大人の夏休み|ひとり静かにページをめくる贅沢『給水塔からみた虹は』など、おすすめ小説3選
-

TB いちこ
2026.08.15
- 0

こんにちは、いちこです。
今週はお盆休み中なのですが、9月になってから旅行を計画していることもあって、今年の夏は近場にぽつぽつおでかけする程度でのんびりと過ごしています。
そんなのんびり時間に私は読書を満喫中です。
休日の夜は読書が楽しい
平日も本を読んでいるのですが、いつもは通勤時間や昼休みなどに主に読んでいるので途切れ途切れなんです。
「今おもしろいところだから後もう少し読みたい!」
と思っても、電車が駅についてしまって強制的に読書時間が終了されてしまうことが多々。休みの日はそれがないのがいいですね。特に夜遅くにみんなが寝静まった後、リビングのソファでひとり、眠くなるまで好きなだけ本を読む時間がしあわせです。
この休日に読んだ中でお気に入りの小説3冊紹介します。
1、『給水塔からみた虹は』窪美澄

多国籍な住民が暮らす古くて巨大な団地。そこに住む2人の中学生桐乃と、ベトナム人のヒュウ、そして桐乃の母の里穂、そそれぞれの立場から物語が進められていきます。
親に蔑ろにされていると感じて、クラスメイトからも無視されるようになった桐乃。学校でいじめられ、仲間が欲しいがために柄の悪いグループとつるむようになったヒュウ。
そんな2人はある出来事がきっかけで友達になり、「この団地から出て、遠くへ行きたい」と2人とも家を出る。中学2年生のひと夏の逃避行。逃避行先で出会ったのは、ベトナム人の元技能実習生。彼らは不法滞在者のため隠れて生きていて……。
外国人労働者とその家族、技能実習生、ボートピープル、貧困の差。
この小説を読むまで知らなかったこと、深く考えていなかったことを考えるきっかけになりました。
何かの事件を知った時、「それは悪だ」と断じてしまっていたけれど、もしかしたら、そうならざるをえなかった理由があるのかもしれないと、考えるということを知りました。
考えたところで答えは出ないのですが、それでいいのかもしれない。
自分の視野が少し広がった気がします。
2、『空、はてしない青』メリッサ・ダコスタ著、山本知子訳

「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。
余命2年と宣告されたエミルは、周りの同情から逃れて自分らしく生きるために旅に出ることに決めます。掲示板で同行者を募集したところ29歳のジョアンヌという女性から返事が届き、2人はキャンピングカーに乗って旅にでる。
2026年の本屋大賞「翻訳小説部門」第1位の作品です。

上巻はゆったりとしたテンポで物語が進みます。キャンピングカーに乗って旅に出た2人が出会う山脈や田舎町の風景描写の美しさを味わって、ジョアンヌが教えてくれる名言をエミルと一緒にメモを取って、就寝前に少しずつ読み進めていました。
ちょうど下巻に入ったあたりでお盆休みに突入。
下巻に入ると、ジョアンヌの過去が章が進むごとに明らかになります。2人の関係は深まっていくけれど、エミルの病は進行して、それまでのエミルが消えてしまって向こう側の世界に行ってしまう。
もう、ゆっくりじっくり読むことはできなくなって、ページをめくる手が止まらず、夜遅くまで読み続けて、最後は泣きました。
しばらくぼーっとした後に読み進めたエミルの人生が幕を閉じたあとの後日談。
残された者の人生はこれからも続いていくという描写に救われて、あたたかい余韻がいつまでも残りました。
3、『本屋さんのある街で』

重たい本が続いたので、少し軽めの本が読みたくなって選んだのは「本屋さん」をテーマとしたアンソロジー。5人の作家が書いた、5つの物語が収録されています。
凪良ゆう、瀬尾まいこ、坂木 司、一穂ミチ、三浦しをん。
5人ともに好きな作家さんだったので「これは読むしかない!」と思って手に取りました。
私の住む街には数年前までは2軒の本屋さんがありました。ひとつは個人経営で、もう一軒はチェーンの本屋さん。だけど、どちらも相次いで閉店してしまって今は一軒もありません。本屋さんの数がぐんと減りましたよね。平台に並べられた小説を眺めて次に読みたい本を探したり、飾られたPOPの文章を読むのが好きなので本好きとしてはさみしいです。
本屋さんを愛する作家さんによる、本屋さんの話しは、本好きな方にはきっと刺さるはず。
私は特に、一穂ミチ著『歌うように生きて』と、凪良ゆう著『小鳥たち』が好きです。
まだまだ続く暑い日に、涼しい部屋で読書はいかがですか。
これまでのおすすめ本の話しです。
◼︎雨と本とおうち時間|40代女性が一気に引き込まれた小説4冊
◼︎季節の移ろいを感じたくなる本|森下典子著「日日是好日」と「好日日記」
◼︎【京都】満月の阿闍梨餅と京都が舞台のおすすめ小説『スピノザ診察室』
◼︎スタンダードプロダクツのアロマキャンドルとで秋の夜を楽しむ+おすすめの本2冊
それでは、また!いちこでした。
TB - いちこ
会社員 / 大阪府 / LEE100人隊トップブロガー
43歳/夫・娘(9歳・3歳)/手づくり部・料理部・美容部/ささやかなハンドメイド、旬を感じること、美味しいものがでてくる小説、民藝、書くことが好きです。そんな「私の好き」をLEEのことが好きなひとりの読者として、ありのままの暮らしの断片と共にお伝えできれば幸いです。イエベ秋・顔タイプフレッシュ。身長152cm。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。
















