“母親である”ことが共通項である、ママ友同士の関係。
児童館、公園、送り迎え、子ども同伴のランチやお茶……限られたシチュエーションの中で有益な情報交換ができる、貴重な存在です。
ですが、話題により、場の空気が凍りつく瞬間が訪れることもしばしば。
決して爆弾発言というわけでもなく、いつもの会話で普通に口に出しがちだけれども、実は冷ややかな空気が漂ったり、時が一瞬止まったりする危険性をはらんだママ友間の“地雷”系ネタ。
特に気にしているママたちが多かった3つの話題を紹介します。
1:「次の子どうする?」系の話題(性別ネタ含む)
もっとも多くのママより寄せられたのが、「次の子どうする?」系の話題について。
センシティブな内容ながら、ママ友間で話題にのぼる頻度が高く、密かにイライラしている人も多い模様です。
・「娘が0歳の時、児童館で出会った初のママ友2人。ベビーマッサージの教室に一緒に通ったりと有意義な時間を過ごせていたのですが、会うたびに『2人目どうする?』という話題に。他2人は『職場復帰とか母体のことを考えたら1〜2学年差がいいよね』という考えで一致し、2人目を欲しい気持ちはあるものの経済的な理由で今は考えられない私は、ただ微笑みながら話を聞くのみ。ほどなくして2人は妊娠、私は会うことがなくなりましたが、正直しんどい会話でした」
・「息子は幼稚園の年少。同じクラスのひとりっ子ママ同士で仲良しに。ある女の子のママが、『上の子ももうすぐ4歳だし、そろそろ下の子頑張らないとですよね! うちは下の子も育てやすい女の子がよくて。姉妹が憧れで……』と、産み分けについて語り出し、場が凍りついた。とりあえずみんな相槌を打ってましたが、いろんな事情により子どもは1人と決めてるママもいるだろうに……。しかも男の子ママもいる中、女の子の産み分けトーク! 想像力の欠如に絶句しました」
・「隣の家に住む第2子妊娠中のママが、会うたび『次の子どうするの?』としつこく聞いてくる。『特に考えてないんです』と答えても、『ひとりっ子はかわいそう。まだいけるから頑張って! うちの場合はね……』と食生活から何から勝手にアドバイスしてくる。一体何様のつもりなんでしょうか」
・「ママ友5人で集まり、子連れランチ会をした時のこと。子どもが複数いるママたちの間で、『育てやすいのは一姫二太郎』『お兄ちゃんと妹の組み合わせが最強』といった論争が始まり、ひとりっ子ママたちは無言に……。そのうち、『男の子は育てにくいから次もやっぱり女の子がいい。服買うにも何するにも楽しいよ〜』、『女の子は口が達者で生意気。男の子はママを大事にしてくれるから!』などと、謎の“次の子の性別おすすめ”プレゼンが始まり、げんなり……」
・「同じマンションのママさんたちとのおしゃべり。毎回のように、次の子は何歳差が理想か? という話題で盛り上がっているのですが、今5歳の息子を高齢出産で産んだ私には、『でもひとりっ子もいいですよね。教育にお金かけられますし』などと言ってくる。現在、2人目が欲しくてクリニックに通っているので、その気づかいもなんだかしんどい。かといって、積極的に話題に入るのも躊躇してます」
年齢や経済面、体調、仕事など、それぞれのママがさまざまな事情を抱えている、“次の子どうする?”問題。
「親であっても、この話題には安易に触れてほしくないのに、関係性の薄いママ友に切り込まれると微妙な空気になる」という声が多く寄せられました。
2:授乳や睡眠、食生活など、子どもの生理面についての悩み
「全然寝ない」「離乳食を食べたがらない」「やたらと高熱を出す」と言った子どもの悩みこそママ友と! と思いがちですが、「話すんじゃなかった!」と密かにストレスを溜めた経験を持つママも多数。その心境とは?
