ひき肉を使いこなせれば、ごはん作りはマンネリ知らず

ワタナベさんの日々のごはん作りにも、ひき肉は活躍しています。

「例えば、やや濃いめの味つけでパラパラに炒めて野菜に振りかければ、食べごたえあるソース感覚。ボリュームが欲しいと思うなら、ハンバーグやつくねにも。冷蔵庫にひき肉があれば、メインでもサブでも、『まあ、なんとかなる！』と安心できる存在です」

さらにひき肉のいいところは、火の通りが早いこと。豪華な“煮込み風”も、ひき肉を使えば短時間でおいしく仕上がるし、細かいながらも肉だけに、しっかりうま味がしみ出します。調味料にもすぐなじむので、味がぼやけがちな炒め物も、ひき肉を要にすればピシッと決まります。

「ちょっとおもしろいのは、“かたまりひき肉”。あえてかたまりのまま焼きつけたひき肉は、よく練ったものやバラけたものとはまた違う、ぎゅっと噛みごたえを楽しめるような、独特の味わいがあります」

さまざまに形を変えて、味わいを変えて、食卓に登場するひき肉。その驚くほどの変幻自在ぶりは、たとえ毎日食卓に出てきても、ちっとも飽きることはないのです。

野菜を一気に大量消費！
「ひき肉」╳「ありがち野菜」でほぼ15分レシピ

手軽なひき肉＆冷蔵庫にある定番野菜ですぐできる、絶品おかずを紹介！ 思い立ってから食卓に並ぶまでほぼ15分！ 野菜もしっかり使い切れます。

仕上げのレモンがさわやかです
キャベツの塩もみ甘辛ひき肉のせ

塩もみで甘味を凝縮させたキャベツに、甘辛ひき肉をたっぷりのせて。「レモンをきかせて、軽やかに初夏らしく」

材料・2人分

• 豚ひき肉……180g
• キャベツ……300g
• 塩……小さじ1／3
• A
  • 酒、みりん、しょうゆ……各大さじ1
• レモン汁……大さじ1
• 白いりごま……小さじ2
• ごま油……小さじ1

作り方

1. キャベツは千切りにし、塩を加えてしんなりするまで5分おき、軽くもむ。
2. フライパンにごま油を中火で熱し、ひき肉をよくほぐしながら色が変わるまで炒める。Aを加え、汁気がなくなるまでさらに炒める。
3. ①の水気を絞って器に盛り、②をのせてレモン汁をかけ、ごまを振る。

酸味をきかせた洋風煮込み
豚ひき肉とキャベツのサワー煮

ハーブとガーリックが香るミートボールをキャベツと一緒にワインで煮込みます。「仕上げの黒こしょうは、たっぷりめで！」

材料・2人分

• 豚ひき肉……200g
• キャベツ……1/4個（250g）
• A
  • 卵……1個
  • ドライハーブ（エルブドプロバンス、バジル、オレガノなど）……大さじ1 1/2
  • にんにくのすりおろし……1/2かけ分
  • 塩、粗びき黒こしょう……各少々
• B
  • 白ワイン……60㎖
  • 酢……大さじ1 1/2
  • 塩……小さじ1/2
• オリーブオイル……大さじ1

作り方

1. キャベツは2㎝幅のくし形切りにする。
2. ひき肉にAを加え、粘りが出るまでよく混ぜる。
3. フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、8等分した②を大きめのスプーンなどでざっと楕円形にまとめて入れ、焼きつける。焼き色がついたら裏返し、①を加えてさっと焼きつけ、Bを加えてひと煮立ちさせる。
4. フタをして弱火で約8分煮て、器に盛り、ドライハーブと粗びき黒こしょう各少々（ともに分量外）を振る。

次回は今井 亮さんの【ひき肉で感動のごちそう】「焼き餃子&味バリエ3種」を紹介いたします！ 詳しい内容は2020年LEE6・7月合併号（5/7発売）に掲載中です。
撮影／鈴木泰介　スタイリスト／駒井京子　取材・原文／福山雅美