の積み出し阻止を企てる。共演に室井滋、夏木マリ、立川志の輔ほか。1月8日よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国公開。


撮影/フルフォード 海 ヘア&メイク/佐々木恵枝 スタイリスト/伊藤信子 取材・文/折田千鶴子

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