11月の月刊トップブロガー、お題は「お気に入りのアクセサリー」。
そんなに高価な良いジュエリーは持っていませんが、普段づかい用のものは、シーズンごとについつい増やしてしまいます。
とくにピアスは、お化粧が終わったあと、仕上げに顔まわりに華や艶をプラスしてくれる、こころづよい相棒。うっかりつけ忘れて出かけちゃうと、なんだか落ち着かず、そわそわしてしまいます。。(依存症!?)
ってことで、こちらが比較的よく使っている、お気に入りのものたち。
一番多いのは、やっぱり人気のプティローブノアーです。それからyumiko kawata、ミハエルネグリン、カレコペンハーゲン、レネレイド。
比較的新しいのは、イムカティムカ、グランマティック、コスターリングあたり。cosやビューティーアンドユース、それからアネモネで出会った、驚くほどお手頃価格のものもあります。
流行と関係なく使える、ヴィンテージっぽいデザインのものが多いです。
LEEマルシェで昔買ったものもあります!ソニアレネのフープピアス、アガットの天然石ピアス。どちらも長く使えるデザインのもので、重宝しています。
(Oucaのフリンジ付きピアスは今もマルシェで買えたりして。お盆玉クーポンを使ってこの夏に買ったものです。個性的なデザインのようですが、これがすごく使える子なんですよ!)
唯一、真ん中の右あたりにあるものだけがハンドメイド。デッドストックのヴィンテージボタンの穴部分にラインストーンとメタルビーズをこつこつと埋め、ピアスパーツを接着して加工しました。
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毎日つけるのはピアスですが、逆にほとんどつけないのが、指輪とネックレス。この2つは、行事やよそゆきの時にしかつけません。
この2つは、どちらも夫からの贈りもの。ティファニーのダイヤです。
王道のソリティアタイプのエンゲージリングと、誕生日プレゼントのバイザヤードのペンダント。ファインジュエリーは、たまに身につけると、もらった当時の幸せな気持ちを思い出せるのがいいところ。よいスイッチですね(笑)
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さて最後は、長年のお気に入りだけど、なんとまだ一度も身につけて外に出たことのないアクセサリー。誰にも見せたことがない、とっておきのものです。
12歳になった春、十三詣りのお祝いに、おばあちゃんから贈られたもの。ゴールドの房に、楕円形の真珠が実るデザインのペンダントです。小さいダイヤも一粒だけついています。
「十三詣り」は、関西以外ではあまり一般的じゃない行事かもしれないです。数え13歳になる年の春にお寺に参詣し、大人として生きるための知恵を授けてもらうという通過儀礼なのですが、七五三に比べるとぐっとマイナーですよね。
昔は「本身はじめ」といって、大人と同じ本身裁ちの着物を作ってもらう歳でした。成人の入口に立つという意味で、今も京都や大阪では、ちゃんと振袖でお詣りに行ってお祝いをする家もあるようです。
私の時はお詣りには行かなかったのですが、おばあちゃんがお祝いにと、このペンダントを贈ってくれました。つまり、人生で初めて自分のものになったジュエリーが、これなのです。
でも、その当時の私は身を飾ることなどにいっさい頓着せず、暇さえあれば本ばかり読んでいるような子でした。そのうえ中学受験に失敗して、とてもふてくされていました。
きっとおばあちゃんは、このあとの私の人生が、もっと女の子らしい楽しみに溢れた実り豊かなものであるようにと祈って、このペンダントを選んでくれたんだと思います。
当時はその事がよくわからず、とりあえず箱ごと母に預かってもらいました。そして18の時、進学で上京する際に渡され、本当に私のものになったのです。
少しつけてみて、鏡を見てなんだか似合わないなと思って、もう一度手荷物にしまいこみました。
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そのあと、大阪を離れる前に、おばあちゃんの家に挨拶に行きました。
私が東京にいる間に、怪我をしたり病気にならないでね。絶対絶対、約束して。元気でいるって。そう頼んだら、おばあちゃんはいつもの穏やかな笑顔で「そんな約束は、できへんわ」と言ったのです。
いつもなら「よっしゃ約束、指切りげんまんやで」と言ってくれるはずのおばあちゃんが、その時だけ、どうしても指切りをしてくれなかったのです。
私はとちゅうから取り乱して、泣き出してしまいました。
すると、おばあちゃんはひとりで部屋を離れ、蔵のほうに行き、しばらくして何かを手に持って戻ってきました。「これ持って行き」といって、私に手渡したものを見ると、朱赤色をした珊瑚の数珠だったのです。
「こんなもの貰えへん、おばあちゃんのもしもの時にこれを使うとか絶対想像したくないもん」と泣きながら断りました。それでもおばあちゃんは、「あほ言いな」と笑いながら、しっかりと数珠を私の手に握らせてきました。
「数珠はな、そういう時だけに使うもんとちゃう。持ってたら守ってくれる、ありがたいものなんやで。若い頃にお父さんにもらって、長いこと私の事守ってくれたから、もうじゅうぶんや。今度は、あんた守ってもらい。遠い遠いとこへ行って、ひとりで暮らすんやから。
何があるかなんて、おばあちゃんも歳やから約束できへん。なるったけ頑張るけどな。でも、離れるいうんはそういう事や。」
それは、十三詣りから5年経ち、今度こそ私が本当に大人の入口に立たされた瞬間でした。自分で進路を定め、生き方を選び、それにしたがって大切な人と離れねばならない時もある。どんなに悲しい事があっても、大人として受けとめて生きていく。
その覚悟が、まったく足りないまま大海に漕ぎ出そうとしていたことに気付かされたのです。おばあちゃんのほうがよほど心配で、泣きたかったでしょう。
泣き笑いでありがたく貰い受け、ペンダントと数珠を一緒に大事にしまいこみ、旅立ちました。それからずっと、いまも大切に持っています。
おばあちゃんは、約束通りなるったけ頑張ってくれているらしく、98歳の今も元気に大阪で暮らしています。贈ってくれたもの達に込めてくれた願いの通り、私も幸せに暮らせています。
最初の子を喪うという最大の悲しみが私に訪れて数珠を使う事になった時も、日にち薬しかないんやけどな、忘れられへんでも楽にはなってくるで・・と優しく背中を撫でて教えてくれました。
美しく装う心の余裕を持つこと。誰かにいつも守られていることを忘れず、人生の喜びだけでなく、苦しみも受け容れて強く生きること。大げさかもしれないけれど、大切なこの2つのことを、いつも心に携えていこうと思います。
yuki*
39歳/夫・息子(11歳)/手づくり部、料理部/横浜在住、大阪出身。港が見えそうで見えない丘の上の古い一軒家で、息子と年上の旦那さんと猫のリサと一緒に、楽しく暮らしています。本とラジオと美しい布が好き。がま口のお店をやっています。一度しかない美しい日々を、あたたかく綴りたいと思います。Instagram:@yukiiphone
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うっちー