日本でパン職人として独り立ちしてから、パンを極めるならフランスに行かなければ･･･と言われ、いきなり渡仏。そのままフランスでパン屋さんを開いてしまったという、異色の経歴を持つ石川芳美さんと、石川さんのフランス人の夫で、パティシエとして活躍するロドルフ・ランドゥメンヌさんの2人で作り上げたブランジェリー・パティスリー『Maison Landemaine（メゾン・ランドゥメンヌ）』は、フランスに14店舗（今夏さらに1店舗開店予定）、日本では東京の麻布台と赤坂の2店舗を展開しています。

日本で店舗展開する際に「日本とフランスの文化の架け橋にもなりたい」というのが、夫婦共通の想いとしてあり、それを実現するべく、今回「メゾン・ランドゥメンヌのフランスウィーク2018」を期間限定で開催。

フランスのパリ祭の時期にあわせた、このイベントでしか味わえない限定メニューがたくさん用意されました。

 

限定メニュー

写真、左上から時計回りで
クーロンヌ ボードレーズ
フランス・ボルドー地方で見られる、王冠型のカンパーニュ。ピスタチオ、アプリコット、アーモンド、オレンジピールを練りこんだ、メゾン・ランドゥメンヌのオリジナル。

バタール
こちらは、日本ではおなじみの太目のバゲットですが、実はフランスではまったく見かけなくなっているそうです。普段はメゾン・ランドゥメンヌでも置いていませんが、今回のパリ祭では「古き良きフランス」を感じて欲しいと復刻！ また、気軽に食べて欲しいから･･･と、180円という値段設定もうれしい限りです。

ルバーブのデニッシュ
ルバーブ（西洋フキ）を甘く煮たものをのせたデニッシュ。ルバーブの甘酸っぱさが、夏でも食欲をそそります。日本人にも、どこか懐かしさを感じるおいしさです。

エッフェルパン
フランスのシンボルであるエッフェル塔をモチーフにした、ハード系のパン。これは、ベーコンエピに近いものとのこと。中にマスタードとベーコンが巻き込んであります。エッフェル塔の形がカジュアルなのが、逆にフランスっぽく素朴に感じられるとか！

ブリオッシュ サンジェニ（中央）
ブリオッシュ生地にピンクのプラリネを合わせた、フランス南東部のローヌ・アルプ地域の地方菓子です。甘みのある生地にプラリネのカリッとした食感がアクセント。散らばしたピスタチオの香ばしさとともに、風味豊かな味わいに！

他に、マンゴー、パイン、パッションシードの入ったパッションフルーツのアイスを、マカロンで挟んだアイスサンド、マカロン パリジャンも用意されています。サクサクのマカロンのひんやりデザートは、夏のうれしい味覚！

また、この期間にバタールを買うと、写真にもあるエッフェル塔が描かれたトリコロールカラーのパッケージにいれて持ち帰れます。メゾン・ランドゥメンヌのシンボルカラーのイエローではなくこの色を選んだのは、今回のフランス祭のテーマが「古き良きフランス」回顧･･･ということで、あえて取り入れたとのことです。

 

staubコラボのスペシャルメニューも登場

シャロレー牛ステーキフリット（ドリンクセット）

フランス最古の肉牛、シャロレー牛を使ったビストロ定番メニュー「ステーキフリット」が登場。ボルドー産ビーガンワイン、シャトー・レ・グラーヴ・ド・ヴィオーのテイスティングセット(赤2種)か、フランスの夏の果物赤肉メロンとキューカンバーシロップを組み合わせた、メロンモヒート（ノンアルコール）が選べます。
※このメニューは、麻布台限定で提供

この機会に、フランスの美食に出会ってみてはいかがでしょう？

 

石川芳美さんにインタビュー

さて、赤坂店は4月16日にオープンしました。メゾン・ランドゥメンヌとしてはフランスも含め、初の「オフィス街」への出店。オープニングセレモニーのときに、石川さんにお話を伺いましたので、インタビューの模様をお届けします。

 

－－フランスに渡られたときは、ほとんどフランス語を話せなかったと伺いましたが？

「そうなんです。何も考えなかったと言うか、その時、もう日本でパン屋も学校も経営していたので、『腕試ししてやろう。』みたいな、結構不遜な態度で渡仏したんです」

 

－－完全にイキオイで？

「イキオイで（笑）。だってね、3ヵ月で帰るつもりだったんですよ。でもその間に仕事が見つかって、ビザを取り直したりしている間に主人と出会って、再婚したりしたので、そのまま（笑）」

 

