今年はいつもより開花が遅かった桜。その桜も私が住む地域ではすっかり葉桜になりました。
葉桜になる前、ハラハラと花びらが舞う頃に、私はいつもこの曲とともに思い出していることがあります。
森山直太朗 「さくら(独唱)」
この曲は大学の卒業式の日、サークル全員でBOX(部室のこと)に集い、歌った曲。
卒業生一人ひとりがメッセージを述べ、最後に全員で学歌とともに、後輩(確かその時の部長)が はなむけに選んでくれたこの曲を歌いました。それからちょうど20回目(!)の春を迎えた今年。この曲を聴かない春はなかった。この曲がラジオで、テレビで、流れているのを聴く度に、あの卒業式の日のことをチラチラと、そして「部長、私たちにいい曲を選んでくれたなぁ。で、今、どうしてるん?」と思い出しています。
娘よ!友達って?
私が大学を卒業して20回目の春。娘が小学一年生になりました。
幼稚園最後の年は、それはまぁ彼女には試練の一年だったように思います。
特にお友達関係。年少、年中ではそれぞれクラスに大好きなお友達ができたのですが、年長で同じクラスにはなれず。
(娘の大好きなお友達。年少で同じクラスだったYちゃんと、年中で同じクラスだったSちゃん。このふたりが年長では同じクラスに。うちの娘は一番遠いクラスになりました。クラス替えあるある。私も大体ひとりになってしまう方。)
「今年も仲良しの子、つくってくるでしょう。」と、特に心配もしなかった私。
それがどうもクラスがしっくりこない娘。幼稚園から帰ってくると、
「これから、ずーーーーーーーっと女子せなアカンのやからさぁ。もうちょっと『こども、こども』しててもいいのでは?」というような女子のあれやこれやを話し出す。
娘の話を聞いていると、「私にもそういうことあったけど、それって私は小3ぐらいやったような…。」 と思うことがしばしば。私の記憶がないだけなのか?…
「一番小さいクラスの時も、この前のクラスでもお友達出来たんだけど、今年はできないんだよねー。」
「お母さん、友達って、どうやって作ったらいいのかなぁ。こないだまで得意だったんだけどな。」と 時折つぶやく娘。
「それ、お母さんが一番不得意なやつ!」と 夫。
なんと言ったらいいものか。友達を作るって、どうするんやろう? 私も知りたい。
毎回、「友達の作り方。お母さんもよくわからんねんけど…。」とか「難しいなぁ。」という枕詞の後に、
「お母さんも、こどもの時あったー。『今回のクラス、なんかしっくりこないわぁ。』って時。」(中学とか高校の時だけど。)
「違うクラスに一番仲良しの友達がいてるって、なんか大人っぽいー!」とかなんとか娘に話してましたが、ここは、ごまかしも安易ななぐさめもできないなと思い、私が思うことを伝え続けた一年。
「お母さんを見て!お母さんも幼稚園でのお友達は、あなたの大好きなYちゃんのお母さんとSちゃんのお母さんだけ!」
「友達って多いからいいってわけじゃないねん。お互いが『大好き』って言える人がひとりでもいてたらいいねん!」
「毎年バチっとあうお友達に出会えるとは限らんのよなぁ。年少さんの時も年中さんの時もラッキーやってんで。」
「だから大好きなお友達は大事にしよう。」
早いうちに伝えることができたのは、よかったのかなぁと思います。
そうとはいえ、担任の先生に様子を聞いてみると、「ひとりでポツンとしているわけでもなく、自分が遊びたい遊びをしているお友達とその時その時で遊んでますよー。」とのこと。
だから私もあまり深刻にならずに過ごしていましたが、卒園を間近に控えた最後の参観でのこと。ここで娘の様子を見て、「あぁー。これは一年、しんどかったやろうなぁ。」と感じました。
