大切な器が次々と…
「バタバタと洗い物をしていて、ついうっかり、大切な器が欠けてしまった…」そんなとき、ため息しか出ませんね(涙)。形あるものはいつかは壊れる。とか、自分に言い聞かせてもテンションは下がる一方です。いつか金継ぎ教室に行って修理したいなとぼんやり考えていましたが、予約もいっぱいでなかなか時間が取れず…。そんな中、初心者でも使える〝金継ぎキット〟なるものを東急ハンズのサイトで発見し、迷わず購入しました!
そもそも金継ぎって?
〝金継ぎ〟と聞いて、私は金を塗って割れた部分をくっつけるのだと思っていました。キットの箱には「本金粉入り」と書かれているのですが、実際には漆で接着して、その上から金粉を蒔いて仕上げるのだそうです。このキットもそこそこのお値段ですが、金で接着しようものなら、べらぼうに高くなってしまいますね(笑)。
箱の中には、丁寧な説明書きとともに、材料と道具が入っています。これ以外に用意するものは、器を乾かすときに必要な蓋つきの箱、布、割り箸くらいです。
友人も欠けたお皿を持ってきて一緒にトライしてみます!どの器もかわいい。
まずは欠けた部分をガムテレピン油でキレイに拭き取ります。次に欠けた部分の土台になる粘土状のパテを作って、塗っていきます。
パテの中身は砥之粉(とのこ)という岩石の粉と漆を混ぜたもの。この硬さを作るのが難しかったです。例えば、真っ二つに割れたお皿を接着するときには、柔らかく炊いたご飯を練り上げて漆と混ぜて接着剤にするそうですよ。
欠けた土台が作れたら、箱の中で乾燥
少し盛り上がるくらいに土台を盛ったら、蓋つきの箱の中で数日乾かします。湿度と温度に注意が必要なんだとか。じっくりゆっくり乾かした方がいいようです。
濡らした布の上に割り箸を置き、その上に器たちを乗せてフタをして乾くまで数日間待ちます。
乾いた後は、サンドペーパーで乾いた粘土の表面が滑らかになるよう、整えます。その上から漆を薄く塗り、金粉を蒔けば完成です。
いよいよ金粉を蒔きます!
掛け部分に漆を薄く塗って、乾きかけたところに金粉をつけていく作業を。筆先に含ませた金粉を、筆を指で叩きながら蒔いていきます。貴重な金だから、とっても慎重になってしまいますが、しっかり覆えるように多めに蒔いた方がいいようです。余分な粉を払ったら、真綿で抑えて完成です!
この金色がアクセントになって、今まで以上に愛着が! こうして大事に長く使えるのは楽しいですね。金継ぎに挑戦してみてよかったです。ガラスも金継ぎできるそうですよ!これからは食器が割れたとしてもがっかりせずに、金継ぎでお修理したいと思います。みなさんもぜひ試してみてくださいね!
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上紙夏花 Natsuka Uegami
ライター/ビューティープランナー
1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