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LIFE

わが子の「学校へ行きたくない」に親ができること

【不登校 親の心得5カ条】子どもへの接し方&学校以外の居場所の探し方

  • LEE編集部

2020.02.19

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不登校が続いて、どうしても学校がつらいならば、学校に戻る以外の選択も。

不登校カウンセリングの専門家に、不登校の子どもへの接し方、「学校に戻る」以外の選択肢、居場所の探し方についてお話をうかがいました。

●この記事は2019年10月7日発売LEE11月号の再掲載です。


不登校カウンセラーが解説
不登校の子どもへの接し方&学校以外の居場所の探し方

数多くの不登校経験者の相談を受けている、不登校専門カウンセラーの阿部伸一さん。わが子が不登校になったら、親はどのように対応すればいいのでしょうか?

「不登校の原因は多岐にわたり、本人もはっきり言えないケースが多いんです。あまり追及すると子ども自身が『理由もないのに学校に行けないなんてダメ人間』だと自分を責めてしまいます」(阿部伸一さん)

不登校になるということは、心に傷を負った状態。骨折した人に早く歩きなさいとは言わないように、まずは“心をケアすること”が第一です。

「実は、子どもの話に口をはさまず、否定をせず、アドバイスもせずに最後まで聞ける親はあまりいないんです。無理やり聞き出すことはできないので、子どもが何か話し始めたら、とにかく聞いてください。

何か言いたくなっても、そこから3秒は黙って聞く。親の希望や価値観と異なることを言うかもしれませんが、親に子どもの気持ちをすべて理解することはできないんです。外に出るのが難しいのであれば、まずは話を聞いて、自宅の中を安心できる居場所にしてあげましょう」(阿部伸一さん)

 

まずは心を回復!不登校になったときの親の心得5カ条

 子どもの気持ちがわかると思わない
子どもと親は別人格であって他人。「わが子のことならすべてわかる」などと傲慢な考えを持つと、理解できないときにイライラして子どもに当たってしまう。

 世間体を脱ぎ捨て、他人と比較しない
百歩譲って心で思ったとしても、子どもの前で口には出さないこと。特に他人と比較することは心を傷つけるので、比較するなら本人の過去からの成長ぶりを見て。

 子どもが何か話したら3 秒黙って
子どもの言葉はすべて受け身で聞くことが大切。口をはさんだり、質問したりと途中で遮らないように。何か言いたくなったら、少なくとも3 秒は我慢。

 学校のことばかり話題にしない
子どもが不登校になると親は「学校はどうするの?」「今日は学校に行かないの?」と学校のことばかり口にしがち。なるべく関係のない、くだらない話をすると◯。

 子どもにかかわらない時間を持つ
親が過剰に気にしていると、子どもの心も休まらない。心配なのは仕方がないものの、1 日30分でもいいので親がひとりでリラックスできる時間を。

学校が絶対ではない。子どもと相性のいい居場所を探して

心が回復したら、第2段階として考えたいのが、子どもの居場所を探すこと。

元気になってきたら、外の居場所を一緒に探してみましょう。

「親はどうしてもまた学校に行ってほしいと思ってしまいますが、学校に行かなければ不幸になるとか、働けないなんてことはない。今はインターネットを使えばどこでも勉強できるし、フリースクールや学習塾、習い事など学校以外の居場所も増えています。

地域によるものの、小中学校の出席日数と高校進学が関係ないことも多いので、驚くほどたくさんの不登校経験者が全日制の高校にも通っています。

もちろん、戻れるなら学校に通えばいいのですが、難しければ、まずは『学校に行かなくてもいい』と親子ともに腹をくくること。そして、本人がどのぐらい勉強したいのか、進学したいのか確認を。

勉強がしたければ、その希望を叶えられる場所を探して。目星をつけたら、子どもと一緒に必ず現地を見に行くこと、また、そこで働くスタッフと話してみることがマスト。相性が大切なので、子ども自身が通いたいと思えることが必要です。

居場所の候補は、下の表の選択肢はもちろん、最近では不登校者が集まるNPO法人などもあるので、ぜひ親が情報収集して教えてあげてほしいですね」(阿部伸一さん)

 

「学校に戻る」以外の選択肢を検討

フリースクールは全国に474校以上と年々増加。ただ、明確な設置基準がないために千差万別で、学校のように授業を行うスクールもあれば、自宅の一室を開放したようなアットホームなところもあり。

1日トランプやギターを弾いてのんびりと過ごすフリースクールに、勉強したいと希望する子どもは合わないので、事前の見学や本人の確認がマスト。また、複数の子どもが集まるので学校のような社会ができて、人とのコミュニケーションが苦手な場合は学校と同じように負担に感じるケースも。周りの評判やいい・悪いではなく、自分の子どもに合う・合わないという目線でセレクトを。

ただ、地域によってはフリースクールへの登校が学校の正式な出席日数として認められたりとメリットも多いので、子どもとよく相談をして決めること。情報はインターネットや、全国の不登校相談窓口で教えてもらえることも。

外には出られないものの、勉強はしたい、進学を目指したい場合におすすめ。通信教育は、最近ではタブレット学習や、映像配信で授業の動画を見られるサービスもあり、本人のやりたい方法を選びやすい。

家庭教師は、「家庭教師のトライ」などの大手にも不登校サポートコースが。ただし、実績ではなく、本人との相性が合うかどうかを基準にセレクトを。

勉強と進学がしたい子ども向け。不登校生向けの個別指導学習塾も増えており、ひとりで黙々と取り組むほうが落ち着くタイプには適する。

ただし、同世代の友達との交流は難しいことが多いので、子ども本人が何を望むかはよく確認を。最近は昼間から授業をする塾も増えてはいるものの、不登校に理解がある塾かどうかは担当者に会って見極めて。

いじめや先生との相性の悪さが原因ならば、転校すれば不登校が解消することも。

自治体にかけあえば隣の公立学校への転校も可能。多くは私立への転入が多い。また高校生になれば、通信制や定時制もあり。

「N高等学校」のようなさまざまなジャンルの専門スキルを学べる、新たな試みの学校も。

国内よりも海外が肌に合う子も多いので、検討したいのが海外留学。正規の海外留学では、日本の高校卒業にあたる資格を取得できるので、大学進学は日本を選択するケースも。

ただ、親元を離れる、言語や異なる文化、環境で生活することには負担も。費用もかかるので、よく考えて決断を。


取材・原文/野々山 幸(TAPE)
この記事は2019年10月7日発売LEE11月号『わが子の「学校へ行きたくない」に親ができること』の再掲載です。

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LEE編集部 LEE Editors

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