・「産後2カ月、授乳がなかなかうまくいかずミルクに移行を決めたとき。先輩ママ(当時2歳児の母)から『子どもは絶対母乳で育てなきゃダメ! ミルクじゃ免疫力つかないから風邪ひきやすい子になっちゃう! うちなんか一生卒乳できないんじゃないかってくらい母乳大好きっ子で丈夫だよ〜』と強く言われ、メールでも『授乳頑張って!』としつこく送られてきて、イヤだった。結局すぐ完ミに移行しましたが、しばらくは先輩ママの言葉が頭から離れず、子どもに対して罪悪感がありました(ちなみに、わが子は完ミでも風邪をひきづらい子になりましたが)」
・「息子が『いつになっても夜まとまった睡眠をとってくれない』、『離乳食をあげても、投げつけられて食べてくれない』と悩んでいたとき。近所に住む、同い年の娘さんのママに悩みを話すと、『うちの娘は育てやすい子みたいで夜は3ヶ月からガッツリ寝てくれて〜』『離乳食? うちは毎回完食で太らないか心配なくらいだよ! 特によく食べるものは……』と延々と、いかにわが子が育てやすいかという話をされて……。当時はこの状態が一生続くんじゃないかってくらいしんどくい時期だったので、頭の中では、ママ友も悪気はないんだと理解しつつも、『なんでこの人に悩みを打ち明けてしまったんだろう』という心境に。ネットの悩み掲示板のほうがまだ役に立つというか。以来、ママ友に歩み寄りや共感を求めるのはやめました」
・「同じ産院で同時期に産んだママ友同士、産後2ヶ月目に会ったとき。私は息子の体重がなかなか増えなくて悩んでいたけど、ママ友は息子くんの体重が増えすぎと悩んでいて……。あまりに真逆な悩みだったので、『この人とは一生分かり合えない』と言う気持ちになり、相手も同じくイラだっていて、ピリピリした雰囲気に。子どもが2歳になった今なら、『お互いないものねだりだね〜』と笑いあえそうだけど、まだ産後、睡眠時間も細切れで必死だった当時は余裕がなくて、イライラしてしまった。どうしても子どもの発育を比べちゃう時期ってありますね」
個人差のある育児悩み。ママ友同士だと、解決策を提示しあえず、平行線をたどるケースも多く、微妙な空気を漂わせる要因になることも。
「子どもをたくさんみてきた子育て支援センターの職員や、幼稚園の先生や保育士、病院の先生の意見のほうが素直に聞けることも多かった」といった声も多く聞かれました。
3:「習いごと」系の話題
ラストは習いごとについて。
「どこの教室が評判がよいのか」などの情報収集には、ご近所のママ友が一番頼りになるものですが、実は地雷が多く隠されている話題のようで……。
・「ご近所のママ友同士で、『習いごとどうする?』という話題になり、うちは赤ちゃんから通える幼児教室、英会話教室、リトミックに通わせていることを正直に話したら、後日、別のママ友たちから『⚪︎⚪︎ちゃん(娘)って小学校受験するんでしょ? すごいね〜』と、勝手にお受験組認定されてました……」
・「情報通のママ友。『娘ちゃんに習いごとさせるの?』と聞いてくるので、『あそこの幼児教室に通わせたくて』『駅前のダンス教室、見学に行きたいなぁと』『新しくできた英会話スクールに行こうかと』などと話すのですが、そのたびに『あそこは娘(うちの子と同学年)が行ったけど、お金の無駄! 家でワークやったほうがいいよ』『あのダンス教室は評判悪いよ〜。公園で遊ばせたほうが身体能力が上がる!』『あそこの英語の先生、発音がおかしいからみんなダメって言ってる! 家で英語のDVD観たほうがまし!』などと全否定。あとで知ったのですが、そのママ友の娘さんはそれらの教室に通い続けているらしく……。うちの子に対するライバル心から、全否定を? わけが分かりません」
・「子どもが同じ保育園に通う、ママ友。『幼児教室に通わせてるけど、3歳でまだ数字が書けなくて不安』『まだ英語を始めてない、もう手遅れかも』『スイミング教室が順番待ちでは入れない。将来やばい』などと言うので、『うちなんて何にもやらせてないよ。数字だってまだ読めないし』と話すと、『⚪︎⚪︎くんは元気いっぱいだから習いごとは小学生からでも遅くないよ〜。うちは早くやらせないと』と謎のダブルスタンダード語り。うちの子、教育ママからは、既に下に見られてる? と思うときがあります……」
最終的にはわが子のことしか眼中にない(!?)ものの、マウンティング思考の母親は、よその子どもの進度が気になって仕方ないのかもしれません。
どれも、ありふれた些細なネタでありながら、空間が歪む危険性をはらんでいる3つの話題。
ママ友間では、相手の状況を見極めてから口にしたいものです。
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高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。