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イマドキPTA事情

【読者のPTA体験談】一番の悩みは人間関係!モヤモヤすることもある一方で、良い部分も!

2019.04.01

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春を迎え、新年度のPTAが気になる季節となりました。
そこで、LEEメンバー&LEE100人隊に、園の保護者会や、小・中学校のPTA体験談を大調査!

「楽しくまっとうした!」「想像以上に大変だった……」それぞれの悲喜こもごもエピソードから、前向きに乗り切る知恵やヒントをもらいましょう!

 

経験者がズバッと語る!
【イマドキPTA】人間関係のモヤモヤ&得たものは?

PTAの悩みで大きな割合を占めるのは、やはり人づきあい。学年が違うママとも仲よくなれた!情報交換ができた!とポジティブな意見から、面倒な人間関係に悩まされた人も。

「決めごとをするにも全員が集まるのは難しいのでLINEでグループを作り話し合いを」となった(こもも)さんの場合は・・・

「お祭りの出し物を決める際、提案をしてみるも、 学年代表経験者の方に片っ端から否定され嫌な気持ちになりました。直接顔を見て、会って話し合えたら、少しは緩和されたのかもしれないのですが、その方とはそれ以降、参観日で顔を合わせても挨拶もできなくなってしまいました……」(こもも・医療関係・40歳)

役員全員30人のグループLINEができ、委員長からの連絡に対して「了解しました!」が鳴りやまない……。(レモネードママ・パート・40歳)

快く仕事を引き受ける人柄のよさやそれぞれの得意分野など、役員をやっていなかったら知れなかった保護者の皆さんのいいところが知れました。あと学校のことや進路の相談など、情報交換できてよかったです。(恭子・販売員・44歳)

PTAの仕事で学校に頻繁に出向くと、当然、先生たちと話す機会が増えるもの。たまたま若い男の先生と話しているのを数回見られただけで「不倫の温床」とよからぬ噂を立てられた(怒)。「そういう目的がない限りPTAなんか引き受けない」とまで……!(ダル子・会社員・41歳)

地区役員を通して敬老会の方々と交流でき地域のことをいろいろと教わりました。地元ではない私にとって、とてもありがたいことで学校の仕組みを知れたり、先生と話す機会が多いのも◎。小さいことでも相談しやすいですよ。(ぽこぽん・主婦・40歳)

退任した会長が顧問として残っておられたが、毎回会議で「私たちのときは……」と発言。過去の押しつけが強い。(まみりん・会社員・36歳)

ベテランの役員同士で輪ができていて、いつもその人たちの意見だけで会議が終わる。初めてやる人が慣れない作業でおどおどしていても自分からは何も教えようとはせず。その人が失敗してから、「コレやったの誰? こんなんじゃ駄目だよ!」と上から発言。(まぁ・パート・40歳)

PTA役員でなくてもボランティアやお手伝いをたくさん募集して、保護者がイベントにたくさんかかわることが、負担軽減になったと実感。「お互い様」という思いやりの心は大事ですよ。(laun・パート・39歳)

PTAジャーナリスト大塚玲子さんに聞く!変わりゆくPTAの今

そもそもPTA委員の決め方から活動内容まで、ネガティブな印象が多いのはなぜなのでしょうか?組織そのもののあり方を見直す動きもある!?
最新PTA事情を、PTAジャーナリスト大塚玲子さんに伺いました。

PTAジャーナリスト 大塚玲子さん
PTAや学校について全国を取材し、執筆・講演・出演など多数。著書『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』(ともに太郎次郎社エディタス)。

 

» 義務だと思っていたPTA。任意なのだと知って衝撃!

