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嗚呼、近ごろ「実家がしんどい!」

実親への切り返し&コミュニケーション術を精神科医・水島広子さんがアドバイス!

2020.01.05

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子育てへの口出し、止まらない愚痴など、ありがちな"しんどい"ケース。

親との関係を悪くせずに、やめてもらうための上手い切り返し方法は・・・?

"しんどい"気持ちとも、親ともうまく付き合うコミュニケーション術を、精神科医の水島広子さんがアドバイス!

 

よくある"しんどい"場面別
関係を悪くせずに"しんどさ"を減らしたい!実親への切り返し&コミュニケーション術

精神科医 水島広子さん

慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、対人関係療法専門クリニック院長。元衆議院議員。『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)など対人関係療法にまつわる著書多数。

女性の人間関係におけるトラブルを数多く見てきた水島さん。
LEE世代の女性と実親とのトラブルでありがちな、“子育ての口出しにイライラ”についてうかがってみました。

「子育ての先輩である親も、孫を持つ祖父母としては初心者。どうかかわっていいのかわからず、つい口出しをしてしまうのです。あなたが反応しなければ、やがて言わなくなっていくはずです。多少時間をかけて折り合う箇所を見つけて」

口出しも愚痴も、ストップさせるには“受け流す”ことが重要。

“それはおかしい!”と反論すると、親を刺激してさらに口出しや愚痴が激化。“そうなんだ~”と、言われたことだけを受け止めて。愚痴に関しては、アドバイスも反論のひとつなので必要ありません。繰り返すうちに、言っても意味がないと親自身が気づきます」

実親への切り返しの鉄則

 親も"祖父母"としては初心者ということを知っておく
 親を否定する言葉や反論・アドバイスは必要ない!

切り返し&コミュニケーション術 1
母が子育てに口出し。納得できないけど、言い返して険悪になるのもイヤ・・・

第1子出産の里帰り中、実母から「風呂上がりに果汁や湯冷まし飲ませないの?かわいそう」と言われ、最近の育児は変わったと説明しても納得いかない様子。
少しでも泣かせておくと「ママに抱っこしてもらえないのね~」などネガティブ発言も多く、精神的に疲れて予定より早く自宅に戻りました。(ロンロン33歳・長男3 歳&次男7カ月・父62歳&母59歳)

STEP 1|かたちだけ受け入れる

お母さんはそう思うんだ。なるほどね
そういう考え方もあるんだね
少し自分でやってみるね」 などを繰り返すと・・・

STEP 2|口出ししても受け入れられないと、親も気づくはず

「私も親としてだいぶ成長してきたから、来てもらう回数を減らせそう。また困ったときは頼らせてね」
NG 「お母さんも孫育しんどいだろうから、もう手伝ってくれなくていいよ」

「『それは古い考えで、今は違うから』など本当のことを伝えても、親からの反撃がひどくなるだけ。とりあえず『なるほどね』など受け入れる返答だけしておけばOK。
あまりに続くようであれば『学校(保育園・幼稚園)の方針で』『夫の育児の方針で』など自分以外の指示で、親の言うとおりにできないことを伝えると、納得してもらいやすい」

いつまでも続くようなら育児サポートの頻度を減らしてもらって。

切り返し&コミュニケーション術 2
同意できない愚痴の連続。反論すると火に油、どう反応すれば?

弟のお嫁さんに対して「プライドが高い」とか「神経質」とか文句ばかりを言ってきます。私から見れば、母のほうがいい加減で、お嫁さんはいい子なのに……。(びゅえる44歳・長男7歳・母70歳)

STEP 1|愚痴には同調せず受け流す

大変だったね~
不愉快なことがあるんだね」 などを繰り返すと・・・

STEP 2|自分以外に愚痴を言う相手を、親が自分で見つけるはず

「愚痴の内容については一切反応しないこと。親の気持ちにだけ共感するような受け答えを繰り返していれば、娘が愚痴の聞き役になってくれないと気づき、地元の友達などほかに愚痴を言う相手を見つけるはずです。親子だけで完結せず、交友関係を広げてもらうことが、親の老後にもプラスになります」



切り返し&コミュニケーション術 3
同意できない「次はいつ帰省するの?」の圧力から逃れたい!

両親が孫たちに会うのを楽しみにしてるのはわかるけど、子どもたちもお金がかかる年齢になったし、実家に帰っても正直ゆっくりできないし、何万円もかけて帰省するのは気が進みません。
どうしたら帰省しないことを納得してもらえるのか。(mick42歳・長男13歳&次男11歳&長女8歳・父77歳&母74歳)

STEP 1|「お金がない」など差し迫った帰れない理由をアピール

子どもの合宿費用で貯金使っちゃったんだよね・・・」 などを繰り返して・・・

STEP 2|それでも納得しないなら、切り札となる理由は"夫"と"仕事"

夫が気を使うタイプだから、くつろげないみたい
夫の仕事の都合で・・・
NG「帰省費用ってけっこう高いから、それだったら家族旅行に行きたいんだ」

「帰省以外にお金を使いたいものがあるという言い方ではなく、『すでに使ってお金がない』と伝えると反感を買いにくいです。親のほうから『帰省のお金を出してあげる』と言われたときは、『そのお金で美容院に行きたい』『子どもの塾の費用にしたい』など、差し迫った感を出して。最終的には、夫か仕事を理由にすると親世代は反論しづらいものです」


イラストレーション/いいあい 取材・原文/古川はる香

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