あけましておめでとうございます。
今年は例年と違いちょっとイレギュラーな、食っちゃ寝の(最高な)元旦を過ごしております、nikiです。
昨年末に一気読みして「とても良かった!」と思う漫画のご紹介です。
ひらやすみ
生田ヒロト(29歳)、フリーター。
定職なし、恋人なし、将来の不安も一切ない、お気楽な自由人。
この「ヒロト」とまわりの人々が、葛藤したり、恋愛したり、喧嘩したり仲直りしたり…。
どのキャラクターもすごく人間臭くて、読み終わるころには出てくるみんながいとおしく感じられる漫画です。
実は、1巻の途中めあたりまでは「普通かな~」と思いながら読み進めていたのですが…(えらそうですよね、スミマセン)
「ここを読んで引き込まれたな」というシーンがあって。
それは、ヒロトのいとこ「なっちゃん」のとあるシーン。
大学で新生活をはじめ、いろいろ嫌なことが続いてばかりで。
こんな毎日、たしかに辛いね…大学フェイドアウトしちゃうかな…なんて思って読んでいたんですが、そんななっちゃんに、ちょっとだけいいことが起こるんです。
その「いいこと」が起こったとき、毎日見ている景色がきらっと輝いて見えるんですね。
そこでもう…なんというか、心をわしづかみにされました。
そう、こんなときが確かにあるんだよねえと。
本当にささいなことだけど「明日もがんばってみようかな」と思わせてくれるような。
あとから人生を振り返ったときに、まるで宝物みたいに思えてくるような。
そんな大事な、世界の見方が変わる瞬間を、ああこの真造圭吾さんという漫画家さんはとっても丁寧にすくいとる方なんだなあと。
泣きたくなるような、ぎゅっと抱きしめたくなるような、私にとって大事な場面です。
そこから一気に現在出ている8巻まで買って読んで
巻を追うごとに、一層好きになっていくんです。
どの登場人物も本当に味のある人ばかりで。
8巻の帯に脚本家(虎に翼)の吉田恵里香さんが言葉を寄せていて、「なるほど」と思ったんですが、この漫画の登場人物たちって、いろいろ間違うけど、でもそのたびにちゃんと謝るんですよね。本当に、この「謝り方」というのもすごく良くて、私も真似したいなあと思って…。あとは、ヒロト含めてみんな、微妙に思い描いていたのとは違う人生を歩んでいる、という吉田さんの視点もあって。すごく腑に落ちました。「そう!そう!」って。
私、20代後半ぐらいからかな、文学だったり映画だったりに、そういう「主役になれなかった人たち」の物語を求めるようになったんですよね。それは、自分が大学受験や就職活動を経て、なんとなく理想としていたものとは違う人生を歩んでいることに気づきかけていたタイミングだったからなのかも、と今となっては思うのですが。
今でもずっとその目線というのは持ち続けていて、たとえば(これ例えになるかわかりませんが)オリンピックがあったら、もちろん出場選手のことを応援するわけですが、その一方で、その選手のまわりにいる人のことが気になる。表舞台には立たないけれど、選手を支えてきた人たち、もしくは試合に出ることが叶わなかった人たち。そういう人たちの日常や、考えていることをすごく想像してしまうのです。
だから、決して華々しい世界ではないけれど、自分の日常を大事に、ときに右往左往しながら、疲れたり休んだり。精一杯生きている「ひらやすみ」の登場人物たちに、すごく親近感が湧くのかもしれません。
日常系の漫画がお好きな方にはとてもお薦めです。
そうでない方にも…もしかしたら響くものが、ちょっとあるかも。ほんとにいい漫画です。
長くなってしまいましたが…この漫画の良さがちょっとでも伝わっていたらいいなあと思います。
TB - niki
パート / 東京都 / LEE100人隊トップブロガー
38歳/夫・娘(4歳)・息子(1歳)/手づくり部・料理部コーヒーが好き。ミルクティーも好き。掃除は好きだけど片づけは苦手。手紙部部員。都内の雑貨屋さんや本屋さんなどを巡る休日も好きですが、海や山で過ごすのも大好き。いつも気持ちの良い場所を探しています。日記をつけはじめて1年。なるべく楽しいことを書き残したいので、いいこと探しを心がけるようになりました。昨年まで10年ちょっと、本(特に児童書)に関わるお仕事をしていました。絵本ラバーです。
この記事へのコメント( 3 )
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えいちゃん