全国のPTAや学校を中心に取材されている大塚玲子さん。きっかけはご自身の経験からでした。

「初めは、保育園の卒園係でした。自分から手を挙げたのにブツブツ文句を言いながら活動して……義務感から引き受けたことを、後で反省しました(苦笑)。
その後しばらく離れていたのですが、小3のときにPTAのある委員に。そのときの部長さんが『やれる人が、やりたいときに、やれることを』と言いながら要領よく取りまとめてくださる方で、ストレスがほとんどなくて。それまで知り得なかった親御さんとの交流も新鮮でした」

この経験が「PTA=義務」という思い込みが薄れるキッカケに。同じ頃、朝の情報番組で“PTA参加を完全に任意にした”学校の存在を知り、衝撃を受けたのだそう。

「今までは“やらなきゃダメ”だと思っていたのにボランティアでいいんだ!と、思わずくぎづけになりました。無理なく楽しそうに活動している姿を見て『もっと詳しく話を聞きたい』と6年前から取材を始めました」

取材を重ねる中で、PTAの持つ問題の原因が少しずつ見えてきたと言います。

「PTA自体、役割はいろいろあるのですが、どんな団体でどういう活動をすべきか、というはっきりとした定義がないのです。だからこそ学校によって参加の仕方から活動内容まで幅広くなりすぎてしまう。もめる原因だと思います」

PTAの成り立ちをひもとくと、その理由が少し垣間見えるそう。

「戦後、保護者と先生が協力して、子どもたちのために活動する組織を作るようGHQが促しました。『親たちが民主主義を学ぶ場』として、ボランティア組織を推進したんですね。
しかし、当時の日本では『ボランティア』という意識が薄く、思ったように浸透しませんでした。しかもまじめな国民性ゆえ『参加を推奨=義務』と頭の中で転換してしまった。本来であれば任意なのだから『参加する・しない』を選んだうえで、主体的に参加するものなのです。
その前提がなく、いまだに入学と同時に自動的に加入しているケースがほとんど。これでは“やらされ感”が生じても仕方ありません」

 

» 時代とともに変化する組織も。変わらない組織と二極化に

最近は任意という認識も少しずつ広まり、問題視する意見も出てくるようになりました。

「単純に働くお母さんが増えたことでこれまでのやり方は維持できませんし、SNSで意見を発信しやすくなったのも後押ししていると思います。『今まで理不尽なことも我慢してきたけれど、おかしいことはおかしいと言っていい』流れに変わってきたのだと思います」

そして実際に、PTAのあり方を見直し、組織自体を変えていく動きも少しずつ出てきています。

「委員会を解散し行事ごとのプロジェクト制にする、という選択で『全員強制参加』でなくしたり。それから、親に限らずその地域に住んでいれば誰が参加してもよいという、開かれたサポーター組織に転換した学校もあります。PTAにこだわらず、必要に応じて必要な組織を作ればいいのです」

子どもたちのために活動したいけれど、1年間縛られるのは難しい……という人にとっても参加しやすく、いい流れに。その一方で、まだまだ保守的な地域や学校では、変わらない難しい現実も。

「変われる組織とこれまでどおりを踏襲する組織の二極化がますます進むと思います。後者の多くは、保護者自身に義務という認識が強く、自分たちがそうしてきた自負があるので、それを周囲にも求めてしまうんですね。さまざまな事情を抱えている家庭も多い今『変えていこう』という姿勢を一人一人が表していくことが大事ですね」

とはいえ、いきなり大改革を推し進めるのは難しい……。

どんなに小さな疑問や不満もまずは口に出してみるのが大事。私の友人の経験談ですが、『お祭りで仕事を依頼した業者にお礼の手みやげを渡す』という慣習を不要に感じて発言したところ、周囲の同調を得て廃止になったそう。私も現在、中学校のPTAで部長をしていますが、入学時に『PTA入会届』を配布するように働きかけをコツコツと続けています。
まずは強制的な加入の仕組みを見直し、一人一人が参加の有無を自分で決められるようになれば理想的。参加する人が主体的に参加し、それぞれの立場や意思が尊重される組織作りが、これからのPTAのあり方ではないでしょうか」(大塚玲子さん)


イラストレーション/カツヤマケイコ 取材・原文/飯田理恵
詳しくは2019年3/7発売LEE4月号をご覧下さい。

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