サウナの素晴らしさをお伝えしたいと編集部でプレゼン数カ月、ついに特集獲得!
私の「ととのう」は、ゆっくり心地いい心拍音+浮遊感+遠ーくの風の音が
「サラッ……」と聴こえる感じ。“天国”は家から10分のところにありました。
ウワサの「ととのう」(サウナトランス)ってどんな感じ?
温冷交代浴の後に訪れる最上級の心地よさが“ととのう”。脳内ホルモンのエンドルフィンとセロトニンが同時に放出されることが理由といわれていますが、メカニズムは研究途上。マンガではサイケな描写ですが、実際はもっと穏やかとも。
天に昇るように気持ちいい! 正しいサウナの入り方
- まずはしっかり温まる。
- 10秒程度冷たさに耐えるとぬくもりを感じる“羽衣”状態に。気持ちいいので、むしろ入りすぎ注意。合間に適宜休憩をしながら、1、2を繰り返す。
- タオルで水滴をふき、仕上げの休憩。水分補給も忘れず。外気浴のできる場所だとベター。ここで“ととのう”瞬間が!
サウナはおじさんのもの? いや! 忙しい女性にこそ
編集ぷーすけゴリ押し企画につき、「なぜLEEでサウナ……?」とぽかーんとなっている読者の方もいらっしゃるのでは。そこで、サウナ大使として「サ道」を広めたタナカカツキさん、女性目線でサウナの魅力を伝え、フィンランド政府観光局公認サウナアンバサダーに任命されている岩田リョウコさんというトップサウナーに、サウナ愛を語ってもらいました。
タナカ リョウコちゃんの初サウナは友達に無理やり連れていかれたんやっけ?(笑)
岩田 そうです。水風呂もかなり強引に入るように言われて入ってみたら、絶対ムリだと思ってたのが案外いけたんですよ。
―――サウナに入るうえでは、水風呂がマストなんでしょうか?
タナカ サウナでほてった体を水風呂でクールダウンさせるのが気持ちいいんです! サウナでよく温まっていれば、水風呂に入って少したつと体表面に接してる水が温められてうすーい膜で包まれたみたいになる。これは“羽衣”と呼ばれていて、“羽衣”ができると水風呂もしっかり入っていられる。
岩田 サウナ室にいるときは水風呂のことしか考えてないですね。水風呂を最大限楽しむためにサウナ室にいる時間を計算します(笑)。
タナカ サウナーにとって水風呂こそサウナの主役だし、醍醐味なんです。サウナでしっかり温まった後に水風呂で冷やす温冷交代浴が疲労回復にもつながるし、自律神経の働きも活発にしてくれる。最初は無理のない範囲でいいので入ってみてほしい!
―――サウナで“ととのう”のは初回から体験可能ですか?
岩田 私は何回か通ううちにわかってきましたね。
タナカ そこは人によるかな。“ととのう”の感覚も違うし。僕レベルになると、受付して館内着に着替えただけでととのいますから(笑)。
岩田 サウナ入らないんだ(笑)。継続してサウナに通うと心身の変化も。私は冷えがなくなりました。夏でも靴下を何枚も重ね履きしてたのに。
タナカ 僕もマンガ家の職業病、腰痛や肩こりがなくなった。「あれ? ない」と気づいたのはサウナに通って5年目くらいやけど。
岩田 メンタルが落ち着く感覚は最初からわかるかも。私、ムカッとくるメールを受け取ったときは、すぐに返信せず、サウナ行くんです。そうすると怒りに任せた言葉を書きそうだったのが、「言ってくれてありがとう♪」と、穏やかな気持ちで返信できるので。
タナカ サウナに通い続けると肌がきれいになるのもあるかな。サウナ歴40年と思われるおっさんたちのお尻ってものすごくツルツルなんですよ。ただ、おっさんにとってそこまでツルツルなお尻は必要なんか?と思うけど(笑)。
―――お二人は本場フィンランドのサウナも体験。日本のサウナとの違いはどんなところでしょう?
岩田 フィンランドのサウナには水風呂がなくて、外の湖が水風呂代わりなんです。サウナ室でも窓の外の風景を眺めたり、自然を楽しむ要素が多いかな。
タナカ フィンランドといえばムーミンですけど、ムーミンとサウナはつながってるよね。だってスナフキンがかぶってるのサウナハット(サウナで頭部が熱くなることを防ぐ布製の帽子)でしょ?
岩田 そう言われれば(笑)。
タナカ スナフキンのあの感じ、絶対ととのってるやん!! 日本のカラッカラなドライサウナしか知らない人は一度フィンランド式サウナに入ってほしい。フィンランドはサウナストーブで温めた石に水をかけて蒸気を発生させる“ロウリュ”が一般的。だからサウナ室の湿度が高くて居心地がいいんです。最近は日本でもフィンランド式サウナが増えてるので、これから体験するなら、ぜひロウリュやアウフグース(ロウリュで発生させた蒸気をあおいで浴びせるサービス)をやっているところに!
岩田 サウナは日本では男性向けとして広まったので、まだ男性用の施設のほうが充実しているのが現状。でもサウナのよさを理解して通う女性が増えたら、いい施設も増えると思うので、ぜひLEE読者にもデビューしてほしいです。
タナカ そうやね。仕事や育児で疲れている女性こそサウナを!
KATSUKI TANAKA
『バカドリル』などのヒット作を持つマンガ家。2011年に出版した『サ道』(現在は講談社から文庫版が)はマンガ版やドラマ化も。2013年、日本サウナ・スパ協会サウナ大使に。
RYOKO IWATA
コーヒーとサウナをこよなく愛す作家・イラストレーター。著書『週末フィンランド』(大和書房)ではサウナをはじめ、フィンランド旅行を楽しむポイントを紹介。
北欧好きならサウナはマスト
浴室がない代わりに各家庭にサウナがあるフィンランド。白樺の枝を束ねたヴィヒタで体を叩き、自然の香りでリラックス。体を冷やすのは、水風呂ではなく外にある湖!
次回は「素敵すぎるサウナフェスや実録体験マンガをご紹介! サウナ界隈、ガゼン盛り上がってます」をご紹介いたします! 詳しい内容は2020年LEE5月号(4/7発売)に掲載中です。
撮影/細谷悠美 イラストレーション/沼田 健 取材・原文/古川はる香
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