子育てをしていると、当たり前のことですが、大人の思い通りにならないことが多く、少なくとも1日1回はイライラしてしまうというママ、私だけではないはず……。それで、このイライラの原因をもう少し具体的に考えると、私の場合、主に以下の3つがあることに気がつきました。
- 時間のリミットが迫っている。
- 何度も注意していることを繰り返す。
- 良かれと思ってやったことを子どもに拒否される。
この中でも、この3つ目のイライラ、私自身があまり大人気ない性格であることもあり、けっこう感じていました。よくあるのは、せっかく娘が好きだろうと思って作った料理をひと口も食べてくれないとか、せっかく楽しいだろうと思って連れて行った場所なのに喜んでくれないとか……。
お出かけ先でよくある「せっかく」
かなり前のことですが、ショッピングモールの中にある室内の遊び場に連れて行った時、過去に何度か来ていて、本人が行きたいというので連れて行ったのに、お金を払って中に入った途端、「いやだ、遊びたくない」と言い出したことがありまして……。「え!来たいというからせっかく連れて来たのに、なんで?」と、イラっとしました。
また、先日は、鉄道会社がやっている「ポケモンスタンプラリー」をやりたいというので、台紙をもらって少しずつ集めていました。まだ全部集めきっていないところで、コンビニのローソンで「プリキュアスタンプラリー」をやっていることを知った娘、「ポケモンはもうやらない!プリキュアのほうをやる」と言い出したんです。「えー!せっかくいくつかの駅を回ってスタンプ押したのにー」と親は思いますよね。
もっと日常的には、栄養バランスを考えて何品も料理を作ったのに食べてくれないなども、「せっかく作ったのに」と思いがちな出来事です。
でも、よくよく話を聞いてみると、子どもなりに理由があることも多いので、お互いが納得できる着地点を見つけるしかないのですが、どうしても最初にイラっとしてしまう私。そこで、「せっかく……」という思いはひとまず封印して、これからは、イラっとする前に、子どもの言い分を聞いてみることを心がけてみようと思いました。そうしたほうが、心穏やかでいられますしね。
「せっかく」によって判断を間違えることがある
この「せっかく●●したのに」という気持ち、対子ども以外の場面でも、なるべく封印したほうがいいのではないかと思っています。これによって、判断を見誤ることがありそうだからです。
先日、登山好きの友人と話していた時に、その日の登山を決行するかやめるかの判断を誤らないためには「せっかく」を封印しなければならない、という話になりました。「せっかく休みをとって遠くまで来たのに」という思いが強くなってしまい、「これくらいの天候なら登っちゃおう」みたいな判断をすることが、登山の場合、危険を招くことがあります。その話をして改めて、「『せっかく』という気持ちは危険だね」ということに気がつきました。
というわけで、これからは「せっかく」の気持ちはなるべく封印していこうと誓った私なのでした。
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相馬由子 Yuko Soma
ライター
1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。