－－言葉での苦労はなかったですか？

「なかったといえば嘘になりますよね。渡仏したのが35歳ですから、毎日が頭グチャグチャになりながら勉強しましたね。きちんと意思の疎通ができるようになるには、3年かかりましたね。いまだに、主人と娘には『ママのはフランス語じゃない』って馬鹿にされたりしていますよ」

 

－－そのバイタリティあふれる生き方が、女性の応援になりそうですよね。

「そう言われると、うれしいですね。私の座右の銘は『決してあきらめない』だから！」

 

－－悩みがあるときや、くじけてしまいそうなときがあると思うのですが、どうされているんですか？

「若いときは、一人で抱え込んでうんうんうなっていましたよ～（笑） 最近は賢くなって、人を頼ったりすることもできるようになってきました。あとね、悩みがあるときって脳の90％が悩みで、あとの10％にはいいことが詰まっているのに、その10％が見えなくなっているんですよね。
だから、ものすごい勢いで10％のほうを見るようにしているの。そうすると、90％の悩みが80％、70％と減っていくものなんですよね。みなさんも90％のほうだけ考えていると、90％が100％になってしまうから、こんな悩みあるけれど、今日はきれいにお化粧できたな･･･とか、ランチがおいしかったな･･･とか、10％のいいことのほうを考えてあげる努力をするといい気がしますよ」

 

－－訓練がいりそうですが（笑）

「私は今日もこんないいことがあったのに、悩みで一杯になってるなんて、脳がだまされてるに違いない！って言い聞かせているんです。そのうちに、たいした悩みじゃなかったな･･･とか、別の解決策が見えてきたりすることも多いですよ」

 

－－現在フランスと日本を行き来されているんですよね？

「そうですね。年に6回は行ったりきたりしていますね。」

 

－－ハードな日々だと思うのですが、きれいや元気のためにされていることはありますか？

「私は走っています。日本にいる間は時間がなくて、麻布台周辺をちょこちょこなんですけど、フランスでは大会に出たりもしています」

 

－－スリムだと思いました！ さて、赤坂店は初のオフィス店舗ということで、他店とは違うところがたくさんありそうですが？

「ランチボックスだけを買える窓口を設けたところですね。短いランチタイムに、普通に選んで買っていただくお客さまと一緒だと会計に時間がかかってしまうのでつくったんです。これはフランスのどの店舗にもない初の試みなんんです」

 

－－かなり会計のイライラが軽減されそう！ ランチボックスも、かなり凝っていませんか？

「男性もお腹いっぱいになるように、SとMの2種類用意しました。どちらにもカップサラダとデザートもついていて、ヘルシーで手軽においしく食べていただけるものにしました。
特にこだわったのが、このナプキンなんです。食前用のお手ふきと、グレーの膝にのせる紙ナプキンの他に、これをつけたの。あけてみて！」

 

－－すごいレモンのいい香りがしますね。

「でしょう！ 食後にこれで、口のまわりや手を拭いて、さわやかな気持ちになってもらって『よし午後の仕事もがんばるぞ』って思ってもらおうと思って、すっごいこだわって作ったんですよ。特に女性を意識しました」

 

－－しばらくデスクに置いておきたいようないい香りですね。

「やっぱりおいしく食べてほしい気持ちと共に、働く女性を応援したい気持ちもここに込めたんです。」

 

 

モーニングやランチメニューにも、女性が喜びそうなものが多く、石川さんのこだわりと働く女性への応援がこめられているのが感じられました。
日本に出店するにあたって、フランスからスタッフも多数呼び寄せているとのこと。やっと現地のスタッフが「日本」に興味を持ち始めてくれたそうです。日本人にあわせた、独自のメニューもいくつかあるのですが、その逆輸入は、まだ実現されていないとのこと。今後の展開として考えているそうで、フランスの店舗で日本発のパンを見かける日も遠くなさそう。

 

フランス祭は、麻布台店・赤坂店で同時開催しています。
8月4日（土）、5日（日）には、麻布台店で「ボルディエバター」や「staub（ストウブ）」など、フランスを代表するブランドも参加するフランスマルシェも開催いたします。ソムリエによるオリジナルカクテルや産地直送ボルドーワインも多数ご用意し、フランスウィークのフィナーレを盛り上げます。
さらに、5日（日）15時からは、石川芳美さんのトークショーがあります。彼女の自然体で前向きな想いに触れてみてはいかがでしょう？

メゾン・ランドゥメンヌのフランスウィーク2018概要
開催期間：
2018年7月10日（火）～8月5日（日）

開催場所：
メゾン・ランドゥメンヌ麻布台
東京都港区麻布台3-1-5 麻布台日ノ樹ビル1F

メゾン・ランドゥメンヌ赤坂
東京都港区赤坂2-10-5（土・日・祝定休）

https://www.maisonlandemainejapon.com