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FASHION

ハグ オー ワー20th ANNIVERSARY

スペシャルインタビュー「雅姫さんとハグ オー ワーとLEE」一緒に歩んだ20年

2019.10.16

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娘が喜ぶ服を作りたい一心で、ブランド・ハグ オー ワーを立ち上げた雅姫さん。時を同じくしてLEEで自宅を初公開し、抜群のセンスがたちまち注目の的に。それから20年。
多くの人を魅了し続ける雅姫スタイルを振り返るとともに、節目の年を迎えたハグ オー ワーへの思いも語ってもらいました。

 

 

 

ハグ オー ワーと走り続けてきた20年。子育てと並んで邁進し、人知れず悩んだ経験も糧にして今があるという雅姫さん。そんな道のりや最近かなえた夢を伺うと、出会いへの感謝の心が刻まれていました。

娘の誕生と幼い頃の思い出が
ハグ オー ワーの原点

23歳で娘を出産した雅姫さんは身近になかった小さな子どもの世界にたちまち魅了されたとか。そして、たまらなくかわいいものに囲まれた空間を作りたくなり、着せたい服がないことも手伝って、子ども服ブランドを立ち上げたいと夢を抱くようになりました。

母が子どもの頃に選んでくれたのは、ベーシックな大人服のミニ版。肌触りのいい天然素材とシックな色調が心地よくて、自分も着たくなるような服がまずイメージとして湧きました

子育てに奮闘する傍らで、服作りやビジネスに精通している知人に相談しながら手探りで形に。カタログ(右)を作り、ラッピング用に娘の絵をプリントした紙袋やシール、ラフィアの紐などを準備して通販から始めました。そしてLEEの取材ページで告知したカタログに、申し込みが殺到。当時はパソコンもなくカタログ郵送も手書きで、送ったそばからオーダーが入れば梱包と発送をして……。終わりが見えない作業をひたすらこなし、うれしい悲鳴を上げる日々が訪れたそう。

昔、地元の古着屋さんで働いてはいましたが、服飾にはそれほど自信はありませんでした。でも予想以上の反響に、同じような服を求めている人がいたことを実感。選んでくれた人に喜んでもらいたくて、無我夢中でした

 

その甲斐あってファンが増え続け、東京・自由が丘に9坪の店をオープン。しばらくしてレディス服も扱いはじめ、時々ハグ特有のヴィンテージ風の仕上げが誤解を受けて悩んだり、体調を崩して点滴を打ったりしつつも、少しずつ軌道に乗っていきました。さらに、風合いのある布を中心に扱う店“クロス&クロス”を開店させます。

ますます忙しくなってありがたい反面、思い描く“暮らしを楽しむ”こととのギャップに悩み、娘はママを仕事に取られると感じたのかハグの服を着たがらない時期も。サッカー選手だった夫の引退後の起業も重なり、フォローはアテにできず。目に映るほど、順調とはいい難かったかもしれません

そんな岐路に立たされても、自分が始めたことへの責任感と“好き”が勝りました。オンとオフを切り替えるよう頭を巡らせて、友人やスタッフにも助けられながら前に進みます。

苦労も楽しかった瞬間も、大切に保管している当時の服やカタログなどを見るとすぐ蘇ります。今はネットの時代だから新作情報はウェブサイトに移行していますが、原点に立ち返るために残したいものもありますよね。あと、自分の歩んできた道が記憶だけなのは、私はやっぱり寂しいかな

 

 


続けることに悩みながらも
人に支えられて前進

娘の成長やレディス服の人気に伴い、徐々に子ども服を縮小し、現在は子ども服をお休みしてレディスアイテムのブランドとなったハグ オー ワー。店はクロス&クロスと2つを展開しています。ネット社会ゆえにあらゆるスピードが速く、年々目先の仕事で精いっぱいになっているとか。それでもできる限り店に立ち寄り、ディスプレイをチェックして、お客さまやスタッフと話すことは欠かさないといいます。

維持する大変さは身にしみているからこそ、長年空間も含めて自分の世界観が表現できるのは幸せだと思うんです。それに、気がつくと服だけでなく、インテリア、食、花など暮らしまわりのあれこれに関心がある人が集まる場所になっていて。好みが似ているから話すと楽しいし、お客さまに顔見知りが増えること、お客さま同士が交流していくのもうれしい。人と人とのつながりは、やっぱり温かさを感じます

子ども服でハグを知り、一時期テイストが合わなくなったと離れた人が、今また戻ってくるケースも。20年という歳月が流れれば興味が変化していくのは当たり前だけれど、心から好きなものは180度変わらない。軸がぶれないから、縁が切れなかった気がすると話します。また、スタッフに対しても任せっきりにせず、顔を合わせて言葉を交わすのはつながりを感じてほしいとの思いが。それは自身が若かりし頃、先輩や家族の親密なアドバイスによって学び、今があるからです。失敗やできていないことを、リーダーとして注意はしても怒らず叱らず。やきもきしている子を見ると昔を思い出して“頑張れ!” と応援したくなり、仕事が上達したり結果を出したりすればちゃんと言葉や形で示すそう。一生懸命な姿を見守られていることがどんなに心強いか実感してもらえたら、という雅姫さんなりの思いやりの形なのです。

 

出会いと柔軟性を大切に
この先も一歩ずつ

そしてここ数年、力を注いでいるのはレディス服をアップデートすること。ナチュラルなコットンや麻中心の素材から、しなやかな“洗えるシルク”や“伸縮性がある”機能性素材にも注目して、幅を広げているそう。プリントは、趣あるモチーフや落ち着いた色合いに。大人にふさわしいテイストを吟味し、進化を続けています。また、念願の店で開くワークショップも最近かなえました。友人知人のクリエーターに協力を仰ぎ、自分も少し手を加えて。例えば料理なら、器や布を選んで合わせる即興コラボも楽しんでいます。

SNSは手軽に情報を入手できるけれど、体験はできませんよね。私がいろいろやりたいだけなんですが(笑)、おなじみの方も空間が好きで来られる方もいて。数時間でも一緒に過ごすと親近感が湧き、新たな交友が生まれるのが素敵だな、と。そして私が独りよがりにならないためにも、生の声が聞ける時間をもっと持ちたかったんです

出会いに感謝して触れ合いを大切に、ハグ オー ワーと時を重ねてきた雅姫さん。実は、HUG Ō WäRという名は綱引きを表すTUG OF WARから着想を得て、“愛を引き寄せる”という意味合いを持たせる綴りも考えた造語。駆け引きや勝負をするのではなく、“素直に優しくハグして人の輪も和も広げていけるブランドでありたい”との願いを込めました。

時代に合わせてオンラインショップやインスタも活用しています。服を生活や場面に合わせて変えるように。ぽっかりと空いたスペースに花を飾り、かごや本をディスプレイするように。また、器を料理によって選ぶように。変化も進化も受け止める好奇心を失わず、続けていけたらと思っています

 

 


次回は、雅姫さんの「ずっと好きなスタイル」、ファッションについてお届けします!

撮影/大森忠明 ヘア&メイク/渡辺みゆき 取材・文/高井法子 デザイン/MAKIKO IKEDA
ワンピース¥26800/ハグ オー ワー(ヌキテパ×ハグ オー ワー) その他/私物
詳しくはLEE11月号をご覧下さい。

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