性教育への思いが深い著名人は、今何を考えて、わが子にどんな性教育をしているのでしょうか? タレントのSHELLYさんにじっくりお話を聞きました。
おうちで伝える「自分を守る」性教育
1億5000万人が支持した動画「お茶と同意」の思いをまとめた本が日本語に翻訳されました。
【弁護士 太田啓子さんインタビュー】これからの男の子たちに必要な性教育とは?
この記事は2020年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。
PROFILE
数多くのテレビ、イベント司会などで活躍。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)などに出演。性教育のイベントにも積極的に参加し、司会を務める『Wの悲喜劇』(AbemaTV)では性教育をテーマにディスカッションも。4歳、2歳の姉妹の母。
性教育をタブー視しないで! 情報は正しく伝える
4歳と2歳の2人の女の子のママであるSHELLYさん。以前から性教育の必要性を感じていて、出産、育児でさらにその思いを強くしたと言います。
「日本は、学校でほとんど性教育をしないし、性教育のとらえ方が浅いなと思います。セックスの仕方や子どもの作り方を教えることだけではなくて、ジェンダー、性的指向、性的同意などの価値観を伝えることも性教育。性教育のタブー感をなくしていかないと、社会は変わっていかないのではと、危機感すら感じています。
私は、性教育は早くから始めたほうがいいと思っていて、娘には2歳から話しています。早ければ当たり前に理解が深まるので『自分の体は自分のもの』だという意識も生まれて、それが性的同意にもつながる。
何層にも重なっているものだから『まだ早い』『そんなこと教えなくていい』というのは本当にナンセンス。タブーにするほど子どもは興味を持って、インターネットなどで見た都市伝説みたいな内容を信じてしまいます。
最初に情報はすべて与えて、本人に考えて選択させるというのが、これからの性教育だと思いますね」
特に、日本の「性的同意」への意識の低さに警鐘を鳴らします。
「みんな性的同意を大きく勘違いしていると思います。これは世代とかではなくて、今の若い子たちもわかっていないことが多い。積極的な同意が取れない行為は、すべてレイプです。酔っていたとか裸だったとか、関係がないんですよね。
どんなに距離が近い彼女でも妻でも夫でも同じです。『本当にしたいよね?』とはっきり確認が取れていないとダメなんですよ。このルールさえ社会で徹底できていれば、性犯罪やセクハラは著しく減るんじゃないかなと思います。
日本は性犯罪の罪も驚くほど軽いですよね。私のインスタグラムにある女性から『日本は性犯罪が多くて社会は女性を守ってくれない。もし娘が生まれても守る自信がないから、子どもを産むのが怖い』とメッセージがあったんです。
女性が伸び伸び生きられない、家族を持ちたいと思えない社会ってどうなのと。根底に性教育の認識の甘さや、不足があると思います」
体についての内緒事はナシ 性犯罪の防止につながる
娘さんたちには、具体的にどんな性教育をしていますか?
「上の子が2歳ぐらいから、お風呂で体のパーツの正しい言い方を教えています。特に性に関しては子ども言葉ではなく、医学用語で正確に。
英語だと女性器のことを子どもが『ピーピー』と言ったりするけれど、わが家では最初から『vagina(ヴァジャイナ)』と伝えています。もし子ども言葉を使っていたら、誰かほかの大人に言われたとわかるので、性犯罪の防止、発見にもなるんです。
『この部分はあなたのプライベートパーツだから、あなたが嫌なら嫌でいい。自分で決めるんだよ』と性的同意につながる話も。あとは、これも性犯罪防止のために『体にまつわることで大人との“内緒”はなし。“内緒”と言われてもママに話してね』とも。
そのつど、子どもにわかる言葉でいろいろと話しています。だって教えていなかったことで、娘が傷ついたら絶対に後悔するから!
いろんな情報を持たせてあげること、それがこれから娘たちが自分を守る武器になるんじゃないかなと思っています」
おうちで伝える「自分を守る」性教育
1億5000万人が支持した動画「お茶と同意」の思いをまとめた本が日本語に翻訳されました。
【弁護士 太田啓子さんインタビュー】これからの男の子たちに必要な性教育とは?
撮影/須藤敬一 ヘア&メイク/高橋純子 スタイリスト/小川ゆう子 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2020年11月7日発売LEE12月号の再掲載です。
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