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LIFE

教えて! 笑顔の素

前田有紀さん「泥だらけでも、花に囲まれて働くほうが自分らしい。一生をかけてやりたい仕事に出会えました」

2020.07.05

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フラワーアーティストとして活躍中の前田有紀さん。おっとりと穏やかな雰囲気ながら、その内にはお花の仕事への熱い思いと、前へ前へと進んでいく行動力が。前田さんのナチュラルな笑顔の秘密に迫りました。

「泥だらけでも、花に囲まれて働くほうが自分らしい。一生をかけてやりたい仕事に出会えました」

ワンピース¥18000/ヌキテパ 青山(ヌキテパ)ネックレス/本人私物

前田有紀 Yuki Maeda

1981年、神奈川県生まれ。フラワーアーティスト。テレビ朝日アナウンサーとして約10年間活躍後、イギリスへ留学。約3年間の生花店での修行を経て独立。「花とあなたが出会う場所」をコンセプトに、フラワーブランドgui(https://gui-flower.com)をプロデュース。3歳の男の子のママで、夏に第2子を出産予定。

笑顔の素は…花の色合いと相性抜群! FLASKAのカラフルな花瓶たち

花器すべて/本人私物(FLASKA www.flaskaglass.com

「お花を飾るときは、必ずグリーンを入れるようにしています。見ている方に自然の風景を思い起こしてもらえたらいいなと思って。お花がまっすぐなので、葉ものはユーカリのようなしなるものや動きのあるものがおすすめ。自然の中で咲いているように仕上がります。わが家はいつもきれいに片付いているわけではないのですが(笑)、お花を飾ると気持ちが明るく! 特に朝一番に立つキッチンには、必ず置くようにしています」

やりたい気持ちが強すぎて
怒られることすらうれしい!?

元アナウンサーで、現在はフラワーアーティストとして活躍する前田有紀さん。前田さんの最近のお気に入りアイテムは、FLASKAのカラフルな花瓶。

「住んでいる鎌倉で休日に散歩をしていたら、ギャラリーで展示会をしていて一目惚れ。それまではクリアな花瓶を使うことが多かったのですが、カラフルだけどお花に合う色使いがとても素敵で愛用しています。最近は、写真のようにたくさん花瓶を並べて、少ない本数のお花やグリーンを飾ることに魅力を感じます。以前は、1つの花瓶の中にたくさんのお花を入れ込むことがすべてだと思っていたんですけど、花によって枯れるスピードが違ったり、管理が難しい。花瓶だけじゃなく、ジャムの空き瓶などでもいいから、持っているものを集めてのびのびと飾ると、簡単だし、花が少なくても存在感が出ておすすめですよ」

約7年前に前職を辞めてイギリスへ渡り、インターンを募集していたお城でガーデナーとして働くことに。花や自然を扱う仕事は優雅にも見えますが、想像を絶する過酷さだったそう。

「とにかく体力仕事で、ホースを担いで庭中を走り回ったり、地面にはいつくばって草を取ったり、虫がたくさんいる中で作業したり……。笑っちゃうぐらいに大変でした。つい数カ月前まではきれいにメイクをしてもらい、用意された衣装を着て、テレビに出て笑っていたのに、今はすっぴんに泥だらけで、爪にも泥が入って汚くて。すごい落差だなと(笑)。でも、自然の中で体を動かして働くことが気持ちよくて、このほうが自分らしい顔をしているなと気づいたんです。アナウンサーの仕事もすごく楽しかったんですけど、10年後も20年後もこの仕事でやっていきたいという未来が思い描けなかった。イギリスに行ったことで『お花にまつわる仕事をして生きていきたい』と、進むべき道がはっきりしました」

帰国してからも、生花店に勤めて一から修行をスタート。30代になってからの新たな分野へのチャレンジ、心が折れそうになったこともあったのでは……?

「たくさんありましたよ。アナウンサーとして10年間も社会人をやっていたのに、いざお店に立ってみると、レジはまともに打てないし、お花の管理の仕方もわからない。何もできなくて、怒られることも多々。でもとにかく、好きでやりたい気持ちが大きかったので、怒られることすら貴重に感じて、ニヤニヤしていたことも(笑)。お花は生き物なので、お客さんからのクレームがあり落ち込んだりもしたのですが、それにもだんだん対応できるようになり、お花屋さんでの修行の3年間でかなりたくましくなったと思いますね」



妊娠中の起業。周りの助けと“3番目の時間”を大切に

そして、2年前にフラワーアーティストとして独立し、guiをプロデュース。なんと、妊娠して花屋さんでの仕事が難しくなり、起業を決断したのだそう!

「植木を運んだり、長時間の立ち仕事ができなくなってしまって。せっかくスキルを身につけたのにもったいない、歩みを止めたくないと思い、起業しました。『妊娠中に起業なんて大変だよ』と心配してくれる友達もいたのですが、私は立ち止まらず、前に進みたいと思った。一般的に妊娠、出産でキャリアを続けるのは難しいといわれがちですが、工夫すれば自分にはできるかもしれない。第1子の産後間もなくは、ベビーカーで搬入現場に行ったこともありました。でもできるだけ周りの目は気にしすぎず、そして、無理せずスタッフや花屋の仲間に助けてもらいながら、なんとかやっています」

本当に好きなことを仕事にしている。そう自信を持って言える心の充足こそが、前田さんのピュアな笑顔の素なのかも。また、こんな楽しみも。

-「仕事と育児だけだと現実的になってしまうから、ハリー・ポッターのようなファンタジー映画を見たり、スタッフと美術館に行ったり。自分がワクワクできる“3番目の時間”を持つことがよい気分転換になるので、大切にしています」


¥撮影/須藤敬一 ヘア&メイク/TOMIE(nude.) スタイリスト/福田麻琴(衣装) 前田有紀(花) 取材・文/野々山 幸(TAPE)

LEE6・7月合併号『教えて! 笑顔の素』から。詳しくは2020年5/7発売LEE6・7月合併号に掲載しています。

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