というのも、その日は参観後、こども達と保護者だけが教室からホールに移動して、「謝恩会で先生方に贈る歌の練習をする。」という時間があり、クラス単位での移動や少し待ち時間があったのですが、この、なんでもない少しの時間を、「誰に話しかけようかな?どうやって過ごしたらいいのかな?」と戸惑っている様子の娘がいました。
中学生の頃、毎年、新学期前は「クラス替えして、一緒に移動教室できる子いてるかな。」とドキドキしていた私。
だから春は苦手。クラス替えとは関係なくなった大学生でも苦手。そして!親になってもこどものクラス替えに一喜一憂している私。
いやぁ、悪いことしたなぁ。
それにしても、泣くこともなく行き渋ることもなく、よく一年間頑張ったなと思います。
気がつくのが遅かった。でも私に何がしてやれたんだろうか。
話を戻して20年前。
卒業式の日、「さくら(独唱)」をBOXで歌い、一度解散。夕方梅田で全員再集合。仕事終わりのOB・OGも加わり朝までの大宴会。それでも名残惜しかった私たちの代は解散する朝5時の泉の広場で、「今日さぁ、またうちらだけで集まらへん?」と誘い合い、その日の夕方、都合がついた5、6人でまたも集合。何をするわけでもなく、ただファミレスでドリンクバー頼んでしゃべってただけ。
その日、公園で皆で別れる時、「モラトリアム」という言葉が仲間内で流行っていたかは、もう憶えていませんが、「あぁ。これで私の、私たちの、モラトリアムは終わったなぁ。」、そして 「別れを惜しむとはこういうことか。」と はっきりと、しっかりと 、感じた日。
この日のいろんなことが、もう忘却の彼方になったけど、「さくら(独唱)」を聞くたびに、みんな元気かな。きっと忙しくしてるよね。とまだ私の中にある思い出の場面をリプレイしているのです。
そうはいっても、今年はバタバタしている私!
間違いなく、ここ何年かで一番バタバタ、ワタワタした春を過ごしている私。
こんな時に限って、図書館で随分前に貸出予約していた本の順番が廻ってくるという…。
しかも2冊! 2冊目は半分まで読んで泣く泣く返却。
この曲、私のメンタルのバロメーターにもなっていて、私、3月決算の会社に務めていたんですが、社会人3年目か4年目の頃、それはそれは仕事がタイトな年があり、
テレビからこの曲のイントロが流れてきた段階で、大号泣していた年がありました。
サラッと流れていく年。それでもやっぱり、思いっきり思い出してる年。
「あれから10回目の春ー!」とみんなに手紙を送った年。
そしてそれからまた10回分の春を迎えた今年。
「10回目から20回目のスピード、加速してない?」と驚きながら、「20回目の春ー!」って手紙送れなかったなぁと葉桜になった今、そのことに気がついた今年。
2月の末、サークルの同期のひとりと久々に会いました。リアルで会うのは8年ぶり。
会うなり、笑ってしまった私達。基本 爆笑、時折 大爆笑の三時間でした。
「みんなそれなりに老けたけど、きっと変わってないよ。」と、彼女。
相変わらず、「友達の作り方」を伝えることはできないけど、
友達って、ずっと会っていなくても、遠く離れていても、「元気かな?」「どうしてるかな?」と思う相手のこと。
長く会っていなくても、会えば思わず笑っちゃう。それが友達だと思う。
そう伝えたい、2024の春。
017 みもざ
017 - みもざ
主婦 / 埼玉県 / LEE100人隊
42歳/夫・娘(6歳)/手づくり部・料理部・美容部/結婚、夫の転勤により、生まれ育った大阪から埼玉に引っ越してきました。それから早6年。子どもを通じて信頼できる方とも繋がれたし、ひとりで過ごすのが好きだし……だけど、やっぱり、「私」として誰かと繋がりたい!自分の「好き」を発信し、これを機に日々のお料理を少しずつステップアップできればと思っています。よろしくお願いいたします。身長155cm。
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