「あのカルタ、気になる!」
以前、暮らしのヒントでご紹介した「こころへ教室」の高橋由紀子先生の親子で学べる哲学教室でのひとコマ。一緒に参加していた小学5年生の女の子が、私たち親子の後ろに置いてあった箱を指差して「あのカルタ、気になる!」といいました。
見てみると『社会問題見えるカルタ』とかわいいイラストと共に書かれています。「社会問題という重いテーマでこんなにかわいいイラストが⁉︎」と内心ミスマッチだと感じましたが、中を開けてみてその意図がわかりました。
例えば、この『お』のカルタ。食品ロス問題についての内容です。近頃はクリスマスのホールケーキ、節分の恵方巻きなどイベントの度に大量廃棄される様子がメディアで取り上げられるようになりました。
私の場合、テレビで観た映像から衝撃を受けましたが、どこか他人事のようですぐに何をしたらいいのか自分事として考えられないでいました。では、このカルタではどうでしょう? 日常的に食べるおにぎりに焦点を当てているので、何もイベントのときに限らず、食品ロス問題は毎日考えなければいけないのだと気づかされます。
日本の問題だけではなく、世界中の社会問題に触れています。『ね』では、世界の1/3はトイレのない家があるということを教えてくれます。命がけで外で用をたす…子どもからは「えー⁉︎ ホントに?」と声が上がりそうですが、大人の私も同じ気持ちです。
いつのまにか、その問題が気になってくる
哲学クラスの最後にみんなで『社会問題見えるカルタ』をしました。「え!そうなの?」などといいながらどんどん取っていきます。
「不登校の小中学生 13万4千398人」この数字はどこかで誰かが…という数ではありませんね。この問題についてもっと深く知りたい場合は、QRコードを読み取って情報を受け取ることができます。
息子が帰り道、「同性愛婚って、認められてないの?なんでかなあ?」とか、「マイクロプラスチックがどうして魚から出でくるの?」などとこれまで話題に上らなかったことがどんどん出てきました。それについてお互いどう思うか、そして自分には何ができるかを具体的に話し合いました。
根深い社会問題だからこそ、浅く広く知って、考えるきっかけをつくってくれる、このカルタには素晴らしい力があります。そのときのプレイヤーの知識や思考の違いで、同じ問題が違う角度から考えることができますね。
いちばんいいのは「この問題は解決されたよね」と1枚でも多く言えることです。このカルタが学校や塾など、多くの子どもが集まる場所で活用されるといいですね。お正月のカルタはぜひ、『社会問題見えるカルタ』で!
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上紙夏花 Natsuka Uegami
ライター/ビューティープランナー
1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