前回の記事でも紹介しました、おうちチャンネル主宰の6~8歳対象探求型オンラインワークショップの様子の後編です。
このステイホーム期間に3週間にわたってワークショップが開催。小田原で150年以上続く老舗かまぼこ店 ”鈴廣かまぼこ” のかまぼこ作りを体験し、そこからか知りたいと思ったなぞを自分なりに深く堀り下げるプログラムです。ミッションを遂行すべく、自分で考えたなぞから探究し、鈴廣の「かまぼこ王子」こと11代目の鈴木智博さんにプレゼンします。さて、子どもたちは無事ミッションを成功できるのでしょうか?
ワークショップの流れ
【1回目】ミッション発表
鈴廣かまぼこのかまぼこ王子を助けるために、かまぼこの秘密をたくさん探そう!→翌週までにかまぼこ作りにチャレンジして、なぞを探す(目標150個!)【2回目】考えたかまぼこのなぞを出し合う*今日はここから
お互いの作ったかまぼこを見せ合い、かまぼこのなぞについてどんなことに気付いたか話しあう→その中から自分が解きたいなぞについて、次回までに調べる【3回目】かまぼこのなぞを発表する
それぞれ調べてきたなぞをかまぼこ王子に発表してミッション達成できているか判定をもらう→ソムリエキッズ認定式&今度は小田原のかまぼこの里で!
2回目セッション:かまぼこ王子にないしょの作戦会議
なんせ「150個のなぞを見つける」という、低学年には非常に高い目標があったので、若干プレッシャーを感じながらも、朝早く起きて二人で相談するなどして、当日までになんとか100まではたどり着けたようです。兄弟で目標に向かって、意識を高め合い共通のミッションを取り組む良さが、そこにはありました。
そして今回のは、かまぼこ王子にはないしょのミーティングで、こうした仕掛けが子どもたちの気持ちを高めてくれます。それぞれ、考えついたかまぼこのなぞの一部をご紹介します。
「かまぼこってだれが発明したの?」「かまぼこはどうしてプニプニなの?」
「かまぼこは焼くのと蒸すのでは違うの?」「どうしてかまぼこっていう名前なの?」
「どうしてトンネルの形をしているの?」(次男)「かまぼこはビールに合う?」(長男)
これらのなぞを紙芝居にしたり、王子への手紙にしたり…好きなスタイルで伝えることに。1週間後の発表に向けてリサーチ開始です!
2回目課題:王子へ伝えるために…プレゼン資料を作る
次男の「どうしてトンネルの形なの?」はまずは書籍で調べるところから…と思ったのですが、コロナ自粛のため図書館が閉館中。仕方なく、インターネットでお父さんと一緒に調べることに。自分で考えた問いだったので、いつもより主体的に取り組む姿がありました。
一方、長男のなぞ「かまぼこはビールに合う?」ですが、どうやって調べるつもりなんだろう…?と見ていると、「ビール好きな人にインタビューする!」とのこと。そこから祖父や友人の仲の良いお父さんたちにオンラインでつないでインタビュー。それぞれのコメントから出てきた共通のキーワード「うま味」と「わさび」について調べ、あとはオリジナルのかまぼこを使ったレシピを考案して作ることに。子どもたちの探究心がかなり高まっていたので、短期間で手際よく進めていけました。
長男はイラストを交えながらインタビュー&調べた内容をまとめ、次男はイラスト中心に伝えたいことを大きく書くことに。プレゼンの練習までは…できませんでしたが、伝えたいことを画用紙にしたためました。
3回目セッション:いよいよ、かまぼこ王子に伝える日…!
さて、いよいよ最終日です。オンライン上でしか会っていませんが、毎週顔を合わせているので、川辺さんはじめ、参加者の子どもたちみんなとすっかり仲良くなった雰囲気。
順番に発表を聞いていると、スラスラと自分の言葉でしっかりと説明していて「低学年からしっかり話せるんだ…!」と内心びっくり。次男は恥ずかしがり屋で人前に出るのが苦手なタイプでしたが、みんなに触発されたのか、今回は挑戦できました。終わった後のやりきった表情を見ると、彼なりに自信を持って取り組めたのかと。
長男はもう完全オリジナル企画なので自分の言葉でしっかり伝えられました。「ビールに合う、かまぼこを使ったイタリアンサラダ」の提案のところでは、王子も「いいね、そのレシピもらっていい?」と、アイデアを認めてくれたことに、大喜び!やはり、自分の考えたことをおとなや社会に伝えて、承認をもらえる…この体験は本当に大切ですね。たとえオンライン上であっても、その喜びや自信というものはリアルと変わらないのだな、と。
最後はかまぼこを通じて鈴廣が大事にしている命をいただくことや、自然を大切にする意味を教わり、全員ミッション完了!「コロナが落ち着いたら、バッチをつけてかまぼこの里に遊びに来てね!」と再会を約束して3週間のプログラムを終えたのでした。
初めてのオンラインワークショップ、そして3週に渡るスパンでしたが、家にいながら充実した探究ができたことに、正直驚きました。毎週末、1時間のセッションのために子どもたち二人を連れて通うのはなかなかハードルが上がりますが、家にいながらアクセスできるので本当にノーストレス。リラックスしすぎて、兄弟でもめたり離席してしまったり…お家ならではのお恥ずかしいハプニングは多々ありましたが、そこはもう目をつぶって…本質として大切にしたいこと=「仲間と共に探究して、人に伝える」という体験ができました。家族だけでは、ここまでの完成度は見せられなかったと思います。オンラインでもインプットだけでなく、アウトプットもできるなんて。ますますわが家のオンライン学習に拍車がかかりそうです。
今回のワークショップはこれで一旦終了ですが、今後、また新たなオンラインプログラムを企画予定とのことなので、気になる方はおうちチャンネルHPをぜひチェックしてください。また、鈴廣かまぼこでは現地でのかまぼこ作り体験が再開しています。こちらは予約制となっているのでこちらもチェックしてみてください。
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飯田りえ Rie Iida
ライター
1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。