東京丸の内、ステーションギャラリーで開催されている「みちのく いとしい仏たち展」へ行ってきました。
nikiさん、仏像とか好きだっけ?
もしそう聞かれたら…
答えはノー。
旅先やお参りでそういったものを目にする機会はあっても全然詳しくないし、何か語れるほどの知識も全くありません。
そんな私ですが、こちらの展覧会に訪れることを熱望していたのです。
それはなぜ?
今回展示されている仏像たち。
・あくまで民間の人々の手から生み出されたもの。素朴な民芸品に通じるゆるさが感じられるものばかりだと聞いていたから。
・信頼する人たちの前評判がとても良かったから。
この2つが「必ず見に行くぞ」と思った理由でした。
特に自分の周りの人たちが、「最近見た美術展のなかでも特に良かった」「2023年のNo. 1かも」と口々に絶賛していたのは大きかったです。
実際に行ってみて、期待通り!とてもとても良い展示だったなあと思います。
お寺の仏像のような立派さはないけれど
今回展示されていた仏像たち。
200年、300年ものあいだ、小さく粗末なほこらや小屋、良くてもすすだらけの神棚がかれらの居場所だったのだそう。
お寺の本堂にあるような立派なものとは対極。
あくまで人々の暮らしに寄り添う、身近な存在。
そのため、図工の授業で作ったの?と思うような素朴でファニーな仏像もあったし、
傷みが激しいものもたくさんありました。
でもどの像もにこにこ。穏やかな笑みを浮かべているものばかりでした。
「どんなに粗末で稚拙でも」
「それを必要とした人がいた」。
その事実に、胸がぐっとなってしまうんです。
決して楽とは言えない、おそらくとても厳しかったであろう、みちのくの暮らし。
厳しい自然や貧しい暮らしのなかで生きる人々の願いや祈りが、仏像を通して、自然と浮かび上がってくる展示でした。
やさしく笑う仏像たちは、きっと人々の心のよすがだったんだろうな。
なかには、育て得なかった子への思い、あるいは母子ともに失った家族の悲しみ。
そんな祈りが込められているであろうと解説されている観音像もあって。
これにはもう、こみ上げてくるものが。
キャプションや解説文もとても良く
解説文はずいぶん砕けた文章なんだなあと感じましたし、美術展でここまで主観や感想が書いてあるのって珍しい?とも感じたのですが、逆にそれがとても良かったのだと思います。
この仏像の意味わかる?こんなに面白いんだよ!
そんな気持ちが伝わってくるようでした。
ほんとにおもしろかったし、子連れじゃなかったらもっとじっくり読みたかった!(なので、図録を買って復習することに)
美術展につきあってくれた子どもたち
正直言って、子どもが楽しめる場所かといったらそうではなかったかもしれません。
けど、たとえ今ピンとこなくても、その体験は決して無駄ではないはず(と思いたい!)。
こちらは娘のお気に入りの絵本。鬼に仏、閻魔さまや観音さま、いろいろ出てきます。
今まで絵本のなかだけだと思っていた登場人物たちが、今回の展示で目の前に現れたとき。
明らかに娘が「!!!」となっていて。
娘のなかで、その存在を身体で理解した瞬間なんだなあと。
その現場を目の当たりにしたのは、私にとってもちょっと面白い体験でした。
こちら2月12日まで。ご興味ある方いましたら、ぜひ。
TB - niki
パート / 東京都 / LEE100人隊トップブロガー
38歳/夫・娘(4歳)・息子(1歳)/手づくり部・料理部コーヒーが好き。ミルクティーも好き。掃除は好きだけど片づけは苦手。手紙部部員。都内の雑貨屋さんや本屋さんなどを巡る休日も好きですが、海や山で過ごすのも大好き。いつも気持ちの良い場所を探しています。日記をつけはじめて1年。なるべく楽しいことを書き残したいので、いいこと探しを心がけるようになりました。昨年まで10年ちょっと、本(特に児童書)に関わるお仕事をしていました。絵本ラバーです。
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